ラウダ・コンチェルタータ
オーケストラ・ニッポニカの第12回演奏会を聴く(6/17 紀尾井ホール)
曲目は、
和田薫 オーケストラのための民舞組曲(1987)
伊福部昭 オーケストラとマリムバのためのラウダ・コンチェルタータ(1979)
ドヴォルザーク チェロ協奏曲
ンゴ・ホァン・クァン編曲 減額オーケストラのためのベトナム民謡「リィ・ホァイ・ナム」(2007)
和田さんの作品は多分初めて聴くけど、師匠の伊福部先生の流れを汲んだ(ていうか手法がそっくり)衒いのない日本の曲といった元気ある曲。面白かった。前回の深井史郎のテイストよりも好きかも。パーカッションパートがやけに張り切っているなと思ったらティンパニは作曲家とは縁の深い(やはり作曲家の)藤田さんという方が叩いていて、オケ全体を引き締めていた感じだった。どうでもいいことだけど、かけ声はパーカッションだけに任せず弦楽器奏者も手伝ったら良かったのに。
ラウダ。前プロに置かれていたけど、これは今回の目玉。最初の弦ユニゾンの4つの音でどっぷりと伊福部ワールドへ突入。
僕が新響に入って最初の練習が確かこの曲だった。「どひゃー、大胆なオーケストレーション!」と度肝を抜かれた部分でもある。今回のマリンバソロはボストン在住の若手大茂絵里子さんという人。見た目と出だしは期待させるものがあったのだが、曲が進むにつれどうもいけない。自分は初演の安倍圭子さんでイニシエーションされているせいか、ダイナミックさで及ばず若干不満が残る。リズムが早ノリなのも気になる。僕の席は前から6列目というほぼかぶりつきだったんだけど、ソロ(低音)の迫力が伝わってこない。
年寄りの繰言みたいになるけど、やっぱり安倍さんの演奏はすごかったんだなと再認識させられた次第。新響にいたときも何度かこの曲をやったけど、いつも大興奮のすばらしい演奏だった。初演のヤマカズ新星日響の演奏はレコードになっていたけど、芥川新響の演奏もそれに劣らない名演だったと思う。ただ惜しむらくは、80年の東京文化のとき、最後の最後に芥川さんが振り間違えて数小節先に終わってしまったこと。これさえなければCDにもなって残っていたのになあ。僕が一番良かったと思うのはその数年後福生でやった演奏。これは最高の出来だった。自分の新響生活の中でも5本の指に入る名演だったんじゃないかな。
そういえば僕は付いて行かなかったけど、新響はベルリンにもこの曲を持っていったんだった。
なんて昔話を思い出しながら聴いているから目の前の演奏についていけなかったんだろうな。いつまでたっても「あのイタリアオペラの初来日のときはね」と昔ばかり語っている評論家みたいだわな、我ながら。
チェロコンチェルトはともかくとして、最後のベトナムの歌は単純できれいだった。
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