不思議な縁
先日お世話になったターフェルムジーク鎌倉という団体は僕にとって実に不思議にいろいろご縁のあるところだ。
先の日記にも触れたように僕が最初にこの団体の活動に参加したのは、2003年に教会カンタータの連続演奏会を開始したときだ。きっかけは当時僕がやっていた「なかなかや」という古楽アンサンブルのガンバ奏者から紹介されたのだった。いわく「鎌倉に吉田さんというおじさんがいて、以前にマタイ受難曲の演奏会でお手伝いしたんだけど、今度教会カンタータやるからって、ぜひラッパはなかなかやの中村さんにお願いしたいっていうんだけど、どう?」
その頃、僕はむしろコルネットの修行に専念していたんだけれど、バロックトランペットも面白いかな、と思い始めた頃だった。前から持っていたエッガーの3つ孔に加えてキーヴィも入手して4つ孔の楽器に切り替えようとしていた頃でもあった。
「うん、いいよ。ただバロックトランペットだよ。それでいいのなら」
連続演奏会の初回の曲は75番と76番という意欲的なプログラム。76番にはガンバソロも入るので誘ってくれたなかなかやのガンバ弾きも一緒だった。最初の練習に行ってみたら、なんとオーボエは元僕のいた新響でかって永らくトップを吹いていたIさん。団長の吉田さんとは立教オケからの縁とか。加えてファゴットにも知った顔があった。僕が大学1、2年の時に在籍していたワグネルオケの同級のN君。 それ以外のメンバーは初対面だったんだけれど、なにしろ、今一緒にアンサンブルを組んでいるガンバ嬢(古楽つながり)と、ついこないだまでいて縁を断った社会人オケつながりのI氏と、それからはるか昔のもう忘却の彼方の学生オケつながりのN君と、僕にとってはそれぞれ違う世界の人たちと一緒に音を出していること自体がなんだか奇跡のような、いや自分が今何時代に存在しているのか、一瞬分からなくなってしまうような不思議な感覚だったのを覚えている。
ガンバ嬢が参加したのは初回のみだったけれど、その後も僕はラッパの出番がある時は参加させてもらった。ーー途中自分の都合でしばらくお休みをいただいてたことはあったがーー ラッパも1本だけじゃない時は大体3本、多いと4本だったので、そういうときは今バロックトランペットつながりの友人達に協力を得てこなしている。
前回の演奏会のリハーサルに行った時のこと。練習場にこの団体の人ではないけれど見知った顔があった。社会人オケで一緒かつ大学の後輩(在籍年次は重なってないけど)のチェロのO君。しかもソプラノソロのFさんと親しげに話をしている。どうしてここに?と訊くと、今度この団体に入ろうか検討中とのこと。そういえば彼は湘南出身だったよね。ピアノ弾きでもある彼の奥さんの関係で、とある合唱団つながりでFさんとも親しい付き合いなんだそうだ。
なんだかこの団体に関してはさらに複雑に絡み合った感じもする。
馬齢を重ねながらも、一つのこと(音楽)を広く(あちこちで)やってるとこういう巡り会いの機会が増えて来るってことだね、きっと。
さっき、ある小説読み終えたばかりなので、なんだかその文体が移ってしまったみたいだ。
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コメント
はじめまして。コメントでなくてすみません。タール、Trpで辿り着きました。最近TVでロッキーのテーマが出てきたのでタールで聴き直しました。フランチェスキーニもついでに聴いて、インマー、パーキンスと比べるとタールは鋭く、猛獣の唸り声(近所の不機嫌な犬でも可)のような心理的?な何かしら凄さを強く感じます。どんな楽器を使用しているか分かりませんが、、、穴あり、とか穴なしの楽器の違いなんでしょうか?録音も少し古めなので、そんな違いもあるのかな?トレッリ全集でもタールの音は最も好みです。最近のナチュラルTrpは大人しい感じで物足りないです、、、。
投稿: ガラリオ | 2010/05/02 12:13