コーヒーとアルゴリズム
今朝いつものようにコーヒーを淹れていて思ったんだが、フィルターでマニュアルで淹れるのとコーヒーメーカーで作るのとは、ちょうど株式の売買(VWAPターゲット)を人間の計らいでやるかアルゴリズム使うかの違いに似ている。
これだとなんのことやらさっぱり分からないだろうから説明を加えると、VWAPターゲットというのはある銘柄の売買をその日の売買加重平均した株価(Volume Weighted Average Price)に極力近くなるように分割して市場で執行すること。従来はどう執行するかを人が判断して少しずつ分割して発注していた(計らい)のだが、近年はコンピューターの発達により、銘柄毎の各時間帯における取引量をデータとして蓄えておき、それに沿った形で注文をコンピューターが自動的にスライス(分割)して市場に発注するようにプログラミングすることが可能になった。もちろんVWAPターゲットだけじゃなくていろんな戦略のパターンがある。例えば市場の出来高の何%づつ執行する(Volume in line)とか、ある値段を基準にしてそれよりいい条件だったら多めに執行する(Price in line)とか。これらのコンピューターによる自動売買をアルゴリズム取引と呼ぶ。最近は略してアルゴと称されることが多い。いってみればコンピューターゲームのドラクエで敵と戦う時に戦略を選ぶ(ガンガン行こう、とか、命を大切に、とか)のと全く同じである。
まあそんなわけで最近はこのアルゴリズムが機関投資家の間では結構使われている。アルゴは執行状況を見ていると実にコンピューターらしいというか、いかにも命じられたことを忠実に執行してくれる。人間のように飽きることもない。その代わりロジックのはっきりしているアルゴだとびっくりするような意外な行動もとらない。ロジックを良く知らないと観察していてドキドキすることもあるけれど。
で、肝心の結果はどうかというと、まだまだ開発の余地はあるのだろうが、VWAPターゲットだったらアルゴと人間とどっちが優れているというのは一概に言えないのではないかというのが僕の現状認識。もちろん人間が主観を交えて計らってその相場観が当たった時のほうが結果はいいわけだが、その人が常に当たるとは限らないし、外したときのマイナスを合わせると、コンスタントな成績をあげるアルゴの方が信頼がおけるように思われる。
話を元に戻すと、マニュアルで淹れようがコーヒーメーカーで淹れようが、自分にはたいして味の違いが分からないのである。ただコーヒーメーカーはばらつきが少ない。お湯を注ぐのに気分のムラがないからね。対してマニュアルだと「コーヒー淹れたぞ」という充実した満足感が得られることも事実。なにせ手間ヒマかけたもんね。ここらへんも人の計らいの執行と似ているところかな。
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