CDその205 J.S. Bach / Cantata “Herz und Mund und Tat und Leben” BWV 147
カテゴリ: J. S. Bach
タイトル: Johann Sebastian Bach / Cantata “Herz und Mund und Tat und Leben” BWV 147
曲について:バッハのカンタータ第147番「心と口と行いと命もて」は聖母マリアの訪問の祝日の曲。その6曲目と終曲に置かれている「主よ人の望みの喜びよ」の旋律があまりにも有名で、おそらくバッハのカンタータの中では一番知られている曲だろう。作曲年代は早く、ワイマール時代の1716年だが、初演は1723年7月2日にライプチヒで。その後も多数回再演されている。
トランペットの出番は4曲あり、1曲目の合唱曲、6曲目のコラール、9曲目のバスのアリアと10曲目のコラール(ソプラノパートのコラパルテ)となっている。2曲のコラールは歌詞は異なるが器楽の譜面は同一なので実質には3曲ということになる。1曲目は4分の6拍子という珍しい設定で、出だしからトランペットが先導する形で起用されている。16分音符の連続する音形がかっこいいし吹いていても気持ちがいい。自分としてはこのメリスマをどのように歌うかという点と、3小節目終わりなどに出てくる長めのタイの音符をいかに歌い上げるかなど(他にもいろいろあるが)を聴き所のポイントとしている。またコラールについては自然倍音以外の音がたくさん出てくることからスライドトランペットを念頭においた作曲なのではないかと思われる。孔なしのナチュラルで吹くには困難な曲だ。
録音年月の古い順から聴き比べてみよう。
演奏団体: Nikolaus Harnoncourt / Concentus Musicus Wien
Trumpet: Friedemann Immer ( Meinl & Lauber )
録音年月: 1984
レーベル: Teldec WPCS-21092
カップリング: BWV140
コメント: 1曲目、ゆったりとしたテンポ。ラッパの音は少々くぐもっている。もう少しトランペットが表に出てきてもよかったのでは。コラールはバランスなどいい感じ。
お奨め度:
演奏団体: Joshua Rifkin / The Bach Ensemble
Trumpet: unknown
録音年月: 1985. 9, 1986.10
レーベル: L’Oiseau-Lyre 455 706-2
カップリング: BWV8, 51, 78, 80, 140
コメント: トランペットはおとなし目ながら丁寧に演奏されている。声楽の編成も小さいのでアンサンブル的にはこれぐらいが適切だと思う。9曲目のアリアもバランスが絶妙に良い。コラールは速いテンポでトランペットはコーラスと良く溶け合っている。
お奨め度: 推薦盤
演奏団体: Harry Christophers / The Symphony of Harmony and Invention
Trumpet: Crispian Steele-Perkins
録音年月: 1990
レーベル: Coro Cor 16039
カップリング: BWV 34, 50
コメント: うーむ、やはり音色が。なんだか伸びやかさに欠ける気がするんだよね。楽器とマウスピースに依るところが大だと思うんだけど。
お奨め度:
演奏団体: John Eliot Gardiner / The English Baroque Soloists
Trumpet: Crispian Steele-Perkins
録音年月: 1990. 3
レーベル: Archiv UCCA-3140
カップリング: BWV 140
コメント: 1曲目、合唱は速いテンポであっさりとした印象。カデンツなどあるべきところにあるトリルなどが省略されているのもちょっとどうだろうか。16分音符のメリスマがスクエアなのがあっさり感を助長しているような気も。一方、コラールはバランスや歌い回しかたなどすごく良い。
お奨め度:
演奏団体: Ton Koopman / The Amsterdam Baroque Orchestra & Choir
Trumpet: Stephen Keavy
録音年月: 1997.9 - 10
レーベル: Erato 3934-23141-2
カップリング: BWV 24, 25, 67, 95, 105, 136, 144, 148, 173, 181, 184
コメント: 冒頭16分音符がややたどたどしくなっているのが残念。そのせいでせせこましい印象を与える。コラールも控え目な演奏。
お奨め度:
演奏団体: Masaaki Suzuki / Bach Collegium Japan
Trumpet: Toshio Shimada
録音年月: 1999. 6
レーベル: BIS CD-1031
カップリング: BWV 21
コメント: 全体的に音場豊かな響きで伸びやかに演奏されているのがとても気持ち良さそう。コラールもゆっくり目のテンポで叙情的、だが一音一音が止まりがち、もう少し流れても良かったのでは。
お奨め度:
演奏団体: John Eliot Gardiner / English Baroque Soloists
Trumpet: Gabriele Cassone
録音年月: 2000.12
レーベル: SDG 162
カップリング: BWV 36, 61, 62, 70, 132
コメント: ガーディナーの新盤。リューネブルグの教会でのライブ録音。早めのテンポ設定の棒のせいかも知れないが、カッソーネの演奏はややアグレッシブ。1曲目も9曲目も伸ばしの音が後押しになっているのがちょっと力ずくの感じがする。コラールは聴こえるか聴こえないかくらいの微妙な音量。
お奨め度:
演奏団体: Ryuichi Higuchi / Bach Akademie Meiji Gakuin Tokio
Trumpet: Toshio Shimada (T. Shimada)
録音年月: 2003.10 (Live)
レーベル: Meiji Gakuin BAMG-0006
カップリング: BWV 1, 125
コメント: うーん、トランペットを云々する前に全体がとっても重たい。通奏低音のせいかしらん。ライブ録音ゆえバランスも良くないし、これは演奏会の記録っていう位置づけかな。
お奨め度:
演奏団体: Bach Concertino Osaka
Trumpet: Yoshiaki Fukuda
録音年月: 2004
レーベル: Tokyo Shoseki
カップリング: BWV 82, 125
コメント: 東京書籍から出版されている「バッハ カンタータの森を歩む」という本に付随したCD。上手いけど超モダンな演奏。
お奨め度:
演奏団体: Eric Milnes / Montréal Baroque
Trumpet: Niklas Eklund
録音年月: 2006. 6
レーベル: ATMA SACD2-2402
カップリング: BWV 1, 82
コメント: エクルンドのトランペットは相変わらず舌を巻くほど上手い。ただタイの音の伸ばし方が残念ながら自分の好みではなかった。ミルンズの棒はときどき小節の頭に大きいアクセントをおくのが特徴的でそれがちょっと不自然に思えるのだが。
お奨め度: 推薦盤
演奏団体: Thomas Gropper / Barockorchester L’arpa Festante München
Trumpet: unknown
録音年月: 2012. 3
レーベル: Oehms Classics OC-425
カップリング: BWV 12
コメント: 合唱は素人っぽいしオケももっさりしているのだがトランペットは音色、歌い方、バランスすべてにおいてすばらしい。愉悦感に溢れた演奏でおすすめ。
お奨め度: 推薦盤
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