芸大にて
昨日は午後6時から芸大にてジャン=フランソワ・マドゥーフの特別講座を聴くことができた。(誘っていただいたKさん、ありがとうございました)
これは芸大管打楽と古楽部会の共同主催によるもので、マドゥーフ氏の講義だけではなく、同じラッパのグレアム・ニコルソンとホルンのピエール=イヴ・マドゥーフ、それにセルパン(セルパンだよ!)のジェレミー・パパセルジョとの4人の演奏付きという贅沢さだった。
最初に楽器と演奏法について。自然倍音とか調整が必要な音とか、それを楽器を鳴らしながら分かり易く説明してくれる(フランス語の通訳は山田伊津美さん)。
譜例に使われたのはソロとしてバッハのカンタータから110番、103番、126番など。それから楽器の本数を増やしてヘンデルの水上の音楽と王宮の花火の音楽からいくつか。
使用楽器はトランペットは2本ともシルバーで、ひとつはマインル製(1974年にエドワード・タール用に作ったものらしい)のドイツ(ニュルンベルグ)モデルで、もうひとつはロバート・バークレイ作のイギリス、ブルのモデルだった。 装飾も綺麗。
ラッパの奏法に関しては前に個人レッスンを受けたときとほぼ同じ。 Generator(息) とVibrator(アンブシュア)とAmplifier(共鳴体) の関係のこと。 舌の使い方など。綺麗な音と鮮やかなコントロールテクニックに会場から思わずため息が漏れるほどだった。
質疑応答のところで、その共鳴体の訓練の仕方について伺ったが、声では出ない音域についてはある一定以上のところからの声はでなくてもその音を出す時の体の使い方をイメージして音を作るとのことだった。実際、講義が終わった後にソプラノの野々下さんが「高い音を吹いている時の体や顔の使い方が歌と全く同じだわ」とおっしゃっていたのが印象的だったし、やはりそれが真理なんだと思う。多分いま自分が一番鍛えて習得しなくちゃいけないのはこの共鳴体のところだとの確信を強くした。
それはそうと、パパセルジョにまた会えたのはうれしかった。彼に会ったのは1999年に北とぴあ音楽祭でドゥース・メモワールのドルツィアン(ファゴット)奏者として来日した時以来。そのとき組んでいたアンサンブルでレッスンを受けたのだが、なんと驚くべきことに彼は僕のことを憶えていてくれた!すごいね。うれしかったっす。しかもなに、セルパンも吹くの?いや、びっくりだった。
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