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2006/05/05

筑豊弁

リリー・フランキーの「東京タワー」を読む。

北九州弁がなつかしい。方言のうち博多弁はポピュラーでほとんど全国区だが、同じ福岡県でも小倉と博多は文化圏が違うので言葉もかなり違う。で、飯塚、田川などの筑豊地方の言葉は北九州寄り、久留米などの筑後地方は博多寄りの方言だ。人の流れもその方が親密性があったからだと思う。(筑豊の炭坑で採れた石炭は遠賀川を下って若松、八幡の工場地帯へ運ばれた)。北九州の方が気性も荒く、言葉もぶっきらぼうできついような気がするのはそうした川筋気質を反映してのことなのだろう。一方博多は商業都市だったし、筑後川周辺はなべて農家だったからのんびりとした穏便な言葉になったんだと思う。

一例をあげよう。「〜だから」というのを小倉では「〜け」と表現する。
小倉だと「バイトが休みやけ、カラオケにいっちょーと」(バイトが休みだからカラオケに行ってるんだよ)
これが博多だと「バイトが休みやけん、カラオケばいきよんしゃると」となる。あるいは「バイトが休みやけんくさ、カラオケば〜」。「ん」があるとないとで柔らかさが違うような気がするんだが。

小倉の中学校に通っていたとき、筑豊の直方から転校してきた子がいた。僕らが「〜やけ、」というところを、その子が「〜やき、」というそれだけで「田舎もーん」といっていじめたもんである。いじめたといっても陰湿なものではない、単に揶揄しただけだ。目くそ鼻くそを笑う。

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