マドゥーフ氏へのインタヴュー(その1)
以下はHBS(ヒストリック・ブラス・ソサイエティー)のニュースレターに掲載されていたナチュラルトランペット奏者ジャン=フランソワ・マドゥーフ氏のコメント。やはり長いので数回に分けて紹介しよう。
【いかにしてナチュラルトランペットを始めたのか】
バロックトランペットに最初に興味を持ったのは1980年代のことだった。特に歴史的アプローチを復活させることはできないかとずっと考えていた。つまり1960年代から一般的になってきた補正孔を使うという方法に頼らないでトランペットを演奏するやりかただ。当時は孔を使わないでバロックトランペットを演奏するというのはいわば失われてしまったアートのように思われていた。あたかもクラリーノ(高)音域の演奏は昔のトランペットのギルド制度とともに死に絶えてしまった秘密ででもあるかのようにだ。
自分の初体験はD管の(孔なしの)騎兵隊ラッパにモダンのマウスピースをつけたものを吹いたのが初めてだったが、やがてMeinl Lauber の孔が1つついたロングタイプの楽器にBruno Tiltzのバロック用マウスピースを組み合わせで練習を続けた。こうすると11倍音と13倍音がやや楽に調整出来るようだったからだ。我々の先祖はこうやって吹いていたのだし、この楽器のためにバッハなどの偉大な音楽家が曲を作ったのだと固く信じることにした。歴史的な証拠を調べるにつれ私はますます我々の先祖とできるだけ同じアプローチをすることで同様の結果にたどり着くだろうと確信した。さらに、補正孔はこの楽器の持つ性質を変えてしまって他の楽器と溶け合う音というよりはむしろ他を支配する音になるような気がした。
このように自分の考えを実践しながらも3つ孔の楽器もさらっていた。その当時は自分はジャン=ピエール・カニヤックに習っていて、彼は3つ孔を使う主義だったからだ。「だって古楽界ではみんなが(このタイプを)使っているから」というのがその理由だった。このシステムを習って彼と一緒にロ短調ミサを吹くのに確か3週間くらいしかかからなかっただろう。その後は3つ孔は全く使っていない。
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コメント
初めまして。
福岡で最近コルネットを始めた北川と申します。
当サイトでも紹介されている桑原さんに少しづつ教えていただいています。コルネットについて大変良く書かれているサイトがあるので、見てみると良いと教わり拝見させていただきました。
大変参考になりありがとうございました。
私は中学時代、金管を吹いた経験があったので(主としてユーフォ)少しは音が出るのですが、なかなか思うように音程がとれません。
センター吹きは音程をコントロールしやすいのですが音色がクリアーでなく、横にずらすと音色はクリアーになるのですが音程がとりにくくなるという事で試行錯誤しています。
また、これからも当サイトを参考にさせていただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
投稿: 北川 次郎 | 2008/11/04 22:45