鈴木秀美 ドボルザークを振る
オーケストラ・ニッポニカの第15回演奏会を聴いてきた(8/9 第一生命ホール)
前プロのハイドンのシンフォニー14番はなぜこの曲だったんだろう?
今回の指揮者の鈴木秀美氏がプログラムに寄稿している文章にもその謎解きはない。ハイドンの中期(40番台とか)でも良かったのではないかと思うのだが。
でも、とにかく初期のハイドンで幕開けをした今日のコンサートは一言で表現すれば非常に愉悦感に満ちたものだった。いろんな表情があってーーすなわち音楽があると同意義なのだがーーとても楽しめた。
マエストロは指揮のスペシャリストではないので技術的にみれば足りないところもあるのかもしれないが、それを補って余りある表現したいもの、という何かが演奏者と共有されていて(きっとリハの賜物なのだろう)聴いていて気持ちがいい。
それは後半のドボルザークの8番でも同じで、氏の得意分野を若干(時代的に)超えるところなんじゃないかという事前の危惧は全くの杞憂だった。
2楽章の立ち上がりなど、はっと息を飲むような美しさ。3楽章の出だしも始めからそこに芳醇なボヘミアの香りが立ちのぼる。なるほど秀美さんはロマンチックな人だったんですね。
アンコール(中プロのハイドン104番ロンドンの2楽章)も途中で語りを入れるなど粋な計らい。
オーケストラは普段とは違う演奏曲目と客演の指揮者によく食いついていて充実した演奏会で楽しかった。
演奏者が楽しんでなきゃ聴衆は楽しめませんから。
たまには褒めモード
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