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2013年2月

2013/02/28

CDその101 H.I.F. Biber, Carl H. Biber / Sonatas for Trumpets

87a  87b

カテゴリ: Austro-Bohemian Music

タイトル: H.I.F. Biber,  Carl H. Biber / Sonatas for Trumpets, String and BC

演奏団体: Ensemble Pian & Forte

Trumpet: Gabriele Cassone (F. Somaini 1992)

      Luca Primo Marzana (F. Somaini 1992)

      Mauro Bernasconi (F. Somaini 1994)

      Jonathan Pia ( F. Somaini 1995)

      Luciano Maroncini (F. Somaini 1995)

      Alessio Molinaro (F. Somaini 1995)

収録曲目: Sonata for clarino, 4 trumpets (Carl Heinrich von Biber)

      Sonata IV a5 (Heinrich Ignaz Franz von Biber)

      Sonata Paschalis for 4 trumpets (C.H. Biber)

      Sonata a clarino solo (C.H. Biber)

      Sonata a clarino solo (C.H. Biber)

      Sonata a clarino solo (C.H. Biber)

      Sonata VII a5 (H.I.F. Biber)

      Sonata for 4 trumpets (C.H. Biber)

録音年月: 1998.11

レーベル: Dymnamic  CDS 234 

コメント: こちらはビーバーのソナタに加えてC.H.Biberの非常に珍しいトランペットの曲を集めたもの。カッソーネの演奏はH.I.F.ビーバーのソナタ4番で顕著だがラッパの音および曲想が明るくてちょっとボヘミアらしくない感じ。息子のカール・ハインリッヒ・ビーバーの方は生まれも育ちもザルツブルグということも影響しているのか、ボヘミア風味が薄れてロココ様式の技巧的で高音も多用した難曲。こういう曲を吹きこなせる奏者は多くはないと思うがカッソーネの演奏は見事だ(ちょっと最高音域のところは力ずくって感じがなきにしもあらずだが)。当時のザルツブルグのトランぺッターたちはどんな感じで吹いていたんだろうか。

お奨め度: 

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2013/02/27

CDその100 Die Birckholtz-Trompete von 1650

14a  14b

カテゴリ: OmnibusTrumpet Ensemble

タイトル: Die Birckholtz-Trompete von 1650

演奏団体: Jean-François Madeuf & Ensemble

Trumpet: Jean-François Madeuf

      Christoph Draeger

      Hartmut Grün

      Michael Münkwitz

      Christina Hess

      Michael Hüttler

共 演 : Philip Tarr (Timp), Marc Meisel (Organ)

Instruments:Michael Münkwitz

収録曲目: Signale, Intrada Toccada (Magnus Thomsen)

      Pommerische Sonate, Rotta, Intrada (Magnus Thomsen)

      Corrant de Battaglia (Daniel Speer)

      Zween Aufzug (Daniel Speer)

      Aweichörige Sonata für 12 Trompeten (Johann Arnold)

      Sonata Nr.75, Nr.69, Nr.70 (Johann Pezel)

      Sonata a5 (Vincenzo Albrici)

      Aria “Auf! Stimmet die Saiten” (Dietrich Buxtehude)

      Sonata a5 Battalia (Paul Hainlein)

録音年月: 2008. 7  Belitz

レーベル: RaumKlang 2009-06667 

コメント: CDレビューも100回目ということでとっておきのCDを紹介したい。僕の師匠の演奏ということもあるけれど、これは自分にとっても思い入れ深いアルバムだ。

北ドイツの町ロストックから車で20分ほどの距離にある鄙びた村ベリッツ(Belitz)の教会で数年前にオリジナルのナチュラルトランペットが見つかった。制作者はWolf Birckholtz でニュルンベルグのマイスターだった人物、制作年は1650年とある。ロストックに住むナチュラルトランペットメーカーのミュンクヴィッツさんはさっそくこの楽器のレプリカを6本作成し、その楽器を使用してその教会でマドゥフさんのアンサンブルが収録したのがこのCDというわけだ。

僕が2007年の夏にロストックのミュンクヴィッツさんの工房を訪れたときがちょうどその楽器が発見された直後で、その教会でマドゥフさんやインマーさんたちによるコンサート(まだその時はレプリカは制作途上だった)を聴いたのが思い出深い。

CDでは16世紀末のフィールドトランペットのシグナルに始まりシュペールやペーツェルなど17世紀ドイツの室内楽曲を聴くことができる。現代人の耳には自然倍音の音律がちょっと聴きづらいところもあるかもしれないが、孔なしの完全ナチュラルによる演奏は気品があって一級品である。

お奨め度: 特選盤

おまけの写真

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(左から)

・教会の壁にこういうふうに無造作に吊るしてある状態で発見されたらしい(左はミュンクヴィッツ氏、右はマドゥフ氏)

・僕の楽器を使ってオルガン伴奏で演奏するマドゥフ氏

・コンサート前のリハーサルにて(右端のインマー氏の身長の高さが際立つこと!)

いずれも2007年6月ベリッツにて

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2013/02/26

CDその99 Biber / Sonatae tam aris, quam aulis servientes (Williams)

89a  89b

カテゴリ: Austro-Bohemian Music

タイトル: Biber / Sonatae Tam Aris Quam Aulis Servientes

演奏団体: Combattimento Consort Amsterdam

Trumpet: Susan Williams

      Frank Anepool  

収録曲目: Sonata No.1 in C

      Sonata No.4 in C

      Sonata No.7 in C

      Sonata No.10 in G minor

      Sonata No.12 in C 

録音年月: 1999. 7

レーベル: Challenge Classic CC72129 

コメント: ビーバーなどのボヘミアの作曲家による音楽を特長づけるものはその陰影の深さなんじゃないかと思う。室内楽ではそれが楽器編成にも端的に現れていて、例えばこの4番のソナタなどはソロのトランペットと通奏低音の他にはヴァイオリンが1にヴィオラが2、というふうに中音域を充実させて彫りの深い音楽になるように配してある。これがアルプスを南に下ったイタリアあたりだと、コレッリやスカルラッティのソナタのように弦はヴァイオリン2本のみ、などとなっていて音が明るいことこの上ない。おそらくそれぞれの地の気候が音楽に与える影響が大きいということだろう。

さて、このオランダの団体はそういう光と影の部分を上手く表現しながら魅力的な演奏を展開している。スーザン・ウィリアムズのトランペットも多彩なニュアンスを使い分けて雄弁な語り口の演奏となっている。2ndはあまり見かけない名前の人だけどウィリアムズと遜色なくてとても上手だ。

お奨め度: 特選盤

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2013/02/25

CDその98 Biber / Sonatae tam aris, quam aulis servientes (Bennett)

86a  86b

カテゴリ: Austro-Bohemian Music

タイトル: Biber / Sonatae Tam Aris Quam Aulis Servientes

演奏団体: Purcell Quartet

Trumpet: Mark Benett (Matthew Parker 1995)

      Michael Laird (Stephen Keavy 1984) 

収録曲目: Sonata No.1 in C

      Sonata No.4 in C

      Sonata No.7 in C

      Sonata No.10 in G minor

      Sonata No.12 in C 

録音年月: 1995. 5

レーベル: Chandos  CHAN 0591 

コメント: イギリスを代表してマーク・ベネットとマイケル・レアードの演奏。ソロの4番と10番はベネットが担当している。この演奏は音色がとてもいいしテクニックも素晴らしい。ただ端正に吹いているところが何回も聴くうちに物足りなくなってしまう原因だろうか。

お奨め度: 推薦盤


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2013/02/24

CDその98 Biber / Sonatae tam aris, quam aulis servientes (Immer)

90a  90b

カテゴリ: Austro-Bohemian Music

タイトル: Biber・Schmelzer / Sonatas

演奏団体: Freiburger Barockorchester Consort

Trumpet: Friedemann Immer (Rainer Egger 1987)

      François Petit-Laurent (Rainer Egger 1985)

収録曲目: Sonata Nr.1 (H.I.F. Biber)

      Sonata Nr.4 (H.I.F. Biber)

      Sonata Nr.7 (H.I.F. Biber)

      Sonata Nr.10 (H.I.F. Biber) 

      Sonata Nr.12 (H.I.F. Biber)

録音年月: 1994.11 & 1995.5

レーベル: Deutsche Harmonia Mundi  88697 93705 2 

コメント: Sonatae tam aris quam aulis servientes からラッパを含む5曲がすべて収録されている。曲についてはこちらを参照のこと。

テレマンのターフェルムジークと同じく、この曲集も曲がいいのか良い演奏者が競って録音するからなのか、甲乙付け難い名盤が揃っている。ドイツ代表はこちら、インマー氏とフライブルグバロックオケのもの。

演奏は陰影の付け方など上手だけれどやや乱暴な感がなくもない。

お奨め度: 

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2013/02/23

CDその97 Biber / Sonatae tam aris, quam aulis servientes (Perkins)

85a  85b

カテゴリ: Austro-Bohemian Music

タイトル: Biber / Sonatae Tam Aris, Quam Aulis Servientes

演奏団体: Roy Goodman / The Parley of Instruments

Trumpet: Crispian Steele-Perkins

      Stephen Keavy

収録曲目: Sonata No.1 in C

      Sonata No.4 in C (CSP)

      Sonata No.7 in C

      Sonata No.10 in G minor (CSP)

      Sonata No.12 in C

録音年月: 1983. 5

レーベル: Hyperion  CDH55041

コメント: 曲について:Sonatae Tam Aris, Quam Aulis Servientes とはラテン語で「祭壇または宮廷用のソナタ集」という意味らしい。つまり教会でミサなどの合間に器楽演奏として挟んでもいいし宮廷の食卓の音楽として使っても良いという汎用性のあるソナタということであろう。1676年に出版されたこの曲集は12のソナタと巻末に12のトランペットのためのデュエット曲を含んでいる。12のソナタのうち、このCDにあるように5曲(4番と10番がラッパ1本、1番と7番と12番はラッパ2本)がトランペットを含むものであり残りは弦楽合奏となっている。1,4,7と跳ばすあたり、さてはビーバーは麻雀の心得があったのかどうかは定かではない(笑)。

冗談はさておき、これはトランペットの特性を良く活かしたソナタ集で、とりわけ10番はC管の第7倍音のシのフラットの音を使ってG minor というトランペットにあっては珍しい短調の曲に仕上げているところなど非常に巧みだ。この技法はこの曲集のデュエットの中にも取り入れられていて、最後の11曲目と12曲目は同じくト短調で書かれている。ボヘミア特有のちょっと物悲しいメランコリーな感じが他にない魅力的な曲集である。

演奏について:パーキンスのソロがたどたどしくて残念。ソロの曲はキーヴィが担当した方が結果良かったんじゃなかろうか。好みの問題だから単にいちリスナーに過ぎない僕がとやかく言うことではないのだけれどね。

お奨め度: 


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2013/02/22

CDその96 Biber / Missa Christi resurgentis (Manze)

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カテゴリ: Austro-Bohemian Music

タイトル: Biber / Missa Christi resurgentis

演奏団体: Andrew Manze / The English Concert 

Trumpet: Mark Bennett (Matthew Parker 1996)

      Michael Harrison (Matthew Parker 2003)

共 演 : Jeremy West, Fiona Russell (cornetto)

収録曲目: Fanfare No.4 a due (H.I.F. Biber)

      Missa Christi resurgentis (H.I.F. Biber)

      Sonata a6 (H.I.F. Biber)

      Sonata XII (Johann Heinrich Schmelzer)

      Fanfare No.1 a due (H.I.F. Biber)

録音年月: 2004. 9  Temple Church, London

レーベル: harmonia mundi usa HMG 507397

 

コメント: 録音のおかげか、華やかで綺麗な音世界が広がっている。こういうのを聴くと気持ちが良く幸せな気分になる。所詮自分も単にスカッとしたカッコいいラッパの音が好きなだけなんだなあと思ってしまった。

お奨め度: 推薦盤


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2013/02/21

CDその95 Biber / Litaniae Sancto Josepho (Junghänel)

82a   82b

カテゴリ: Austro-Bohemian Music

タイトル: H.I.F. Biber / Litaniae Sancto Josepho

演奏団体: Konrad Junghänel / Cantus Cölln

Trumpet: Andreas Lackner

      Herbert Walser

      Robert Farley

      Patrick Hendrichs

      Martin Rabl

      Martin Patscheider

      Christian Gruber

      Klaus Netzer

共 演 : Concerto Palatino 

収録曲目: Litaniae de Sancto Josepho (H.I.F.Biber)

      Sonata Sancti Polycarpi (H.I.F.Biber)

      Missa In labore requies (Georg Muffat)

      Sonata Sancti Placidi (Antonio Bertali)

録音年月: 1998. 5 

レーベル: Harmonia Mundi  901667 

コメント: 94年録音のMissa Allelujaとほぼ同メンバーによる演奏。こちらの方は最初のリタニエからして音域が高いからなのか録音のせいなのかが分からないけれど、トランペットがやや立ち過ぎていて全体としてのしっくり感がいまひとつだった。

続くビーバーの聖ポリカルピのソナタには通低にギターが入っていてアレンジがカッコいい。ティンパニの強弱も効果的。聖堂の響きも活かしたいい演奏だと思う。

ムファットもザルツブルグ大聖堂のオルガニストで、ビーバーの先輩格にあたる作曲家だ。だが、金管部隊は曲のクライマックスで賑やかしに入るという作風で、楽器の使用法ではビーバーには敵わないようだ。しかもこれもコルネットにはめちゃめちゃ高い音域を要求している。コルネット大活躍。ザルツブルグでは後のミヒャエル・ハイドンなどもそうだけれど、伝統的に金管楽器のハイノートが好まれていたみたいだね。奏者の立場からすると演奏効果という面でいかがなものかと思うんだけど。

お奨め度: 推薦盤


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2013/02/20

CDその94 Biber / Missa Alleluja (Junghänel)

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カテゴリ: Austro-Bohemian Music

タイトル: Biber / Missa Alleluja

      ~Multichoral Sacred Works for Salzburg Cathedral and the Vienna Court Chapel~

演奏団体: Konrad Junghänel / Gradus ad Parnassum

Trumpet: Andreas Lackner

      Herbert Walser

      Martin Rabl

      Nick Martin

      Hermann Pallhuber

      Klaus Netzer

共 演 : Concerto Palatino

 

収録曲目: Sonata per Chiesa et Camera (Johann H. Schmelzer)

      Missa Alleluja a36 (H.I.F. Biber)

      Sonata XII (Johann H Schmelzer)

      Magnificat from Vesperae sollennes (Johann H. Schmelzer)

レーベル: Deutsche Harmonia Mundi  05472 77856 2 

録音年月: 1994. 5

コメント: ビーバーやシュメルツァーなどのボヘミアものはインスブルック在のラックナー氏のお家芸で、他の奏者の追随を許さないところがあると僕は勝手に思っている。その模範的な演奏はこのCDでも聴くことができる。

あとトランペットの話ではないが、36声のミサでのコルネッティーノは音域がホントに高くて大変そう。ただそこはそれ、コンチェルトパラティーノが担当しているので見事な演奏に仕上がっている。曲としても53声のザルツブルグミサよりカッコいいように思う。

同様にシュメルツァーのソナタ12番もこの曲のベスト演奏だね。おすすめのCDです。

お奨め度: 特選盤

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2013/02/19

CDその93 Biber / Requiem, Battalia, Sonatas (Harnoncourt)

83a  83b

カテゴリ: Austro-Bohemian Music

タイトル: Biber / Requiem, Battalia, Sonatas, Sacred choral works

演奏団体: Nikolaus Harnoncourt / Concentus Musicus Wien

Trumpet: unknown 

収録曲目: Sonata St. Polycarpi a9 (H.I.F. Biber)

      Sonata prima a8, 2 clarini, 6 violae (H.I.F. Biber)

      Sonata a7, 6 tromba, tramburin (H.I.F. Biber)

      Sonata seconda a8, 2 clarini, 6 violae (H.I.F. Biber)

録音年月: 1968

レーベル: Teldec 8573-87793-2 

 

コメント: ピリオド楽器の先駆的な68年の演奏だと今聴くにはちょっと辛すぎる。大編成のトランペットコアーはそんなに頑張らなくてもいいだけど。それでも2本のトランペットのソナタはかなり健闘している。もっと響きのあるところで収録してくれればラッパ吹きにはありがたいところなんだけどね。CDタイトルのレクイエムはこじんまりとした F minor の方なのでトランペットは入っていない。

お奨め度:


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2013/02/18

CDその92 Biber / Requiem, Vesperae (Koopman)

81a  81b

カテゴリ: Austro-Bohemian Music

タイトル: Biber / Requiem a15,  Vesperae a 32

演奏団体: Ton Koopman / The Amsterdam Baroque Orchestra & Choir

Trumpet: Stephen Keavy

      Jonathan Impett

      James Ghigi

      Robert Vanryne

共 演 : Doron Sherwin, Bruce Dickey (cornetto) 

収録曲目: Requiem a 15 in A (H.I.F. Biber)

      Vesperae a 32 (H.I.F. Biber)

録音年月: 1992. 9

レーベル: Erato 4509-91725-2 

コメント: スコアを見ながら曲を聴いてみると、ビーバーの作風が器楽曲だろうが宗教曲だろうが全く同じことに改めて気づかされる。そして声も弦楽器もトランペットもトロンボーンも全く同じフレーズ、歌い方を要求されているのだなということも。同じザルツブルグの作曲家でありながらモーツァルトは器楽の使い方が完全に違う。ま、モツレクのヴァイオリンパートをナチュラルトランペットで吹けと言われても所詮できない相談なのだが。

レクイエムではトランペット2本、ヴェスペレでは4本の編成となっている。しかもレクイエムはin Aというラッパにとっては珍しい調性。ただここではコアトーン(a=466)を採用しているのでモダンのin Bと同じというからくりだ。キーヴィとインペットのデュエットはきっちり手堅く演奏していて全体の先導役や締めくくり役を充分に果たしている。

お奨め度: 


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2013/02/17

CDその91 Biber / Missa Salisburgensis (Balestracci)

79a  79b

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カテゴリ: Austro-Bohemian Music

タイトル: H.I.F. Biber / Missa Salisburgensis

演奏団体: Sergio Balestracci / La Stagione Armonica,  TIBICINES

Trumpet: Jean-François Madeuf (Reiner Egger 2003)

      Igino Conforzi (Reiner Egger 2003)

      Gilles Rapin (Reiner Egger 2002)

      Graham Nicholson (Graham Nicholson 2003)

      Andrea Inghisciano (Graham Nicholson 2003)

      Pier Gabriele Callegari (Robert Barclay 1999)

      Joel Lahens (Reiner Egger 2002)

      Richard Casan (Reiner Egger 2002)

      Tranquillo Forza (Tranquillo Forza 1997)

      Massimiliano Costanzi (Robert Barclay 1998)

共 演 : William Dongois, Marie Garnier-Marzullo (cornetto) 

収録曲目: Missa Salisburgensis (H.I.F. Biber)

     Plaudite Tympana (H.I.F.Biber)

録音年月: 2003.12 Trento

レーベル: New Classical Adventure  60192 

コメント: 最近のインターネットの情報はすごいよね。このミサ曲のスコアもネットで探せば居ながらにして見ることができる。春の祭典もびっくりの53段スコア。尤も当時はスコアを残す風習はなかったからビーバーがこのようなスコアを書いたかどうかは疑問だが。

ともあれ、この編成割りを見るとトランペットの楽器としての立ち位置が過渡期にあることがわかる。つまり、おそらく礼拝堂の祭壇を挟んで中央周辺に位置したであろうコアの1(声楽ソリスト)、2(弦楽器)、3(木管楽器)、4(コルネットとサックバット)などから離れたところにラッパ隊(4本のトロンバとティンパニの組み合わせ)を2組配置してあって、ラッパ隊がまだ野外で使われる粗野な楽器なのだというその出自を色濃く残しているのである。しかしコア3の木管楽器に混じって2本のクラリーノが加えられているのは、徐々に繊細な音楽を演奏できるような奏者も現れ純音楽にもトランペットが登用され始めた証左として考えていいのではないだろうか。

さて、演奏については、先のコープマン盤のラッパがアングロサクソン組だとしたらこちらのパレストラッチ盤はラテン組。4つ孔バロック対完全ナチュラルの対比とも言える。このCDに関してはJMPさんのブログに臨場感あふれるユニークなレビューがあるのでそちらを紹介しておこう。

お奨め度: 推薦盤

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2013/02/16

CDその90 Biber / Missa Salisburgensis (Koopman)

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カテゴリ: Austro-Bohemian Music

タイトル: H.I.F. Biber / Missa Salisburgensis


演奏団体: Ton Koopman / The Amsterdam Baroque Orchestra and Choir


Trumpet: Stephen Keavy

      David Hendry

      Jonathan Impett

      Robert Vanryne

      Markus Würsch

      Giles Liddiard

      Mark Bennet

      Michael Harrison

      William O’Sullivan

      Simon Gabriel

共 演 : Marie Garnier=Marzullo, Jeremy West (cornetto)


収録曲目: Missa Salisburgensis a 53 (H.I.F. Biber)

      Sonata a 7  (H.I.F. Biber)

      Sonata Sancti Polycarpi a 9 (H.I.F. Biber)


録音年月: 1998.5  Salzburg

レーベル: Erato 3984-25506-2 

コメント: ボヘミアに生まれザルツブルグで活躍したハインリッヒ・イグナツ・フランツ・フォン・ビーバー(ホントに長い名前だ)が1682年に作曲したザルツブルグのミサとトランペットアンサンブル曲2曲を収めたCD。このミサ曲、なんと声楽と器楽を合わせて53部ものパートに分かれているという盛大なもの。トランペットだけで10本、コルネット2本、トロンボーン4本という豪華さは栄華を極めたハプスブルグ朝ならではのものだ。ザルツブルグ大聖堂の構造に合わせていくつものボックス席や左右四方に8つの楽隊が配置され、聴衆はその中で立体的な音の洪水に包まれるような音響効果が得られるようになっている。

このCDはトン・コープマン指揮のアムステルダム・バロックオーケストラが1998年にザルツブルグ音楽祭に参加した時に、まさにそのザルツブルグ大聖堂で収録した貴重な演奏だ。残響たっぷりに大聖堂に響き渡る音楽の一大ページェントに当時の人はこの世のものではない恍惚感を得たのではなかろうか。

お奨め度: 

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2013/02/13

CDその89 Venice by Night

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カテゴリ: Italian Music

タイトル: Venice by Night

演奏団体: La Serenissima

Trumpet: Simon Munday (Matthew Parker 2001)

共 演 : Mhairi Lawson (Soprano)

収録曲目: Sinfonia to La vendetta d’amore (Carlo Francesco Pollarolo)

      Sinfonia to Il nome glorioso in terra (Tomaso Albinoni)

      Sinfonia in D (Giovanni Porta)

      Aria from Motezuma RV723 (Antonio Vivaldi)

録音年月: 2012. 2

レーベル: Avie Records AV2257

 

コメント: 18世紀ヴェニスにゆかりの作曲家の作品を集めたもの。構成が洒落ていて旅行者がヴェニスで過ごす音楽の数日という設定になっている。まずはゴンドラで到着、プライベートのコンサートのあとはゴンドラに揺られながらセレナータの夕べ、オペラハウスでアリアを楽しむといった塩梅。選曲も珍しく、初めて聞く作曲者の名前が並んでいるしこれが初レコーディングの曲も数曲ある。こういった知らない曲たちに出会えるのはうれしいことだ。トランペットの入った曲はいかにもイタリアらしい明るい曲調のものばかりで、難易度は高くないが弦楽器の伴奏を背景に華やかにソロをとるといった感じ。中ではやはり最後に置かれたソプラノとの共演のヴィヴァルディのアリアが面白く聴けた。演奏団体のセレニッシマは当初ヴィヴァルディの作品を演奏するために設立されたイギリスの団体で、トランペットのサイモン・ムンディはRCMでマーク・ベネットに学んだ後モダン、バロックを問わずフリーランスで活動しているとのこと。曲調に合った流暢なプレイがあざやかだ。

お奨め度: 


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2013/02/07

CDその88 The Art of the Baroque Trumpet vol. 5

31a  31b

カテゴリ: Italian Music

タイトル: The Art of the Baroque Trumpet  vol. 5

      An Italian Concert

演奏団体: Gabriel Bania / Wasa Baroque Ensemble 

Trumpet: Niklas Eklund

      Jeffrey Segal

共 演 : Maria Keohane (Soprano)

収録曲目: Concerto in C for two trumpets (Antonio Vivaldi)

      “Combatta un gentil cor” (Antonio Vivaldi)

      Sonata in D (Arcangelo Corelli)

      “Trombe d’Ausonia” from La Flora (Marc’Antonio Ziani)

      Concerto in D (Giuseppe Torelli)

      “Vien con nuova orribil guerra” (Tomaso Albinoni)

      Sonata in D (Giuseppe Torelli)

      “Alla tromba della Fama” (Baldassare Galuppi)

      Sinfornia avanti il Barcheggio (Alessandro Stradella)

      “Agitata da due venti” from Griselda (Antonio Vivaldi)

      Sonata in D (Petronio Franceschini)

録音年月: 1998. 7  Sweden 

レーベル: Naxos 8.555099 

コメント: サブタイトルにもある通りイタリア音楽を集めたもの。有名なヴィヴァルディの2本のトランペットのための協奏曲に始まり、第3集と同じくソプラノとの共演の曲も数曲含まれていてバラエティに富んだプログラムとなっている。エクルンドと一緒にヴィヴァルディのコンチェルトを吹いているジェフリー・シーガルのトランペットも見事な腕前だ。

ともあれこのナクソスのバロックトランペットの芸術全5巻を揃えれば(バッハやヘンデルなどを除き)一通りのバロック時代のトランペットの名曲を一流の演奏で俯瞰することができる。バロックトランペットの演奏に携わるのであれば全部手元に置いておきたいシリーズである。

お奨め度: 推薦盤


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2013/02/06

CDその87 Graupner / "Ritratti a colori"

50a  50b

カテゴリ: German Music

タイトル: Christopher Graupner / “Ritratti a colori”

演奏団体: Antichi Strumenti 

Trumpet: Guy Ferber

収録曲目: Concerto a Clarino (Christopher Graupner)

      Concerto a2 Clarini e Timpani (Christopher Graupner) 

録音年月: 2000. 9

レーベル: Stradivarius STR 11011 

コメント: その作風から聴く限りではてっきり古典派だとばっかり思っていたグラウプナーはしっかりバロック期の作曲家だった(1683 - 1780)。コンチェルトとは言ってもトランペットの使い方は信号ラッパに毛が生えたくらいで曲がいま二つ面白くない。テレマンをちょっとでも見習ったらいいのに。ギーの腕もみせどころがなくて残念だ。

お奨め度: 


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2013/02/05

CDその86 Fasch / Concerti & Ouvertüren

68a  68b

カテゴリ: German Music

タイトル: Johann Friedrich Fasch / Concerti & Ouvertüren

演奏団体: Julia Schröder / Kammerorchester Basel

Trumpet: Giuliano Sommerhalder (Solo)

      Simon Lilly

      Franz Leuenberger

      Frans Berglund

収録曲目: Ouverture in D FWV K:D3

      Concerto in D FWV L:D1

      Concerto in D FWV L:D4a

録音年月: 2008. 4  Basel

レーベル: Deutsche Harmonia Mundi  88697446412 

コメント: ミューズの神に祝福を受けた人たちがいる。1985年生まれのこのゾンマーハルダーもそうした1人だと思う。やはりトランペット奏者だった父に手ほどきを受け(この辺りエクルンドと一緒)、若くして各地のコンクールを総なめにし、マゼールやアバド、シャイーなどの大指揮者からも一本釣りでお声がかかる。しばらくライプチヒのゲバントハウス管に在籍していたようだが、2011年にコンセルトヘボウのプリンシパルの席を射止め今はそちらで活躍しているようだ。

そうした名手にとって使用する楽器がモダンであろうがバロックトランペットであろうが大した差はないに違いない。としか思えない。コンチェルトにおける音色は輝かしく、リズム感もよく、演奏に余裕があってゆらぎや遊びもまた楽しい。うーむ、と唸らせる演奏。

ネットなどで垣間みる実態は単なるやんちゃな若者ってところがまたくやしいのである。

お奨め度: 特選盤

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2013/02/04

CDその85 Fasch / Concerti & Ouverture

43a  43b

カテゴリ: German Music

タイトル: Fasch / Concerti & Ouverture

演奏団体: Alfredo Bernardini / Zefiro 

Trumpet: Gabriele Cassone 

収録曲目: Concerto in D major (Johann Friedrich Fasch)

      Ouverture in D major (Johann Friedrich Fasch)

      Concerto in E major (Carl Friedrich Fasch)

録音年月: 2005.4  

レーベル: Deutsche Harmonia Mundi  88697367922 

 

コメント: ファッシュ親子のトランペットコンチェルトを収めたCD。ここでは息子のカール・フリードリッヒのコンチェルトが聴きもの。父はヘンデルやバッハと同世代だが、息子の時代になるともうバロックというよりは古典派の入り口、いわゆるロココと云われる様式だ。トランペットのコンチェルトの超難関曲はこの時代に集中している。このホ長調のコンチェルトも例外ではなく、出だしでいきなり中音域の16音符からハイEにジャンプして聴いている者の度肝を抜く。緩徐楽章でも容赦なくハイノートを要求される。普通吹けませんよ、こんなもの。高所でのスリルを好む人向き。

心なしかカッソーネの音がなんだかモダン楽器のように聴こえる場面がある。

お奨め度: 


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2013/02/03

CDその84 Telemann / Cantatas & Chamber Music

101a  101b

カテゴリ: German Music

タイトル: Telemann / Kantaten und Kammermusik

演奏団体: Berliner Barock-Compagney

Trumpet: Friedemann Immer (Meinl & Lauber 1976)

共 演 : Klaus Mertens (Bass)

収録曲目: Kantate “Vicoria, mein Jesus ist erstanden” TVWV1:1746

      Kantate “Göttlichs Kind, laß mit Entzücken” TVWV1:1020a

      Kantate “Es fährest Jesus auf” TVWV1:489a

      “Jauchzet dem Herren alle Welt” TVWV7:20

録音年月: 1887.11

レーベル: Capriccio  10 741

コメント: テレマンのバスソロのカンタータを集めたアルバム。冒頭のVictoriaは僕の「これしかない」の演奏会でも取り上げさせてもらった曲。作品番号1020aはクリスマス用の可愛らしい曲でオブリガートはトランペットまたはオーボエということになっている(調性はin Es)。 バスとトランペットのアリアはバッハのカンタータにたくさんあるけれどテレマンのは知られていない。音源も知る限りではこの一枚のみだ。そういうわけでこれは貴重なCDだし演奏も素晴らしい。なにしろメルテンスとインマーの組み合わせだから。

お奨め度: 


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2013/02/02

CDその83 Telemann / Musique de Table (Musica Amphion)

98a  98b

カテゴリ: German Music

タイトル: Telemann / Musique de Table

演奏団体: Musica Amphion

Trumpet: William Wroth

収録曲目: Tafelmusik Part II Overture in D (G.P. Telemann)

      Tafelmusik Part II Conclusion in D (G.P. Telemann)

録音年月: 2003

レーベル: Brilliant  92177 

コメント: ターフェルムジークを聴こうかなと思った時に手に取るのがこのCD。自分がコンサートで取り上げた時にも一番参考にさせてもらった。演奏が良いうえにブリリアントの廉価盤というのがさらにうれしいところだ。トランペットは明るい音色で他の楽器とのバランスも非常に良い。テンポもこの曲の愉悦感を味わうのに最適なあたりに設定されている。やや気になるのはオーボエのキイアクションの音がカシャカシャいって耳障りな点かな。臨場感があるという言い方もできるかもしれないが。ともあれ、音楽作り、アンサンブル、奏者の技量、加えてコストパフォーマンスなど総合点で一番お奨めのCDだ。

お奨め度: 特選盤

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2013/02/01

CDその82 Telemann / Musique de Table (The King's Consort)

95a   95b

カテゴリ: German Music

タイトル: Telemann / Musique de Table

演奏団体: Robert King / The King’s Consort

Trumpet: Crispian Steele-Perkins (Crispian Steele-Perkins 1979)

収録曲目: Suite in D major (Georg Philipp Telemann)

録音年月: 1987. 9

レーベル: Hyperion  CDA 66278 

コメント: これはゲーベル/MAKの演奏と対照的で全般的にぬるめの演奏。例えば序曲ではフランス風序曲のゆっくりな部分でアウフタクトの入りを待ちすぎるせいなのか、そこで都度都度音楽が止まってしまう。また2番目のエアはvivaceというには遅すぎるテンポで、もうちょっと躍動感が欲しいんだけどなどと思ってしまう。パーキンスのトランペットは16分音符の処理がかっちりしすぎてそれが他の演奏と比べるとなんかダサい印象を与えてしまっている。またピッチが微妙に高いのかオーボエと溶けず、他の楽器の音との融合というのも感じられなかった。

お奨め度: 


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