1630年に何が起きたのか?
(まず初めにこの話は基本的にブルース・ディッキーの情報に基づいていることをお断りしておきます)
16世紀後半に活版印刷が発明されてから楽譜も印刷されて市中に出回るということが始まりました。その前は全部手で写譜していたんですね。印刷の初期の譜面は今のものと違って、器楽曲であってもどのパートをどの楽器で演奏すべきかということはほとんど指定してありませんでした。例えば上のパートは単にソプラノと記載されていてヴァイオリンで演奏してもいいし、リコーダーやコルネットでも良かったのです。それは今のように専業化が進んでいなかったこともあるでしょうし、そこに居合わせた奏者が演奏できる楽器だったら音域が合えば何でも許容されたということだったのでしょう。また楽器を指定しない方がより多くのアマチュア演奏家に買ってもらえるという商業的もくろみもあったのかもしれません。
しかしながら時代が下るにつれて徐々に状況が変わります。1597年に出版されたジョバンニ・ガブリエリの有名なピアノとフォルテのソナタは楽譜に強弱記号が明記されたということで音楽史の教科書なんかに載って(実は確かめていないけど)いますが、各パートの楽器指定がしてある(第1グループはコルネット1本とトロンボーン3本、第2グループはヴィオラとトロンボーン3本)ことでも名高いです。
その時代最も楽譜出版が盛んだったのは東方貿易で経済的に潤っていたヴェネチアでした。彼の地で1600年以降出版された楽譜のソプラノパートには、たいてい「ヴァイオリンもしくはコルネットで」と書かれています。またそうした譜面は年を追う毎にどんどん増えていくのですが、なぜか1630年をピークとして激減するのです。出版点数自体が減っています。
そして1640年くらいからようやく出版される譜面の数も元の勢いを取り戻すのですが、もうそれらの譜面からは「コルネット」という文字を探すことが難しくなります。すなわちこのあたりでコルネットは全盛期を過ぎ過去のものとなりつつあることがうかがわれます(いくらなんでもすぐには消滅はしないでしょうからね)
さて、ここで今回のクイズ、タイトルに戻ります。一体1630年に何が起きたのでしょうか? 答えは後日書きますね。
答えは→こちらです。
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