Archive in Kroměříž
今回チェコまで足を伸ばしたのはこれが目的だった。
求めるものが得られるのかどうかの公算はなかった。でも、とりあえず行ってみないとわからない、今後行けるかどうかもわからないし、ということで旅程だけは組んだのだった。
目的地はプラハから南東に240kmくらい行った先、クロムニェジーシュ、ここの宮殿に膨大な蔵書があり、特にこの地の宮廷楽長であったビーバーやヴェイヴァノフスキ(彼はトランペット奏者でもあった)の楽譜のオリジナルがあるのだ。
これが宮殿の入り口。160コロナで城館および庭園の入場券を買うと、14時から館内のエクスカーションツアーがあるというのでそれに参加した。案内の若い女性の解説は全てチェコ語。チェコ語を理解しない僕にはバインダーに挟まれた英語の解説書を貸してくれた。
狩猟部屋や応接間、ロシアのツアーとの面会所や、オーストリア帝国の憲法制定会議場など、立派な部屋が並ぶ。2階に上がると映画アマデウスで使われたホールもあった。
彼女の解説が丁寧だったこともあるが、ツアーは2時間以上かかっている。いいかげんちんぷんかんぷんなチェコ語に飽きてきたころ、最後のところにその古文書蔵書室はあった。
それまでカメラはダメということだったけれど、「ここを見るためにはるばる日本から来たんだ」と説得し無理して撮影許可を得る。
蔵書を手に取って確かめる訳にはいかなかったが、ディスプレイにいくつか譜面があった。
ヴェイヴァノフスキー(Pavel Josef Vejvanovský 1639-1693)
譜面はしかもトランペットのソナタ a4だ。
H. I. F. ビーバー(Heinrich Ignaz Franz Biber 1644-1704)
シュメルツアー(Johann Heinrich Schmelzer 1623-1680)
彼自身はこの地に来たことはないらしい。3枚目の楽譜はウィーンで出版されたもの。この曲は我々TuPcTの第2回目の演奏会のときに取り上げた。
ムファット(Georg Muffat 1653-1704)
その他にもモーツァルトやベートーヴェン、ディッタースドルフの直筆の楽譜が展示してあった。
ヴェイヴァノフスキーの楽譜はここに眠っているんだね。これが見られただけでも充分満足、ここまで来て良かったと思った瞬間。
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