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2011/02/12

BCJの演奏会で発見したこと

カンタータ145番。トランペットは3曲目のアリア(D管)と5曲目のコラール(C管)に出番がある。5曲目はC管とは言ってもソプラノパートのダブりなので明らかにスライドトランペットを念頭に置いて作曲したものだ。シャープは2つだし、中音域だし、で自然倍音にない音のオンパレード。
ちなみにこのコラール、数えてみたら18小節39個の音のうち、C管の自然倍音で出せる音はたったの8つ、D管だと14個、実に半分にも満たない。

これを先日のBCJの演奏会でマドゥーフさんはナチュラルのD管で吹ききっていた。いや、ナチュラルで半音階が吹ける人だからこそできる技なんだけど、普通はどう考えても無理。聴衆の中でそのすごさに気づいた人は少なかっただろう、あまりに自然にラッパの音が溶け込んでいたから。

で、発見したことというのは、この曲の時だけJFMはずっと左手をマウスピースのところに充てていたんですね。僕が推察するに、身体のレゾナンスだけで音程を作るにはある程度マウスピースと唇の間に程よい距離があったほうが良かったからではないかと。つまりいつもの片手奏法だとアンブシュアが楽器寄りになってしまう(楽器の調性に支配されやすい)ので自然倍音以外の音が作りにくいからなのではないかと思ったわけだ。

もう帰国してしまったので正解を直接聞くチャンスはないけど、今度機会があったら(そして僕が覚えていたら)聞いててみよう。

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