多芸多才
幸い自分はアマチュアのラッパ吹きとしては所属団体には恵まれてきた方だと思っている。オーケストラ(新響)もそうだしアンサンブル(聖バレンタイン)もそうだ。だからモダン楽器をやめた今もそれほど悔いはない。ただ永らくやってきたうち「ああ、このグループに入っていたら幸せだっただろうな」と思える団体がただ一つある。僕より数年若い世代の集まりなので年次が違って加わるのは無理だったのだが、もし同年代だったら絶対門戸を叩いていたに違いない。それが叶わなかったのでほとんど嫉妬に近い感情をそのメンバーに持っていたように思う。その団体の演奏会を今日聴きに行った。
ピストンクラブ 第15回定期演奏会(川口リリアホール)
ピストンクラブというのはトランペットだけのアンサンブルだ。もちろんトランペットだけのアンサンブルだと音域的に苦しいのでトロンボーン奏者も一人入っている。ただし使用しているのはバストランペットで、あくまでもピストン楽器にこだわっているわけだ。
なぜうらやましいかというと、メンバー各人の才能、才知を尽くして音楽活動をしている点につきる。今回も市販の譜面はひとつのみで他は全てメンバー6人によるアレンジ。それもクラシックの編曲ありポピュラーのアレンジありと多様。
「お客さまに楽しんでいただく」「トランペットアンサンブルの可能性を追求する」という団のコンセプト通り楽しくかつ飽きさせないプログラミングだった。演出にもこだわりやいさぎよさを感じるし。個人的には最後の野口氏編曲のアガサクリスティ「そして誰もいなくなった」がオリジナリティにあふれていて(最初からオチは予想できたけど)楽しめた。それからアンコールの「紅葉」には不覚にもちょっとほろりとさせられた。
この団体のホームページを見てもらうと分かるけど、この連中、ラッパやアレンジにとどまらず、文章を書かせてもうまい。類は友を呼ぶという典型なのかもしれないが、こういう付き合いは楽しくてやめられないだろうな。やっぱりうらやましさを再確認してしまった今日のコンサートだった。
