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2009/01/22

もはや違う国なんですね

学校の社会の授業では永らく「日本は資源のない国だから原材料を外国から輸入して、加工し、製品を作って(付加価値をつけて)外国に輸出して生きていかざるをえないのです」と教わったはずだ。貿易立国って、これ昭和の教育なのかなあ。

12月の貿易収支の統計が発表になった。なんと3,200億円の赤字(季節調整前)なんだそうだ。赤字とは! ところがこれは何も先月だけじゃなくてこの3ヶ月連続で赤字、かつ数字がだんだん大きくなっているのである。去年まではコンスタントに毎月1兆円の黒字があったのに、なんたる様変わり!

トヨタの急速な業績悪化が象徴しているように、これは米国への自動車や機械の輸出不振がその主因である。米国ばかりでなくアジア、EUへの輸出も激減している。片方で景気減速で輸入も低迷しているし、原油価格が下がったことによる恩恵もあるのだが、輸出の急ブレーキがそれを大幅に上回ったということだ。だから背に腹は代えられず派遣社員も契約解除せざるを得なかったのだろう。

これは経済のマクロ的にみると、もしこの赤字が長期化した場合、どこかから借金してこなければならなくなるということを意味する。というのも日本国の財政はご承知の通り大幅な赤字なので、それをやりくりするのに今までは民間の稼ぎや貯蓄があったから国内でまかなえた(どころか海外へ投資できた・・それが実を結んだかどうかはともかく)のに、だんだん国内の資金では足りなくなる可能性があるからだ。ちょうど黄金の60年代に貿易黒字を誇っていた米国が今や双子の赤字を抱えているのと同じ道筋ともいえる。

米国にはオイルマネーや中国、日本からの投資があったから(これぞドル本位制の強み!)なんとかなってきたんだけど、貿易収支が赤字ならば円も強くなりっこないし、金利水準も低い低成長の日本にどこの誰が投資をするのだろうか?

すんません、固い話で。
いや、赤字への落ち込み方がすごかったんでびっくりしましたという話。

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