マデウフ氏のレッスン(1)
Hotなうちに書いておこう。
穴なしのナチュラルトランペットを吹く上で一番大事なのは自分の体をどう使うか、2番目がマウスピースで3番目が楽器という順番。
体をどう使うかについては既にいろんなところで述べられていることと重複するが、エアーの使い方とサポート(高音になるほど下に意識し音が下がるほどにサポートを上げて行く)。リラックスして足を多少前後に開いて(これは楽器を自然に持つため)立ち、胸を開ける。どの音域でものどを開けておくこと。
舌の位置は高く、ただし口腔を広く、高音域では歌手のテクニックを応用する、つまり後頭部を意識して利用すること。
アンブシュアについては全音域において形を変えないこと。ウォームアップとして口の回りの筋肉をリラックスさせ、下あごを張った形で下唇にマウスピースの位置をセットする(これは直接そう言った訳ではないが)。下あご両側の筋肉を鍛えることが必要。
マウスピースは内径の大きいものを使う。彼が使っていたのはエッガーのBL1というモデル。内径が19.5mmもある。
エッガーのHPにはこのモデルについてこう説明がある。
This mouthpiece series is based on an original by William Bull, located in the London Museum. Eric Halfpenny had the mouthpiece measured and published these results, (upon which our model is based) in “The Galpin Society Journal XX”. The following models were created in close cooperation with Jean-Francois Madeuf.
Their bright, brilliant sound production and flexibility are particularly suited to the playing of (holeless) long, natural trumpets. Despite having a broad cup diameter, they are designed for use in the upper register.
ここにもカップは大きいけど高音域用と書いてある。
マデウフ氏はいろんなマウスピースを試してみた結果、これに落ち着いたそうだ。カップが大きいことも重要だが、それに加えてバックボアのシャンクが充分に長いことと、その部分が完全に円錐形に開いてなくてはならないことが大事なポイント。19世紀以降のマウスピースはスロートに入るところがなだらかでかつ一旦すぼまってから円錐形に開く。これは中音域を演奏する際には問題ないけれど、ナチュラルトランペットで13倍音以上の音の音程を正しくコントロールし、かつフレキシブルに演奏する必要があるバロックには向いていないということだ。
このマウスピースを下唇の位置を確定してセットする。吹くときも下あごを出しめにしてそこでサポート、コントロールする。すると確かに上唇に負担がかからない分バテにくいように感じられる。ただし、やはり口回りの筋肉を鍛える必要がありそうだ。
…この稿次回に続く
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