「エリア」のトランペットについて
次の演奏会の出番は11/4のムシカ・ポエティカ主催のF. メンデルスゾーンのオラトリオ「エリア」。
トランペットパートは2本である。いただいた譜面を見ると下はAから上はEまでかなり頻繁に管を替える必要がある。長くなるが列挙すると、
<第1部>
始まりと序曲 in D
1. 合唱 in D
5. 合唱 in C
8. レチとデュエット in C
9. 合唱 in C
10. レチと合唱 in Es 途中から in C
11. 合唱 in B
12. レチと合唱 in D
13. レチと合唱 in D
16. レチと合唱 in E
19. レチと合唱 in C 途中から in Es
20. 合唱 in Es
<第2部>
21. アリア in E
22. 合唱 in E
26. アリア in A
30. レチ in E
34. 合唱 in E
35. レチと四重唱 in C
38. 合唱 in C
40. レチ in C
41. 合唱 in D
42. 終曲 in D
このように曲ごとに管の長さの指定があるのはナチュラルトランペットを想定しているからだと思われる。その証拠という訳ではないが、自然倍音以外の音を探してみると、13曲目と20曲目にシ(ナチュラル)の音が数回、38曲目に上のミのフラットが1回出てくるだけであり、ナチュラルで吹くには無理がほとんどない。
エリアの作曲年は1845,6年で、ちょうどバルブトランペットが普及し始めた頃に当たる。同時期の作品を見るとナチュラルで演奏可能な曲とそうでない曲が混在しているのが面白い。
例えば
ベルリオーズ「幻想交響曲」(1830)ナチュラルトランペットとコルネットの併用
シューマン 交響曲第2番(1845)ナチュラルで可能
シューマン 交響曲第3番(1850)ナチュラルでは不可
リスト レ・プレリュード(1848)ナチュラルでは不可
ビゼー 交響曲第1番(1855)ナチュラルで可能
当のメンデルスゾーンについて言うと、交響曲は1833年くらいまでに5曲をすでに作曲済みでそれらはナチュラルで演奏可能だが、1842年作の「真夏の夜の夢」だとナチュラルでは若干厳しいところあったりもする。
うーん、このあたり、もっと調べてみると面白いのかもね。
最初はこんなことについて書くつもりじゃなかったんだけど、話がそれて戻らなくなっちゃった。長くなったのでここまでにしとこう。
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