カテゴリ: J. S. Bach
タイトル: Johann Sebastian Bach / Cantata “Jauchzet Gott in allen Landen” BWV 51
曲について:バッハのカンタータ第51番「もろびとよ歓呼して神を迎えよ」は三位一体祝日後第15日曜日用、あるいはすべての機会に演奏しても良いということになっている。初演は1730年9月17日?合唱を伴わないソプラノソロのための4曲から成る曲で、伴奏は弦楽合奏と通奏低音に加えて1曲目と4曲目のアレルヤにトランペットがオブリガードで加わる、ソプラノとトランペットのためにバッハが残してくれた遺産である。
トランペットは147番と同じくin Cで、それほど高い音が頻繁に出てくるわけではないが、1曲目は長いフレーズの中に16分音符の連続や跳躍があったりして、息継ぎの場所にも苦労するし、上手に聴かせるにはなかなかの難曲だ。終曲のアレルヤのコラールはソプラノと掛け合いながら早いパッセージの中に跳躍やハイDなどを要求されつつ、盛り上がったままあっと言う間にエンディングとなる。
名曲だけにCDは多い。録音年月の古い順から紹介しよう。
演奏団体: Gustav Leonhardt / Leonhardt-Consort
Trumpet: Don Smithers
共 演 : Marianne Kweksilber (Soprano)
録音年月: 1974. 12
レーベル: Teldec 685738119967
カップリング: BWV48, 49, 50
コメント: さすがに時代を感じさせる古色蒼然とした演奏。スミサーズのスタイルはアクセントが強く如何にもバロックトランペットの黎明期という印象。
お奨め度:
演奏団体: John Eliot Gardiner / English Baroque Soloists
Trumpet: Crispian Steele-Perkins
共 演 : Emma Kirkby (Soprano)
録音年月: 1983. 11
レーベル: Philips 464 672-2
カップリング: Magnificat BWV243
コメント: 早めのテンポで勢いのある演奏。パーキンス氏の若き頃の演奏が聴けて後年のそれと聴き比べるのも面白い。
お奨め度:
演奏団体: Joshua Rifkin / The Bach Ensemble
Trumpet: Fred Holmgren ?
共 演 : Julianne Baird (Soprano)
録音年月: 1986.10
レーベル: L’Oiseau-Lyre 455 706-2
カップリング: BWV8, 78, 80, 140, 147
コメント: 1曲目も終曲も遅めのテンポで丁寧に歌っているところが他の盤と違っていてこれはこれで説得力がある。ただしばらく聴き進むにつれて表現に起伏が少なくやや平板な印象を受けてしまった。
お奨め度:
演奏団体: Monica Huggett / Ensemble Sonnerie
Trumpet: Crispian Steele-Perkins
共 演 : Nancy Argenta (Soprano)
録音年月: 1993. 2
レーベル: Vergin 61644
カップリング: BWV82a, 199, 84, 209, 202
コメント: 3枚あるパーキンスの演奏の中では一番いい出来ではなかろうか。いわゆる油の乗っている時期?ところどころトリル(装飾音符)が欲しい場所あり。
お奨め度:
演奏団体: Reinhard Goebel / Musica Antiqua Köln
Trumpet: Hannes Kothe
Ute Hartwich
共 演 : Christine Schäfer (Soprano)
録音年月: 1999. 1
レーベル: Deutsche Grammophon 459 621-2
カップリング: BWV 202, 210
コメント: 予備知識なしにいきなり聴くと冒頭からびっくりするかもしれない。というのも本来のトランペット1本の編成ではなくもう1本トランペットが増え、かつティンパニも華々しく加わっているからである。これは1750年以降にウィルヘルム・フリーデマン・バッハがアレンジしたバージョンを使用した録音なのである。個人的にはどたばたし過ぎでちっともいいと思わない。珍しいけれどもお奨めはしがたい。
お奨め度:
演奏団体: John Eliot Gardiner / The English Baroque Soloists
Trumpet: Niklas Eklund
共 演 : Malin Hartelius (Soprano)
録音年月: 2000. 9 (Live)
レーベル: SDG 104
カップリング: BWV 138, 99, 100, 161, 27, 8, 95
コメント: ガーディナーの2000年の巡礼シリーズのライブ盤。9月のブレーメンでの収録。エクルンドはいつもながらに完璧。147番の時に気になった音の伸ばし方もここでは全く気にならなかった。メロディーラインの起伏の付け方とかが素晴らしい。
お奨め度: 特選盤
演奏団体: Ton Koopman / The Amsterdam Baroque Orchestra & Choir
Trumpet: Gabriele Cassone
共 演 : Marlis Petersen (Soprano)
録音年月: 2001. 6
レーベル: Challenge Classic CC72219
カップリング: BWV 129, 159, 174, 72, 171, 145, 188, 88, 117, 193
コメント: やや抑え気味の演奏だがメリハリははっきりしていて出るとこでは出ている。そのバランスが絶妙。音色もきれい。
お奨め度:

演奏団体: Daniel Stepner / Aston Magna
Trumpet: Joshua Cohen
共 演 : Dominique Labelle (Soprano)
録音年月: 2002. 7
レーベル: Centaur Records CRC 2690
カップリング: BWV 54, 82,199
コメント: 基本的に前のめりぎみで、ところどころテンポが不自然に揺れたりして、とにかく落ち着きのない演奏。何かのスポーツを見ているみたいな気がした。1曲目Bメロの前で急に減速するのが新鮮な驚きだったが他にない独創的なアイデアだ。
お奨め度:
演奏団体: Ensemble Seicento
Trumpet: Hannes Rux
共 演 : Doris Hagel (Soprano)
録音年月: 2002. 10
レーベル: Profil PH-04039
カップリング: BWV 29, 199
コメント: こちらはウィルヘルム・フリードマン・バッハのアレンジによるラッパ2本+ティンパニの編成。同じバージョンのゲーベルの盤より聴きやすくなっているのはティンパニの軽さのおかげか。
お奨め度:
演奏団体: Masaaki Suzuki / Bach Collegium Japan
Trumpet: Toshio Shimada
共 演 : Carolyn Sampson (Soprano)
録音年月: 2005. 9
レーベル: BIS CD-1471
カップリング: BWV 210, 1127
コメント: 1曲目、出だしから中音域がやや不明瞭だが聴き進むにつれて気にならなくなる。高音域の音色が綺麗で歌い回しも伸び伸びとしている。終曲もすっきりとした模範的な演奏。
お奨め度:
演奏団体: Bach Concertino Osaka
Trumpet: Yoshiaki Fukuda
共 演 : Naomi Sakake (Soprano)
録音年月: 2006
レーベル: Tokyo Shoseki
カップリング: BWV55, 140
コメント: 礒山雅著「バッハ カンタータの森を歩む2」に付随するCD
お奨め度:
演奏団体: Berliner Barock Compagney
Trumpet: Reinhold Friedrich
共 演 : Ruth Ziesak (Soprano)
録音年月: 2006. 2
レーベル: Phonenix Edition102
カップリング: Laudate Pueri (J.D.Zelenka) etc.
コメント: フリードリッヒは本当に上手い。しかもピリオド奏法をかなり研究している。しかしながらまだところどころにモダンの癖がーーこのモダンとピリオドの奏法の違いについてはまた稿を改めて取り上げることにしたいーー
お奨め度: 推薦盤
演奏団体: J. Reilly Lewis / Washington Bach Consort
Trumpet: Joshua Cohen
共 演 : Elizabeth Futral (Soprano)
録音年月: 2006. 3
レーベル: Lyrichord LEMS-8069
カップリング: BWV209, 210
コメント: コーエンのこちらの盤はすごくコントロールも効いていて安定した演奏で別人のように良い。前の盤がいただけなかったのは指揮者とオケのせいだったか。
お奨め度:
演奏団体: Emmanuelle Haim / Le Concert A’Astrée
Trumpet: Neil Brough
共 演 : Natalie Dessay (Soprano)
録音年月: 2008. 1
レーベル: Virgin Classics 50999 235005 2 5
カップリング: BWV 82a, 199
コメント: 1曲目、終曲ともに超快速テンポ。それでもトランペットはテクニックのある人で、全く破綻もせずケロリと吹ききっていて見事。コントロールも充分に出来ていてリップトリルとかもきれいだ。デセイの歌は癖があるから好みの分かれるところかも。なお、このCDにはレコーディングの模様を記録したDVDが付随している(ラッパの出番は少ないが)。
お奨め度: 特選盤
演奏団体: Martin Haselböck / Musica Angelica Baroque Orchestra
Trumpet: Martin Patscheider
共 演 : Dominique Labelle (Soprano)
録音年月: 2008. 2
レーベル: NCA 60199
カップリング: BWV 49, 82
コメント: 音色、テンポ感、フレージングなどとても良い。惜しむらくはいくつか音をはずしてしまっていること。でもそれは全体からみれば些細なことにすぎない。
お奨め度:
演奏団体: Christopher Monks / Armonico Consort
Trumpet: Crispian Steele-Perkins
共 演 : Elin Manahan Thomas (Soprano)
録音年月: 2011. 2
レーベル: Signum classics SIGCD289
カップリング: Su le sponde del Tebro (A. Scarlatti) etc.
コメント: パーキンス氏は1944年生まれだからこのレコーディングのときはもう66?。お元気でエネルギッシュだと感服してしまう。腕は多少落ちてしまうのもやむを得ないよねえ。同じ2011年に録画された動画もあったのでここに貼付けておくことにしよう。http://www.youtube.com/watch?v=h-tjSLQbc24
お奨め度: