PJBEレジェンズ
フィリップ・ジョーンズ没後10年ということでフィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブルのアルバムが「PJBEレジェンズ」と銘打って10枚まとめてCD化された。今まで出ていたCDはいずれも編集されたものだったからレコードと同じタイトル、同じプログラムで再発売されるのは(収録時間がCDにしてはやけに短いってことがあるにせよ)うれしいことだ。
レコードで持っているものばかりだから不要と言えば不要で、わざわざお金を出して買うこともないかと、たまったポイントでこれらのいくつかを手に入れようとタワレコに行った。
ジャケットの絵が国内版じゃなくてイギリスArgo版のレコードのジャケ絵なのがいいね。売っている棚にこのシリーズのチラシがあった。
チラシ裏面にフィリップ・ジョーンズ略歴がある。中に、
>1986年 PJBE解散(自分のトランペットを偶然に自動車で轢いてしまい、これをきっかけに解散を決意したとか)
とあって、確か今月号のパイパーズにも同様の記事があったんだが、これは間違いだね。
PJが自分の車を駐車するときに誤って楽器を轢いたのは事実だけど1978年のこと。ちょっと内部がごたごたしたオーストラリアツアーから帰ってきたばかりでアンサンブルを止めたくなったという話は本にも紹介してある。
だが、本当に引退を決意したのは1984年頃のことで、きっかけは北欧への演奏旅行中に自分のプレイが自分で満足いかなくなったからもう引き際だと判断したんだと。以下は直接伺ったこと。
「自分はアンサンブルのボスなんだから、すべてのことに対して責任がある。どこにツアーに行くのか、プログラミングをどうするか、メンバーは誰にするか、細かいことでは何を着るかから始まって譜面台の高さまで。演奏についても曲の解釈や全体のバランスに至るまで責任を負っている。自分の演奏に関しては一番後回し。というのも、自分のパートの譜面が目の前にあったら自動的に(Automaticallyと氏は明確におっしゃった)吹けるもの。自分は他のメンバーや全体のことを考えるのが役割なのに自分のことを考えなきゃいけなくなるようならボスとしてやっていくことはできない。だから自分が吹けなくなったときはグループを止める時だときっぱり判断できた」
というのが真相だし、いかにもフィリップ・ジョーンズらしい話だ。
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コメント
なるほど、そうでしたか。それはまったく肯ける話のように感じます(エラそうで申し訳ないのですが)。
くだんのチラシ(だけ)、今手元にありますが、その部分だけ何だか違和感がありました。
原文:フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブル解散(自分のトランペットを偶然に自動車で轢いてしまい、これをきっかけに解散を決意したとか)
この「とか」がそこまでの文の格調を一気に崩している気がしたのです。ペラ1枚の宣伝文に過ぎないと言ってしまえばそれまでですが。
とても気さくな一方で、自らに対してはこの上なく厳しい方だということは、ほんの僅かながらお目にかかる光栄に浴しただけの私にも、よく伝わってきました。ですから、氏がそのような経緯で解散を決意したというのはよく分かるように思います。
投稿: のぐち | 2010/03/07 14:22