図書館での出来事
先日に続き、三田の遠山記念文庫に行ってきました。
経験のある人も多いとは思うんですが、本が自分を呼び寄せるってこと、ありますよね。どうもこの図書館ではそういう体験が多いような気がします。
先日初めて行ったとき、書架を眺めながら、「きっとここにはアマデウス(出版社名)のイタリアン・ディミニューションの本がありそうだな」とふと思ったんです。その本はバンクーバーの音大図書館で見つけたものですが、前半の解説のところしかコピーしてなくて、つねづね残りの楽譜の部分も欲しいなあと思っていたからなんですが。で、ふとそう思った瞬間、なにげなく後ろを振り向くとそこに例のアマデウスの本があるではないですか。
今日の体験はこうでした。アルタ(ショーム2本とスライドトランペットの3声のアンサンブル)の譜面はないかなと探していたときのことです。とりあえずCORPUSの全集に Early Fifteenth-Century Music(全7巻)というのがあったので、適当に1冊手に取ってパラパラと眺めてみました。するとそこには3声の楽譜の一番下に TROMPETTA の文字があります!アルタで演奏する譜面かも、と思い、解説を読むと「一番下のパートはスライドトランペットで演奏したものと思われる」とあるではありませんか。
曲は Grossin のミサ曲。全7巻をつぶさに見たところ、実はこの曲しかトランペットの文字はありませんでした。ページ数にしてたかだか15ページ、でもたまたま手に取った本のなにげに開かれたページがそこだったんです。これはもうこのページが僕を呼んだとしか思えません。この図書館にこの本が収まって以来、僕以外に誰かこのページを開いた人がいたんでしょうか。いたかもしれないし、いなかったかもしれない。でも、今日は間違いなく「見て欲しいんだ」とこの本が切実に希求したから今こうやって僕の手元に楽譜のコピーがあって、スライドトランペットで音にされようとしているんだと、そういう運命だったんじゃないかと思っているんです。
そうやってこの曲に出会えただけでも図書館に行った甲斐があったというものです。 店長
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