ナチュラルトランペットの教則本
楽器を手に入れたならさっそく練習です。
ここでは教則本の紹介をしましょう。
ナチュラルトランペットの教則本については迷うことなくエドワード・タールの著作による次の全3巻をお勧めします。
Edward H. Tarr / The Art of Baroque Trumpet Playing (Schott)
vol.1 Basic Exercies
vol.2 Method of Ensemble Playing
vol.3 A Beautiful Bouquet of the Finest Fanfares
タール教授が長年バーゼルで後進の指導にあたっていた成果が結実した実践的な教則本になっています。取り扱っている内容、取り入れられている練習曲、解説、写真、いずれもナチュラルトランペットに焦点を合わせた厳選された内容ですので、実際の練習に使うばかりでなく見るだけでも楽しめます。また2巻3巻は重奏曲集としても充実していて、この2冊だけで充分にアンサンブルが楽しめます。
ただしこの教本は孔を使った練習についてはカバーしていません。そこを補足するには別の教則本を使う必要があります。あるいはバッハやヘンデルの実際の曲で指使いについて実践的に慣れていくという方法もあるでしょう。バロックトランペット向けには以下のような教則本が出版されています。
Paul Plunkett / Technical and Musical Studies for the Baroque Trumpet (Spaeth/Schmid 1994)
Michael Laird / Brass WorkBook for Natural Trumpet (BrassWorks 1999)
Claude Rippas / Kleine Anleitung zum Spiel der Barock-Naturtrompete (Toppbrass)
Robert Farley / Natural Trumpet Studies (Brass Wind Publications 2003)
Ralf Probst / Übungen für Barocktrompete (Spaeth/Schmid 2003)
Steffen Wardermann / Naturtrompetenschule (Imperium Musikverlag 2010)
Patrick Henrichs / Die BarockTrompetenSchule (Flugelpferd 2013)
最後にオリジナルの古典的な教則本について挙げておきましょう。
Cesare Bendinelli / Tutta o'arte della Trombetta 1614 (Manuscript Facsimile reprint, The Brass Press)
Girolamo Fantini / Mode per Imparare a Sonare di Tromba 1638 (ed. Conforzi / Ut Orpheus)
C.Eugéne Roy / Méthode de Trompette sans clef et avec clefs 1824 (Editions Bim)
François Dauverné / Méthode pour la Trompette 1857 (IMD)
ベンディネッリは主にプリンシパルの演奏パターンについてこれでもかというくらい豊富な譜例がついています。ファンティーニも同時代ですが高度なクラリーノ音域のシラブルについて非常に勉強になります。ロイの教則本は前半がナチュラルトランペット用、後半がキイトランペット用の練習曲となっています。なお、ここに挙げた以外にも古典とされる当時の教則本はあるのですが、それらは最初に挙げたタールの教則本の第1巻にそのエッセンスが収録されています。そういう意味でもとりあえずタールの教本で必要充分じゃないかと思います。
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