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2012年7月

2012/07/22

It's a tiny SONY

なんか最近はいろんなことがつながっているような気がする。

まるきりプライベートなことだが、7月から人事異動で(部署は変わらないものの)責任が多少軽くなった。で、毎朝早く出る必要もないかな、というので出勤時間を今までより40分ほど遅くすることにした。
今までは8時の出勤時刻に間に合わせるため、朝のジム通いも慌ただしくてランニングマシンで走るのも20分くらいがやっとだったのだけれど、これで前からやりたかった皇居ランができることとなった。

というわけで7月からは朝出勤前に皇居を一周してからシャワーを浴びて会社へ、というパターンで生活している。平日毎朝6キロ走れば月に120キロは走破できそうだ。

会社での自分の後継者は社内異動で移ってきた人なのだが、その彼は年に数回フルマラソン出場しているランナーだということが判明。朝の皇居ランの話をしたら「それでは僕の使ってないナイキのチップあげますよ」ということでiPodアプリのナイキ+で使うセンサーチップをいただくこととなった。そんなこんなでシューズも買い替え、暑いながらも毎朝のランニングが一層楽しくなっている今日この頃。

ところが、iPod nanoで使用するイヤフォン、この選定にはなかなか試行錯誤した。自分としてはカナル型のイヤフォンが好きなのだが、ジョギングしながらだと機種が限定される。
電気屋さんで最初に選んだのはオーディオテクニカのCP500i 。カナル式ではない。手元で音量調節もできるしいいかと思ったのだが、走りながらだとどうしても動いて耳から離れてしまうし、そもそも中低音域が聴こえなくてシャカシャカしている感じがいやだ。

というわけでCP500iは諦め、次に買ったのがSONYのXBA-S65。これはカナル式だし防水だし、走ってみても軽くてずれない。とりあえずしばらくこれに決定!


Xbas65


考えてみるとソニー製品を購入するってずいぶん久しぶりだ。それこそ昔はオーディオだったらなにはともあれソニーだったのに。最近増えるのはアップルとボーズの製品ばかり。ソニーがone of 家電メーカーに成り下がってしまい、テレビ事業等で何千億という赤字を出して株価も数十年来の安値に低迷しているのも当然の帰結かもしれない、と思ったことだった。

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2012/07/15

才能とパトロン

アリーナつづきで恐縮だが、彼女の愛用している楽器は1738年のグァルネリ。Georg von Opelが貸与しているそうだ。クルマのオペルだよね。そういえばジャクリーヌ・デュプレが弾いていたストラディバリウス(今はヨーヨーマが使っている)も後援者からの借り物だった。希有な才能をもった名手が銘器を弾く。演奏家にとっても楽器にとっても一番幸せなパターンだよね。後援するパトロンにとっても楽器の所有権は持ちながらそれを活かしてもらえる、しかも奏者が有名になればなるほど自分の名前も広がる、というのは悪くない取引だと思う。

パトロンはことに芸術のような経済的に引き合わない分野では欠かせない存在だ。どこかの市長にはぜんぜん分かってもらえない話だろうとは思うが。

というわけで誰か奇特な人が僕にオリジナルのハースとか貸与してくれないかしらん。

(注)ハース:18世紀ドイツ、ニュルンベルクの有名なナチュラルトランペットメーカー

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2012/07/14

アリーナ・イブラギモヴァ(その2)

前日のベートーヴェンが気に入ったので今度はラヴェルを手に入れてきた。

Ibragimova_ravel

ルクーとラヴェルのスタジオ録音。
このプログラミングについてはツェルビネッタさんのブログに昨年9月、ウィグモアホールで開かれた演奏会の感想があるので、そちらを見ていただく方が僕のつたない文章よりもいいかも。

彼女、新しい曲も古い曲もなんでも柔軟に弾きこなしているところもすごい。考えてみれば、1985年生まれで10歳のときにロシアからイギリスに引っ越してきたというから、当時は既にロンドンではあまたの古楽活動が普通に(盛んに)行われていた時期。彼女にとってはモダンの奏法もピリオド奏法もどちらも曲に応じて自然に弾き分けて当たり前っていうことなのかも知れない。そこらへんクレーメルとか前の世代と大きく違うところなんだろう。

動画を見ていたらロイヤルカレッジのときの友人と組んだキアロスクーロ・カルテットのモーツァルトではクラシカルボウを使っているようだし、AAMを率いた演奏ではビーバーやヴィヴァルディ等をバロックボウを自在に扱って弾きこなしている。そんなに驚くほうがむしろおかしいのか。

そうそう、このCDではピアノのセドリックの良さも耳を惹き付けた。息が合ったアンサンブルって聴いていて気持ちいいけど、この人のピアノはそれに加えて音がすごくきれい。


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2012/07/13

アリーナ・イブラギモヴァ

ベートーヴェンのヴァイオリンとピアノのためのソナタ。

ミドリ・ザイラー(Vn)とインマゼール(pf)のCDが店頭に並んでいたので試聴してみたら1曲目の春のヴァイオリンの音の伸びやかさが気に入って購入。なんとなく比較してみたい気持ちになってついでにアリーナ・イブラギモヴァ(Vn)とセドリック・ティベルギアン(p)のCDも同時に手に入れてきた。

ミドリ・ザイラーのバロックヴァイオリンはやっぱりガット弦特有の音の出だしのひっかかる感じがたまらない(特に低音域で)。それでいて高音域も伸びやかな音。音色ということで言えばピアノフォルテの典雅な感じもいいよね。

なんて思いながら次のCDを聴いてぶったまげた。イブラギモヴァの演奏はこれはロンドン、ウィグモアホールでのライブ録音。収録は一日だけのようだから編集なしってことだよね。それにしてはこの完成度の高さ。重音とか完璧だしテクニックもすごい。だけどそれをこれ見よがしに聴かせるというのではなくて音楽に合わせて激しくもやさしくもなる自在さ。モダンピアノの音もきれいだし、デュオの息もぴったりと合っていてライブならではの緊張感や熱気が伝わってくる。この演奏会に居合わせた人は幸せだったろうなあ。うーん、やられた。

というわけでCD聴いたあともYouTubeとかで彼女の映像を探したりしてすっかりファンになってしまいましたとさ。

Ibragimova


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2012/07/12

誇らしい気持ち

タワレコで買った新譜。

TROMBONE GRANDE
Music for bass sackbut around 1600
ACCENT ACC 24263

Trombone_grande

演奏はバス・サックバット奏者のWim Becu 率いる Oltremontano というコルネット、サックバットのアンサンブル。
コルネットはDoron David Sherwin とAdrien Mabire の二人なのだが、ブックレットを見るとドロン・シャーウィンの使用楽器にこう記載してある。

cornetto in G by Takahiro Kuwahara, Fukuoka 1999

桑原さんは僕らのコルネット仲間。彼の作った楽器を使っている友人も多い。なんか、人ごとじゃなくてうれしいなあ、こういうふうに名前が載っていると。
本人(桑原氏)に連絡したところ、12年前にブルース・ディッキーに送った2本の466の楽器のうちの一つだってことらしい。

それにしてもシャーウィンはやっぱりシャーウィンのアーティキュレーションだなあ、どの楽器を使っても一発でわかる。

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2012/07/10

演奏会のお知らせ(7/14)

次の出番が今度の週末に迫ってきました。

ターフェルムジーク鎌倉 アンコール演奏会

日時:2012年7月14日(土)午後7時開演
場所:逗子文化センターなぎさホール
曲目:F.J. ハイドン チェロ協奏曲
   J.S. バッハ カンタータ第211番(コーヒーカンタータ)
   J.S. バッハ カンタータ第147番 
   J.S. バッハ タンタータ第174番よりシンフォニア ほか
演奏:ターフェルムジーク鎌倉
独奏:山本徹(Cello)
独唱:藤崎美苗(Sop)高橋ちはる(Alt)石川洋人(Ten)大川五郎(Bass)
指揮:大竹尚之

10年間、20回に亘ってバッハの教会カンタータの連続演奏会を開いてきた吉田さん率いるターフェルムジーク鎌倉がお送りするアンコール演奏会のその1です。その2は11/24にロ短調ミサ曲で締めくくる予定。いよいよこのシリーズもゴールが近づいてきました。

トランペットは名曲147番で出番です。今回はエッガーのバロックトランペット(4つ孔)で演奏する予定です。有名なコラールも同じ楽器を使います。それからハイドンのチェロコンチェルトと174番のシンフォニアではホルンも活躍しますが、これもナチュラルホルンで演奏される予定。

大好きな147番、いい音楽ができるよう気を引き締めてがんばります。
場所は都心から少し離れてはいますが、お近くの方はぜひお越し下さい。

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2012/07/09

翻訳について思うこと

最初にこの文章を読んで欲しい。

==引用=====================
 古来の教会音楽を踏まえたミサ・テキストへの曲づけは、バッハにとって、カンタータの作曲とは根本的に異なる何かを意味した。なぜなら、カンタータにおいてはつねに、新しい詩文が作曲の対象となったからである。眼前に置かれたテキストに音楽をつける最初の人がバッハであることも多ければ、唯一の人がバッハ、ということも珍しくなかった。その種の、いわば処女を拓くような作曲は、何世紀にもわたって途切れない歴史をもつミサ曲の分野では、とうてい不可能であった。バッハは、多声のミサ曲、その音楽史上のあまたの実例に若い頃から親しんでいたため、伝統から自由になることはできなかった。バッハは逆に、伝統を極める道を選ぶ。彼の声楽曲の中で、様式の種類や形式、作曲技巧が、過去から同時代にわたってこれほどの広がりを示している作品は、<ロ短調ミサ曲>をおいて他にない。バッハが既存の範例(自作から取られたものも含む)と取り組み、それをさらに発展させたことにより、<ロ短調ミサ曲>には最初から、唯一無二の作品となるべき見通しが与えられていた。
=クリストフ・ヴォルフ「バッハ ロ短調ミサ曲」より=

これをすらすらと読んで一回で何を論じているか理解する人がどれくらいいるのだろうか?先の日記の文章と比べて欲しい。もちろん片や気の凝らないエッセイ、こちらは学術研究の文章という元々の目的の違いはある。それにしても、分かりづらい。読み手の前に「どうだ、理解できるものならしてみろ」みたいに立ちはだかっているように見える。自分にはこれは如何にも悪文ではないかと思えるのだが、いかがか。

訳者は名は秘すがバッハ研究を専門とする音楽学の学者だ。原文はドイツ語、原作者の文章に余分な解説をつけず正確に逐次訳するとこうなるのだろう。ただ、原語にアクセスできない日本の読者のために本を紹介する際に、文章の正確さと分かり易さとどちらを優先すべきかと比較したら僕は後者じゃないかと思うのだけれど。

思うにこれは翻訳者の職業の性格によるのかもしれない。小川さんは演奏家だから人前で説得力のある演奏をするのが仕事。翻訳も無意識のうちにその延長線上でなされたのではなかろうか。それは顧客に対するサービス精神と言い換えられるかもしれない。それと、彼女は音楽家だからこそ文章のリズムとか美しさとかに敏感だからなのだろう。いや、きっとそうに違いないと僕は確信してしまった。それに比べて音楽学者は、という好例みたいに思える。研究者向けの書籍ならそれでもいいんだろうけどね。

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2012/07/08

「静けさの中から」

OUT OF SILENCE - A Pianist's Yearbook
「静けさの中から」ーピアニストの四季

スーザン・トムズ著 小川典子訳(春秋社)

仕事帰りに立ち寄ったメトロ構内の本屋でなにげなく手に取った本にちょっと心惹かれた。普段だったらピアニストのエッセイ本はわざわざ購入しない。それは例の距離感に依るものだと思う。例えば茂木さんとか岩城さんの本とかと違って、なんか共感するところが少ないんじゃないかと危惧して手に取ることもしない。いわば食わず嫌いなんだと思う。

ところがこの本はちょっと違った。というのは翻訳に「小川典子」という著名なピアニストの名前があったからだ。イギリス在住で国際的に活躍するピアニスト(BISからCDも多数出ている)の小川さんが、わざわざその忙しい演奏活動の間に翻訳してまで読んでもらいたいと思ったのには訳があるんじゃないかと感じられたのだ。

そしてその期待は予想以上に報われることとなった。

著者のスーザン・トムズはソロピアニストとして、またフロレスタン・トリオのメンバーとして世界の舞台で活躍する人。文筆活動も盛んに行っていてこの本は3冊目の著書ということらしい。プロの音楽家が日頃考えていること、音楽のこと、演奏会、レコーディング、その他もろもろの話題が軽妙かつ的確な文体で綴られている。それらはもともとは彼女のブログにアップされた記事のようだ。ブログはこちら

本の副題にある通り、四季折々、1月から12月までの章に分かれて全部で120近くのエッセイが収められている。ピアニストじゃなくてもどれも興味深い内容だ。ちょっと愉快なエピソードからプロとしての深刻な悩みの吐露まで、途中から気に入ったものに印をつけていたら20以上にもなった。その中の一つ、短いのを選んで引用・紹介してみよう。

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「細かいのはどちら?」

 声楽家として生計を立てることの難しさに疲れ果て、学校へ通いなおし、銀行員になった友人がいる。彼は新しい就職先の銀行に出勤したとき、同僚からこんな質問をされたそうだ。「大変だろうねえ。ヘンな気持ちがするんじゃない?好きなように自由でいられる職業から、こんなに精密な作業が必要な仕事に就くっていうのは」。この素晴らしい友人、元・声楽家は小気味良く答えた。この、まことにすばらしい返答を聞いてほしい。「いやいや、それはむしろ逆だねぇ。音楽は、銀行に勤めることよりも、ずーっと細かくて精密や作業だよ」。
 一瞬のうちに立場を逆転させてしまったこの答えに、心から拍手を送りたい。これが、まったく自然に口から出たというのだから、最高だ。
 「だって、本当じゃないか」。話を聞いて笑いの止まらない私に、彼は真顔で言った。「銀行での僕は、数字を追ってばかりいるわけじゃない。もちろん、ぜったいに間違いが許されない場面は時々あるよ。でも音楽の場合は、常に、ずっと、絶対に、間違いが許されないじゃないか」。  

(引用注:24ページから25ページまで。最後の「常に、ずっと、絶対に」のところには強調の点が振ってある)
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中身が面白いこともさることながら、ここでは翻訳が卓越していることも強調しておきたい。読者が理解しやすく、かつこなれた日本語にするために言葉を継ぎ足したり、省略したり、という細かくて丁寧な作業が行われたであろうことは疑いの余地がない。これは、きっと同業の小川さんでなければできない仕事だったんじゃないかと思う。
そもそも本のタイトル、Yearbook を「四季」と訳しているところからしてセンスの良さが伺えるというものだ。「年鑑」とか訳されちゃうと目もあてられないからね。
いやあ、お勧めの本です。

翻訳については他にも思うところあるので、それはまた次の日記で。

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2012/07/05

距離感

距離感というか、親近感というか、要はどっちを身近に思うかという問題についてつらつら考えてみた。

僕のように中高はブラスバンド、大学からオーケストラという音楽生活を送ってきた身からすると、同じクラシックの演奏家ならやはり管楽器や打楽器の人が一番身近だ。その次に弦楽器奏者(それだって異人種に思えたが)で、その次あたりに指揮者が来る(単なる感覚だけど)。

ピアノやオルガンなどの鍵盤楽器奏者はオケ生活だと普段一緒に活動するという機会が少なかったし順番としてはそのあとくらいかな。それで最後にうたの人たち。声楽と一緒に音楽をやるとしたら第九とか復活とか大掛かりなコンサートだけだったし、とりわけソリストの人たちは遠い遠い存在だった。第九なんか最後の最後にちょっとだけ歌ってそれでいて主役然として花束かっさらっていく特殊な仕事人みたいに思えたもんだった。

こういうある意味ゆがんだ感覚が多少なりとも是正されたのは、バロック音楽とかアンサンブルを主体に活動するようになってからだと思う。弦も鍵盤もみんな仲間だし、うたとも一体となってアンサンブルするっていうのが楽しめるようになってきた。

そもそもバロック時代の教則本はいづれも皆揃って「器楽は声楽を模範とすべし」と書いてあって、オケしかやってないときは考えもしなかったその教えに当初は目がうろこ状態というありさまだったのだ。(だって第九のソリストのようにラッパを吹くなんて考えられないしね、今考えれば止むない気がしないでもない)

だから何なんだ、というのはこの続きに書くことにします。

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2012/07/01

Trumpets and other High Brass

本の紹介です。

Klaustrumpetbookcover

TRUMPETS AND OTHER HIGH BRASS
A History Inspired by the Joe R. and Joella F. Utley Collection

Volume 1: Instruments of the Single Harmonic Series

Author: Sabine Katharina Klaus
Publisher: National Music Museum, University of South Dakota
ISBN: 978-0-9848269-0-2

目次
Chapter 1: Found in Nature - Horns and Trumpets Made of Organic Materials
Chapter 2: Prehistoric, Ancient, and Ethnic Trumpets and Signal Horns of Metal
Chapter 3: Early Traced of the European Trumpet
Chapter 4: Establishing the Standatds in Trumpet Design in the 17C
Chapter 5: Heyday of the Natural Trumpet in 17C and 18C
Chapter 6: New Designs in the Nuremberg Trumpet Makers Workshops in the 17C and 18C
Chapter 7: The English Counterpart
Chapter 8: Activities in other Parts of Europe
Chapter 9: Bugles, Hunting and Post Horns, Fanfare and Signal Trumpets
Chapter 10: Early Trumpet Mutes
Chapter 11: A Brief Mention of Timpani
Chapter 12: The Revival of the Baroque Trumpet

全部で333ページ、とにかく写真が豊富で文章を読まなくても見るだけで楽しめます。
それにしても上質の紙を使っているから重いこと重いこと、カッソーネの本と双璧の重々しさです。
著者のクラウスさんは現在は南ダコタ大学のNMMの教授ですが、チュービンゲン大学に学びニュルンベルグの博物館、バーゼルの楽器博物館、NYのメトロポリタン博物館などでの勤務を経てきていますのでニュルンベルグではラケ氏と一緒に仕事をしてたということですね。

南ダコタ大学の博物館はホームページでも見られる通り、オリジナルの楽器を含め膨大な量の楽器を所蔵していますが、本のサブタイトルにもある通り、トランペット関連のこれらの楽器はもともとJoe Roy Utley (1935-2001)氏と奥さんのJoella さんの私的コレクションだったものを二人が1999年に博物館に寄贈したものだそうです。二人は長く医薬品関係の仕事に携わっていたビジネスマン(かつ夫はトランぺッター)でこれだけのものを一代で集めるというのはすごいことですが、真の意味でのコレクターだったということでしょうか。

それはともかくとして、今回の本はこのコレクションを元にしてまとめられた研究で、この第1巻に続いて以下の4つが出版される予定だそうです。

Volume 2: Ways to Expand the Harmonic Series
Volume 3: Valves Evolve
Volume 4: Heyday of the Cornet
Volume 5: The Modern Trumpet

スライドトランペットやキイトランペット、木製のコルネットなどは第2巻で取り扱われるようです。

それから、今回の第1巻にはうれしいことにDVDが付属していて、このコレクションの楽器を使った実演を観ることもできます。演奏はバロックトランペットショップのBarry Baugess氏、Crispian Steele-Perkins氏、その他の方々です。一つ一つの演奏は短いもののなかなか興味深いです。

博物館にメールで本の注文を出してから一週間で届きました。早い!
ただ、そんなに早く着くとは思ってなかったし、UPSが到着したとき、いかにもピザの宅配みたいな箱に入っていたので、ピザのデリバリーかと思ってしまいました。

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