« なかなかやの抱える問題 | トップページ | 仕事と音楽と »

2005/01/14

ヴェスプロの思い出

僕が初めてモンテヴェルディの「聖母マリアの夕べの祈り(ヴェスプロ)」という曲の存在を知ったのは今をさかのぼる20数年前、まだ大学2年生のときです。友達から何かお勧めのレコードないの?と聞かれて、まだ聴いたこともないくせにレコード芸術の推薦盤だったこの曲を教えてあげたんです(いいかげんだねー)。その友達が買ったレコードからカセットにダビングして聴いたのが僕のヴェスプロ初体験。演奏はユルゲン ユルゲンス指揮ハンブルグ モンテヴェルディコアーによるものでした。まだ当時古楽器による演奏など聴いたこともなかった僕にはそれは不思議な音楽、耳慣れない音でしたが、それでもなぜか心にひっかかってたまにカセットをひっぱりだして聴いていました。コルネットの音を聴いたのも多分このときが初めてだったと思います。

それからかなりの時が経ち、古い音楽をたくさん聴くようになってからは、自分の一番好きな曲になっていきました。初期バロックの金字塔とでもいうべき曲なので、出回っているCDの数も多く、僕のCDコレクションも20枚くらいになったでしょうか。

演奏会で生で初めて聴いたのは1995年9月のバッハコレギウムジャパン(BCJ)の府中での演奏、自分が演奏に参加したのは1997年のヴォーチェのとき(コルネット初デビュー)でした。しかし、めったに演奏される曲でもないので、それ以来ライヴで体験したのは聴いたのが2回に過ぎず、なぜか演奏した回数の方が4回と多いような状況です。でもコルネット奏者としては不思議ではないのかもしれない。というのは、前にコルネット奏者のブルース ディッキーが語っていたんですが、(誇張もあるとは思うんですが)コルネット吹きとしての仕事の9割はヴェスプロで、そういう意味からすると自分はヴェスプロ演奏のスペシャリストと言っても過言ではないという発言をしていたからです。確かにコルネット吹きにとってはヴェスプロは特別な曲です。CDもコルネットがどういう風に演奏しているか、から先に聴いちゃうし。

この週末はそのヴェスプロのレコーディングです。楽しみだなー      店長

|

« なかなかやの抱える問題 | トップページ | 仕事と音楽と »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ヴェスプロの思い出:

« なかなかやの抱える問題 | トップページ | 仕事と音楽と »