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2006/03/04

Garden Rain

こちらの日記に触発されて久しぶりに武満徹のGarden Rain を聴いた。1974年にフィリップジョーンズ・ブラスアンサンブル(PJBE)のために作曲された金管十重奏曲。

僕が持っている音源はPJBE版とLondon Brass版。

PJBEの演奏が別格というY堕くんの意見に全く同意。彼はチューバのジョンフレッチャーと再現部のミュートを付けたトランペットの奇跡的な演奏がPJBEの演奏を特別なものにしているという見解だが、僕はPJBEのに針を下ろしてみて(こういう表現が出来るのはLPの特権だなあ)すぐに、その違いは静寂の処理にあるんじゃないかと思った。ピアニシモで音を保つ、あるいは音を消していく技術にもPJBEに一日の長があると思うけど。

初演は1974年11月8日、東京厚生年金会館。初来日時に曲を献呈されてすぐさまコンサート(このツアーでのコンサートは11回+ラジオ出演1回)、レコーディングという過密スケジュールの中でこれだけの演奏を残せているのがすごい!

もう一つPJですごいといえば、この曲は我がSVBEが1997年の今治でのブラスアンサンブルフェスティバルでフィリップジョーンズの御前演奏をした曲でもあるのだが、コンサートが終わったあとに、PJが僕に「君たちは指揮者付きで演奏したけど、中間部のトランペットが入るところから八分音符を基準に譜面をとらえると、そのまま自動的にカウント出来るんだよ。あ、途中でカウントの仕方が変わるからそこの所は要注意ね。だから、最初と最後のゆっくりした部分のザッツさえ合わせれば指揮なしで演奏できるし、実際我々の時はそうしたんだ」と教えてくれた。

そうか、あの録音は指揮なしだったのかー(残念ながら74年のステージは見逃してしまったので)と感心したのと同時に、さまざまな初演曲を数多くこなした彼が、20年以上も前に演奏した曲のアナリーゼまで覚えていることに深く感動してしまったのだった。

また懐古話になってしまった。。。。

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