2012年8月
2012/08/31
2012/08/17
CDボックス買い
最近、セットもののCDを衝動買いしてしまう。セットものというのはいわゆるボックスに数枚から10数枚入っていくら、という廉価盤だ。なにしろ安いんだな、これが。
ブリリアントを別にすると目立つのはEMIのアーティスト別のもの。好きなテンシュテットとかバルビローリとかつい中身も確認せずに買ってしまう。それに加えて最近はドイツ・グラモフォンも始めたみたいで。クライバーのグラモフォンものは大分前に手に入れたけれど、こないだは17枚組のドビュッシーエディションをつい。
で、今日はアバドのヴェルディオペラ14枚組というのを買ってしまった。
「アイーダ」「仮面舞踏会」「ドン・カルロ」「ファルスタッフ」「マクベス」「シモン・ボッカネグラ」以上の6曲入って8千円なにがし。驚異的な値段だよね、これ。
社会人になって間もなくの頃、それまでほとんどオーケストラ曲と室内楽、ブラスアンサンブルしか聴いてなかったのを、これはいかんと思いオペラのレコードを少しずつ買い集めたことがあった。知識はないので当時のレコード芸術の奨めるままに欠かせぬ名曲と思われたものから順に。クライバーの「椿姫」「こうもり」「魔弾の射手」「パルジファル」、カラヤンの「アイーダ」「バラの騎士」、スウィトナーの「魔笛」、バーンスタインの「フィデリオ」、アバドの「セヴィリアの理髪師」「カルメン」、ショルティの「ローエングリーン」「タンホイザー」などなど。こうやって並べてみると懐かしいなあ。
サラリーマンで収入があるとは言え、オペラの全曲はそれなりの値段がした(3枚組6,900円とか)のでおいそれとは買えない。ひと月かふた月に一つという感じでちょっとずつ増えていく感じで、レコード屋から買って帰る時も充足感が大きかった。また、だからこそ丁寧に対訳を見ながら丹念に聴いたものだった。
今回入手したアバドのヴェルディはちょうどその頃新譜で出ていたもので、しかも評判は良かった(あくまでもレコ芸基準だが)。なので欲しくても順番待ちになっていたものばかり。当時を思い起こせばちょっとありえない価格設定ではある。小遣い感覚で簡単に買える財力がついたのと裏腹にありがたみも中くらいという感じか。
せっかくだから昔の気分に戻って丁寧に聴くことにしよう。
2012/08/05
マラソンで興奮したこと
ロンドンオリンピックのマラソンコース、バッキンガムの方はともかくとして、シティの中をうねうねと走るのは自分的には非常に面白かった。 こんなコースあり?
セントポールから、かってのノムラハウス(旧ポストオフィス)の先まで行ったかと思うと後戻りしてCheapsideへ。すごい懐かしい。よく通ったレコード屋さんがここにあった(でマンロウのレコードとか取りこぼししたPJBEのレコードとかを調達したのだった)し、職場仲間と行ったパブの一つもこの通りの角にあった。
コースはそれから左に曲がり、ギルドホールの方へ。おいおい、それじゃ僕らのいたオフィスの方に行くじゃん!たぶんこの道が今回のコースで一番道幅が狭かったところだろう。それでなんとBasinghall Streetへ抜ける(僕らのオフィスはその通りの突き当たりにあった。残念ながらコースではなかったけどね)。僕が毎朝朝食用のサンドイッチを買った店のあたりで右折して、やはりみんなで良く通ったパブを通り過ぎて、バンク駅へ。うーむ、なかなか興奮するコースだわい。
なんでわざわざこんなルートにしたかなあ。シティを通過するならギルドホールへ寄って市長へ挨拶するのが礼儀というものだろう、ってこと?
テレビを観ながら一人で盛り上がってしまった。
ガーディナーとフィリップ・ジョーンズ
手持ちのモンテヴェルディのヴェスプロのCDの中にジョン・エリオット・ガーディナー指揮の初期の頃のものがある(DECCA 414 572-2)。合唱とオケは手兵のモンテヴェルディコアとオーケストラ(コンマスはケネス・シリトという人、知らないなあ)。それにフィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブル(PJBE)とデヴィッド・マンロウ・リコーダーアンサンブルが賛助で加わっている。
録音は1974年1月。この時期はまだモダンに限りなく近いスタイル。今久しぶりに聴いてみると古楽黎明期の時代を感じさせる演奏だ、が、これはこれでありかなと思ってしまう。
1974年ということはガーディナーもマンロウもまだ30代前半(とはいえマンロウはこの2年後にはもう亡くなっているのだが)、意欲的な活動を始めたばかりの頃ということだね。
で、以下はフィリップ・ジョーンズから直接聞いた話。
このヴェスプロの録音のあとに、ガーディナーから「今度は古楽器でやってみないか」と誘われたそうだ。PJBEの中にはマイケル・レアードやロジャー・ブレンナーのようにロンドン古楽アンサンブルでマンロウと一緒に古楽器をやってたメンバーもいたからガーディナーの提案は極めて当然の成行きだったように思える。
が、ジョーンズ氏は「それはたいそう面白い試みだが、今から古楽器にチャレンジするには自分はもう年を取りすぎている。残念ながらお断りする」と返答したそうだ。時にジョーンズ氏は46歳。それが年を取りすぎているかどうかは別にして、プロとして自分になにができてなにができないかの見極めがはっきりついていたということだね。
一方、話は伝聞になるが、ある古楽器奏者がモーリス・アンドレに「ナチュラルトランペットで演奏するのはいかがですか」ときいたときのこと。アンドレ氏は古楽器には全く興味がないとのことだったらしい。あれだけバロックの曲を発掘しレパートリーに持っていたのに、それはソロ活動で自分のヴィルティオージティを示すためだけだったということだろうか。ちょっと残念な話ではある。

