不思議な現象
ラッパで高音域を吹くにはいろんなアプローチがあるが、僕の場合どうやら2つに絞られてきたような感じがする。
特に穴なしのナチュラルで高音域を出す時に顕著に感じられるのだが、一つは今までのアプローチの延長線上にある舌(タング)でコントロールする方法。もう一つは口蓋の後ろの部分を使う方法、いわゆる後頭部を利用する方法だ。すなわち歌の応用とでも言おうか、ソプラノの人がハイノートにチャレンジするときに使うテクニックらしい。この数週間でなんとなく感じがつかめてきた。
まだ上手くコントロールできないけど、後者のほうがレゾナンス(響き)が自然で豊かな気がする。難点は音量が出ないことと、相対的に上がることはできても絶対的に当てることが出来ない点。タングだとある程度物理的に位置を確定することができるけど口蓋が狭くなる分音質が犠牲になる感じがある。
もちろん微妙に両者を併用することも可能(後頭部で上がっておいて最後の一歩はタングの助けを借りるなどのやり方)なんだが、まだ自分のものとして感覚を確実に掴むまでには至らず。
それはともかくとして、その後者による方法によると、音が高くなればなるほど一体どこが振動しているのか分からなくなる。
普通はジェネレーター(肺、すなわち空気の流れ)がヴァイブレーター(唇)の振動を引き出し、アンプリファイアー(振幅数の確定と音量の増幅をおこなう管)につながる ということだと思うんだけど、この状態だと真ん中のヴァイブレーターが意識されない。上下の唇はかなり間隔があってアパチャーは開いているし。それとも音の高低を振動数の問題と考えればアパチャーの大小は関係ないのかも。
いづれにせよ口蓋と管とでもって振動(響き)を作り出している感触、一言で言えば歌っている感じがする。
たぶんこれを押し進めて行くと、管の長さに依存しなくても音が出せる(もちろん振動数がシンクロしたほうが豊かな響きが得られるとは思うが)のではないだろうか。それを応用すると13倍音(ラ)の音を克服する糸口にもなるような気がする。倍音に頼らず音を出す、13倍音を上げるか14倍音を下げるかというベンディングの発想から離れないとラは出ない、というのが今のところの自分なりの結論なんだが、違っているだろうか。
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