モーリス・アンドレ
偉大なトランペット奏者が亡くなった。
現代のトランペット吹きで彼の影響を受けなかった人は一人としていないのではなかろうか。
僕も中学生の時にその名前を知り、高校の時はバッハの管弦楽組曲第2番(フルートのパートをピッコロトランペットで吹いたもの)のレコードを聴いて驚愕し、自分もこういう風に吹きたいと精進した憧れの奏者だ。
直接お話をする機会はついぞなかったけれど、生の演奏は1度だけ、75年くらいに東京文化会館大ホールで聴くことができた。レコードと違わぬ輝かしい音色と完璧なコントロール。アンコールで演奏されたジェルベーズの舞曲の伸びやかな高音は5階の天井桟敷にいた僕の席まで豊かに鳴り響いた。
バロックの名曲を次々にピッコロトランペット用にアレンジしてレパートリーを開拓し、しかも卓越した技術で完璧に演奏し、トランペットを独奏楽器として世に認知させたパイオニア。残された多くの録音がその偉大な功績をいつまでも後世に伝えて行くことだろう。
冥福を祈ります。
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