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2015/06/19

ITW Report(Day 5)

楽しいワークショップもあっという間に最終日。今日は半日の予定だ。楽器本体は全員出来たので、今日はチューニング用のパーツの作成(ナチュラルトランペットはチューニング用のスライドがないので短い管を継ぎ足して音程の調整をするのだ)が残された主な作業で、あとはみんなでアンサンブルをしてお仕舞いという予定。

作業に入るまえにまた受講生の紹介をしよう。まずは一挙に地元ドイツ人たち。
・17歳と15歳の兄弟、Malte と Sven (Freiburg, Germany)

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北欧系の名前だね、と言ったら親もずっとドイツなんだと言われてしまった。一日の作業が終わったあとに僕がラッパを練習していたら、いつも興味深そうにその模様を眺めていた。人なつこくていい子たちだった。

・親子で参加していた Bodo と Gordon (Wesselstorf, Germany)

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Gordonは学校の試験直前ということでワークショップも欠席がちだったんだけれど、きちんと作り上げててびっくりだった。父が手伝ったのかも。Bodo は彫刻も見事で「すごい上手だね」と言ったら、自分はエンジニアだからこういうことには慣れているんだ、と言われた。なるほどー。ワークショップが終わって駅までBodoが車で送ってくれたんだけれど、その途中で道に迷ったのもいい思い出だ。

・もう1人、こちらも金属加工に慣れている1人、Steffen (Korswandt, Germany)

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慣れているもなにも、本業は車の修理工なんだそうで、これくらいの作業はきっと朝飯前だったに違いない。道理でみんな作るのが早かった訳だ。

・次の二人は僕と同じ金融関係。まずは金融コンサルタントをしている Karl-Heinz (Erzhausen, Germany)

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彼は異様に楽器の磨きにこだわっていて、1人つや消しで仕上げていたのが印象的だった。

・もう1人の同業者は Matthias (Frankfurt, Germany)

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パーティのときに初めて知ったんだけれど、彼はなんとブンデスバンク(ドイツ連邦銀行、日本の日銀にあたる)に勤めているそうだ。パーティではユーロの行く末とかギリシャ問題とか決済方法の変更とか、なんかラッパとは全然関係ない話ばかり3人でしていた。Matthias は立場上なのか EU の擁護者だったけれど、コンサルタントのKarl-Heinz は国民が税金をろくに納めないようなギリシャはお荷物だから早くEU脱退してくれればいいんだよ、とお上と民間で意見が分かれるところも面白かったなあ。

あとはフランス人が二人、

・Jean-Marc (Paris, France)

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彼と英語で会話すると(いやそれしか方法はないのだが)そのフランス語なまりの英語がジャン=フランソワにそっくりでびっくりする。母国語が何かによって英語のなまりは似てくるね。そういえばイタリア人のGiorgioが「きちんと僕の名前をジョルジオって発音してくれるのはTakashiだけだ」と言ってたっけ。

・もう1人のフランス人は 以前にも紹介した Guy (Bergheim, France)

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プロのトランペット吹きは彼1人。ラッパ吹きなのに(というと失礼だが)作る方も上手だし、進捗も1番2番を争うくらい早かった。なんなんだろうね、あの器用さは。

Day 3 の日記に3人紹介したから、これで僕を除く12名全員の紹介が完了。

** 作業17:チューニングビッツ **

チューニングビッツはいくつ作っても良いのだが、標準パターンでは直管を4つ、全音下げる用途のCクルークを1つ作ることになっていた。うちCクルークは360°曲げるのは大変なのであらかじめ曲げてあるものをミュンクヴィッツ氏が用意してくれていたからあとは各自仕上げをするだけで良かった。

まずは図面に当ててパイプを必要な長さにカットする。

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バーナーで熱して片側を拡げ、もう片側を絞り込む。

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先端に羽を付け、磨いたら完成

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全員の作業工程がほぼ終わったのでワークショップの締めくくりとしてアンサンブル曲を演奏して楽器を作り上げた喜びをかみしめる。

曲はセラフィノフ氏が作曲したラッパ4本編成の「ケンブリッジ組曲」。写真手前の白いシャツを着ている女性はセラフィノフ氏の奥さん。旦那と同様プロのホルン吹きだ。

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** ファイナル・セレモニー **

ランチを食べた後にワークショップ修了証書の授与があった。

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今日のおまけ:

慣れない金属加工&楽器製作の作業だったけれど、なんとか曲がりなりにも演奏可能なナチュラルトランペットができたのは講師陣の親身な指導と、伝統的かつ効率的に作業ができるよう考案された工具のおかげだと思う。最後にお世話になった道具たちを。

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以上で5日間にわたったナチュラルトランペット製作ワークショップ 2015のレポートを終了します。

連日お付き合いいただきありがとうございました。

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