もぎぎオケ(その2)
さて、トランペットの話。
カンタータ147番ではトランペットが活躍する。1曲目の合唱曲はいきなりトランペットでの主題提示で開始するし、9曲目のバスのアリアではオブリガード楽器としてソリストと絡むように使われている。それに6曲目10曲目の有名なコラールではソプラノの旋律に重ねて演奏することになっている。とてもおいしいパートだ。調はいずれも in C。
もぎぎオケの今回のラッパは若手のKさん。1曲目と9曲目はピッコロトランペット(何管だったんだろう、遠くて判別できなかったけど多分B管かな)、6と10は普通のC管というふうに楽器を使い分けていた。
バッハのカンタータで管長の短い楽器(殊にピッコロ)を使うことは演奏の安全度を優先すると普通の選択なのかもしれないが、これは再考した方がいいのではなかろうか。6、10が合唱に溶け込んでよくブレンドして聴こえたのに比べ、1、9は問題含みだった。
ポイントは2つある。ひとつは音色。管が短いからちゃらちゃらした音色になりオケから浮いてしまう(これは例えばオケのソロバイオリンに子供用の1/16ヴァイオリンを使うようなもの。深みのあるG線なんて無理だよね)し、それはこのパートに求められているキャラクターではないだろう。
もう一つは音程。もともとCの自然倍音の楽器の為に書かれた譜面をB管でシャープ2つ付けて吹くとどうなるか。かなり気をつけて音程補正しないと平均律にすらならないし、ましてや元のCのスケール感を出すのは至難の技だと思う。今回も残念ながらいたるところで音程が乖離していて調子っぱずれに聴こえた。
音色と音程を犠牲にしてまで演奏のしやすさを採るよりは、多少のリスクを冒してもC管で吹いた方が数倍良いのではなかろうか。C管で無理なく木管楽器を吹くように演奏するのが理想だな、モダン楽器だったら。
若手で経験値が少ないということもあるのだろうか、勉強不足(カデンツのところに当然あるべきトリルがないとか)な面もあったし、とりあえず音を並べました、仕事しました、という感じが否めない。おいおい、もっと音楽しようよ。ってちょっと辛口過ぎますか?
| 固定リンク
「コンサート・CDなどの感想」カテゴリの記事
- コンサート余波(2022.09.04)
- プロムジカ使節団 第3回定期公演「文明開花vol.2 協奏曲の精華」(2022.08.02)
- 「斎藤秀範バロック・トランペット コンサート」(2022.04.07)
- エベーヌ四重奏団のベートーヴェン(2020.04.26)
- ベートーヴェンイヤーのCD全集(2020.04.13)

コメント
このテーマってありますよね。C-Dur440Hz ナンデ???バロックラッパ使わないの????モダンの意地ですか?????
まぁ ヨーロッパでは もうなかなかモダンの楽器でバッハってのに出会う機会少なくなってきました(この前 ぎゅとらーーさん 指揮者としてへんなCDだしてたみたいですけど・・)
特に ラッパは考えてほしいものです本当に。
大事なパートです!! し 弦はモダン 管はバロックって組み合わせも この際ありだと思います。(こんな仕事たまにありますよ)
ラッパをピッコロですますより ただしい選択だとおもいます。
まぁ バロックの世界 まだまだ課題は多いようで・・・
投稿: Sugi | 2007/01/27 21:58
Sugiさん こんにちは
>ヨーロッパでは もうなかなかモダンの楽器でバッハってのに出会う機会少なくなってきました
そうなんですか。もうそこまでいってるんですね。
>弦はモダン 管はバロックって組み合わせも この際ありだと思います。(こんな仕事たまにありますよ)
僕の仕事はたいていこのパターンです。(ラッパとティンパニだけバロックで他はモダン)これだけでもずいぶん違いますよね。
投稿: 店長 | 2007/01/28 09:28
できれば フルートもトラベルソにしてほしい もっと言えばオーボエも ってそんなことしてたら 完全部になっちゃいますね。
フルートと ラッパは バロックでやるべきです。
って D-Durの曲 440Hzで やるのは 辛いですよね。
投稿: | 2007/01/28 10:22
こないだのクリスマスオラトリオ、それから去年の66番は440Hzだったから辛かったです。フルートとオーボエがバロックだったら絶対に415になるんですけどね。
投稿: 店長 | 2007/01/28 21:30