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2015/06/29

Trumpets in Museum (Nürnberg: Germanisches National Museum)

今回巡る博物館の最後はニュルンベルグにあるゲルマン国立博物館。僕の愛器のバロックとクラシカルのトランペットを作ってくれたマルクス・ラケ氏の勤め先でもある。彼はちょうど夏休み中だったので会うことが叶わなかったのは残念。

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建物の中に入ると学生とおぼしき若者たちがホールでバロックの生演奏をやっていた。チェロ立奏の工夫が面白い。

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さて、広大な博物館の中の楽器展示の部屋の場所を訊いてそちらにむかう。

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この説明書きに書いてあるようにフォルテピアノなど鍵盤のコレクションも多いし、クラシカルクラリネットなど木管も充実している(この館のディレクターの Frank Bär 氏がその専門家ということも影響しているようだ)。ただし僕の目当てはトランペットなどの金管楽器。ワクワクしながら中に入る。

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最初に目に入って来たのがこれ!展示の仕方が今まで訪れて来た博物館と全く違って見事なものだ。

ここは展示順じゃなくてメーカー順で紹介していくこととする。

まずエーエ

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3 Naturtrompeten

Johann Leonhard (III) Ehe, Nürnberg 1746

これこれ、これが見たかった。エッガーを始めとしていろんなメーカーがコピーしているのがこのエーエだ。3本の中の1つがとりわけいい音がするんだとバークレイ氏が言っていたけれど、どの1本なのか訊いとくのを忘れてしまった。

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Naturtrompete

Friedrich Ehe, Nürnberg  um 1720

この楽器はとりわけ管長が長かった。ひょっとするとB管だったのかもしれない。

次にハース

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Narurtrompete

Johann Wilhelm Haas, Nürnberg  um 1700

左の写真で一番上にあるのがハースだ。ハースのトランペットはこれ1本のみだった。上の方だったので若干写真が撮りづらかった。僕の持っているラケ氏製作のバロックトランペットはこれがモデルだと思う。

左の写真で真ん中にあるトランペットは別のメーカー。

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Naturtrompete

Michael Leichamaschneider, Wien 1724

次にKodischが2本

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Narurtrompete

Johann Carl Kodisch, Nürnberg um 1700(2本とも)

この楽器は格好良かった。上下に2本吊るされているがパーツで撮っている写真は最初の3枚が上の楽器、次の3枚が下の楽器だ。ベル(ガーランドのところ)がすごく広がっていて真横から見るとこんな感じ(上下の順)

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次にミュンクヴィッツ氏のHPに詳しい解説があるBirckholtzのトランペット

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一番最後のきれいな楽器はミュンクヴィッツ氏が復元したもの。

次の二つは珍しい、コイル状のトランペットとカン・トランペット。カントランペットは名前の通り管がカンの中にぐるぐる巻きで入っているのだが、図表以外に現物を見たのは初めてだ。

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Jäger trompete (Hunting Trumpet)

Balthasar Fürst, Eliwangen, 1770

Büchsentrompete (Can Trumpet)

Adam Buchschwinder, Eliwangen, 1731

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ちょっと時代を下って19世紀の楽器の展示を見てみよう。

Naturtrompete という表記ではなくKavallerietrompete (Cavalry Trumpet)として展示されていたもの

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Kavallerietrompete

Carl Gottfried Glier, Markneukirchen, beginn 19c

これはこじんまりとしたサイズ。Es管くらいなのではないだろうか。(ピッチの表示がないのが残念)

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Kavallerietrompete

Michael Saurle, München, um 1825

この楽器は大きかった。多分B管くらいあったのではなかろうか。

の写真

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次にインベンションとキイを

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Inventionstrompete

Johann Gottlieb Roth sen., Adorf, 1836

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Klappentrompete

Deutschland oder Österreich, um 1830

並べて展示してあったのでベルなど比較しやすかったのだが、ベルの形状はインヴェンションもキイも同時代ということもありほとんど同じように思われた。

最後に珍しいところでバロックトランペットのミュート(オリジナル)の写真を。

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実は今帰りの便のドバイでのトランジットの合間にこの記事を書いている。そろそろPCのバッテリーがなくなってきたのでこのへんでアップしておこう。

トロンボーンとホルンについても豊富だったのでまた別稿で紹介ということで。

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コメント

très bien

投稿: kodisch | 2017/01/02 18:18

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