山に登る(その6)
頂上にいたのは約1時間で、6時には下山開始。下りはひたすら下りだ。
須走というのは砂走りが元々の語源なのだろうか、7合目辺りからは延々と砂地を下って行く。一緒に降り始めたK君とAさんはそれこそ駆けるように降りて行ってあっという間に姿が見えなくなった。スキーの要領で若干斜めになりながらストックを上手く使って降りるといいようだ。またその方が一歩一歩踏みしめて降りるよりひざに負担がかからないような気がする。着地に失敗して足首をねんざしないように注意をしつつ慎重に走ってみた。とは言いつつ1回しりもちをついてしまったことをここに告白しておこう。
下りはあっという間で2時間もしないうちに砂払五合目まで降りてしまった。このころには完全に膝がわらってしまっている。残りの須走口五合目までは素敵な樹林なのだが、足が痛くて歩を進めるのが辛い。そうした中うぐいすなど鳥の鳴き声が気持ちを和ませる。
8時半に五合目登山口に無事帰還。結局、所要時間10時間で富士山を上り下りしたことになる。自分でもにわかには信じがたいが事実だ。心配していた高山病や眠気も全く問題なかった。加えて天気の良かったこと。実は下りの7合目くらいからガスが出てきて、僕が麓まで降りて来る頃には山はもうすっかり雲に包まれていた。上の方は雨だったんじゃないだろうか。タイミング的にも天候が味方してくれたようだ。
五合目の売店でソフトクリームを買い、会社への土産物などを調達する。同じパーティの仲間たちも順次降りてきてさっそくビールなぞを飲んでくつろいでいる。聞いた話によると数人は具合が悪くなって山頂まで登れなかったらしい。僕が初体験ながら何のトラブルもなく頂上まで行って帰ってこられたのは大成功と言えるだろう。
数名バスの時刻に間に合わなかったが予告通り定時に出発ということで、行きよりは若干少ない人数を乗せてバスは一路東京へ。当然のことながら車中では爆睡。六本木の出発地点に戻ってきたのは予定通り12時半で、これをもって今回のツアーは無事終了した。
実際にかかった時間をまとめておこう。また登る時の参考になるかもしれない。
19:00 都内集合。バス出発
21:25 五合目近くのコンビニに立寄り
22:00 須走口新五合目着 標高1970m
22:10 記念写真撮影後、登山開始 2000m
23:25 新六合目 2400m(75分)
0:05 本六合目 2700m(40分)
1:05 七合目 2930m(60分)
2:00 本七合目 3200m(55分)
2:45 八合目 3350m(45分)
3:20 本八合目 3400m(35分)
3:50 八合五勺 3450m(30分)
4:10 九合目 3570m(20分)
4:33 日の出
5:00 須走口頂上 3710m(50分)登り所要時間6時間50分
6:00 下山開始
7:05 下山道七合目 2890m(65分)
7:40 砂払五合目 2230m(35分)
8:30 須走口新五合目着(50分)下り所要時間2時間30分
10:00 バス出発
12:30 東京着
いやあ、充実した体験だった。こういうきっかけでもなければ富士山には登ることなかったと思うので、声を掛けてくれた人たちにはつくづく感謝である。都合がつけばまた来年も行きたいと思う。
(山に登る 完)
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