« 勝手コメント(トランペットのメーカー) | トップページ | どの楽器にするか? »

2008/08/16

勝手コメント(トランペットのメーカー)その2

さて、次はオリジナル楽器の復元にこだわった正統派メーカーたちです。

Barclay
バークレイ氏はカナダのオタワで長年博物館の楽器保管や修理・修復に携わってきました。17,18世紀の工具、工法で手作りで製作する正統派です。モデルはHeinlein (1632) と Ehe (1746)。残念ながらもう引退してしまって新しい楽器は作っていないとのこと。もしセコハンの楽器が出回っていたらめっけものです。
引退後の今はナチュラルトランペットを1週間で手作りするというワークショップをセラフィノフ氏やミュンクヴィッツ氏と共にアメリカやヨーロッパで毎年行っています。参加した友人によると実際にそこそこの楽器ができて音も出せたから感激したという話でした。The Art of the Trumpet-maker (Oxford University Press ISBN 0-19-816605-2) という本も出しています。

van der Heide
ここもバークレイと同じく手作りにこだわった正統派。バロックのモデルは Ehe (1725) で、基本的に補正孔はありません。ただリクエストすれば1つ孔の替え管を付けてくれます。納期は10ヶ月ほどかかります。注文に応じて当時の装飾をほどこした、それは美しい楽器も作ってくれます。オリジナルに基づいたマウスピースは楽器とマッチしてなるほどナチュラルはこういう音質かという音色が得られます。

Graham Nicholson
オランダのニコルソンも正統派のメーカー。補正孔はありません。ニコルソン氏自身もプレーヤーで、クイケン指揮のラ・プティット・バンドなどのCDで彼のナチュラルの演奏を聴くことができます。吹奏感はとても良く、芯のしっかりした音色です。バロックのモデルに加えてクラシカルのコピーも作っています(リベラ・クラシカで使用)。

Markus Raquet
マルクス・ラケットはバークレイ氏と同じく楽器の修復が専門の人です。ベルリンの大学で修復と保存を学んだ後、1995年よりニュルンベルグの国立ドイツ博物館で働いています。彼は現在ナチュラルトランペットはHaasとEhe III のコピー楽器を作っています。制作方法は上に述べた他の人たちと同じく昔の工法に則ったこだわりのあるもの。バーゼル・スコラ・カントルムの教授マデウフ氏がこの楽器を使っています。

|

« 勝手コメント(トランペットのメーカー) | トップページ | どの楽器にするか? »

トランペットの話題」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 勝手コメント(トランペットのメーカー) | トップページ | どの楽器にするか? »