廉価盤
今の安売りCDは廉価盤とは言わないのだろうか。
タワレコでガーディナーのバッハ集を買う。マタイ、ヨハネ、ロ短調ミサ、クリスマスオラトリオ、マニフィカトに加えてカンタータが40曲弱まとめて入っている22枚組。お値段はなんと8000円なにがしか。一枚あたり400円もしない。
こないだのクライバーのもそうだけど、やたら旧録のセット化、安売りが目立つ。オイゲン・ヨッフムのブルックナー全集が3000円台とか。
かってレコードの時代、廉価盤は定価の2300円に対して1800円とか1500円で「おっ、安いな」って感じだったのに、今はなんか桁が違う安さだ。
安いことは消費者の立場からすると悪いことではないが、CD産業の目からみればなんだか自殺行為のような気がするんだけど、どうなんだろう。特にクラシックだと安くしたから沢山売れるってものでもないだろうし。適正利潤を乗せた価格設定にしないとどんなに売っても経営は成り立たないんじゃないの。現にHMVの渋谷とか銀座店のようにショップは減る一方だし(そういえばかっては有楽町にもHMVはあったのだった)。旧譜がこんなに安いと新譜の値段設定が適正なのかどうかも(この数年ほとんど変化してないにもかかわらず)わからなくなってしまう。
でももう流れは逆行しないんだろうね。ものは違うけど、牛丼の値段も(インフレでもこなければ)上がることはないんだろうし。
お得感があったというよりも、CDのありがたみの薄さを実感したというか、なんかデフレ経済の閉塞感を感じさせられた買い物だった。
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