岐路(その2)
その二番目は社会人になってからだ。
最初に就職した会社(中堅商社)はいい人たちにも恵まれ、同期もいい奴ばかりで、担当する職種もやりがいがあって、それは居心地のいいところだったんだけど、(若気の至りか)会社そのものに飽き足らなかった。そこに自分の会社生活を捧げる気がしなかったのだ。本気で転職を考えたのは入社5年目くらいか。新聞広告を見ては1、2社面接を受けたりもしてた。
そうした日々を過ごすうち、ある日日経新聞に大手証券会社が大々的に中途採用をするという記事を見つけた。D証券に財務部門希望で履歴書を送ると、ほどなく試験要項を記載したハガキが届いた。そのハガキをなくさないよう部屋の壁にピンで止めておいた。
それから数日、普段通りに会社に通う日々。ある日、いつも通り出社しようとして玄関で靴を履いているとき、ふと「そういや、D証券の入社試験は明日だったよな」と思ってなにげなく壁のハガキを確認した。すると、なんとその日が試験日だったのだ(間抜けだよね)。
あわてて会社に電話をかけて今日は体調悪くて有給休暇下さいと仮病申請。
その足で採用試験会場へ行き、なんとか試験をパスしそのD証券にお世話になることとなった。
あのとき、ふとハガキを見ようと思わなかったら、D証券で働くこともなかったし、ロンドン勤務もあったかどうか分からないし、その縁でイギリス系の会社に転職することはなかったろうし、回り回って今の会社にいるかどうか。とにかく自分のキャリアはあの瞬間に大きく転換したことは間違いない。
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