仲間はずれ
昨年訪れた縁からか、福岡古楽音楽祭の今年のパンフレットが郵送されて来た。
第11回目の今年は9月20日から4日間、「管楽器の祭典」というテーマで開催される。
初めて行った昨年のイベントのときにも強く印象づけられたんだけど、音楽監督が世界的トラベルソ吹きの有田正弘さんという関係か、あるいは事務局が前田さん(同じくトラベルソ吹きの前田りり子さんのご実家)だからなのか、他の古楽関係の催し物に比べるとこの福岡の古楽音楽祭はトラベルソやリコーダーなどの木管楽器が充実している。それはコンサートだけではなく、マスタークラスやあるいはアマチュアによるフリーコンサート、楽器展示などさまざまな面で顕著だった。ほう、九州はとりわけフルート人口が多いんだなと。
で、昨年の記念すべき10周年のバッハ特集から、今年は作曲家や地域という切り口ではなく、楽器にスポットをあて、「管楽器」の特集ということらしい。
ゲストもオーボエのドンブレヒトやリコーダーのハウヴェ、セバスティアン・マルクなどに加え国内で活躍する名だたる木管の古楽奏者たちが名を連ねている。オーボエバンドなど聴くにも楽しそうだ。
いや、ちょっと待って。「管楽器の祭典」だよね。金管楽器の扱いは?
と見ると、どうやら金管はスルーらしい。音楽監督の有田さんの口上によると、
「管楽器といえばホルンやトランペットといった金管楽器も加えたいところですが、ブラスバンドが盛んな我が国でも、金管の古楽器は残念ながら、まだ層の厚みに欠けるジャンルです。」
というわけで、層が薄い→参加者が少ない→興行的にムリ。という判断なんだろう。理解できないではないけど、残念だ。
せめて特集に入れるのは叶わないにしろ、昨年同じく思ったのは、せっかくクイケンのアンサンブルにマドゥーフとか来博している機会に、マスタークラスを組むとかできなかったのかなということ。そうやって層を広げることに意を用いてくれると良かったんだけど。
コンサートでの司会の朝岡聡さんの言を待つまでもなく、ブランデンブルク全曲や管弦楽組曲全曲での演奏であれだけホルンやトランペットが注目を浴びていたんだから、愛好家を増やすにはいいチャンスだったんじゃないかと思う。
とりあえずタイトルは「管楽器」→「木管楽器」に変えた方がいいんじゃないかと思料。
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