Trumpets in Museum (New York: Metropolitan Museum)
ニューヨークのメトロポリタン博物館を訪問した時の写真をアップしておこう。時期はちょっと前だが2013年の4月の時のもの。
銀製である。サクソニー選定候の刻印がなされていることからドレスデンの宮廷用に作成されたものと思われる。それに応じて白と緑の飾り紐もサクソン州の色となっている。
左から順に
Johann Wilhelm Haas (上に載せたもの)
Anton Kerner, Vienna 1765
Henry Keat & Sons, London 1894
2番目のケルナーもドレスデン宮廷用だったようでハースのものに揃えたスタイルとなっている。これも銀製。C管
3番目のトランペットはイギリス製で大きめのボールやヤードの止め方(針金ではなく溶接してある)などニュルンベルグのものとはスタイルが大きく異なっている。これも銀製でD管。
左からAndreas Plaesnig, Germany 1790
Johann Wilhelm Haas, Nuremberg, before 1723
左の楽器はニュルンベルグのスタイルだがマイスターは別の土地の者。真鍮製。もともとはC管だったものを19世紀になってから短く改造されてしまったようだ。
一番右はまたハースの製作のものだが真鍮製でデコレーションも穏やかなものとなっている。これもまたオリジナルはC管だったものが19世紀にEs管に改造されてしまっている。
Invention Trumpet
Courtois père, Paris, 1789-1803
フランス、クルトワ製。丸いクルークを付けてC管になっている。
左に2番とあるのは木製のミュートだね。
Trompette demilune, Markneukirchen, ca 1810
デミルーン(半月形)トランペット。この楽器のセッティングはG管で一番短いパターンだが、別の調にするにはやはりクルークを付けたものと思われる。18世紀後半からトランペット製造はニュルンベルグから離れドイツの各地で作られるようになった。マルクノイキルヒェンはそうした場所の一つで弦楽器の製作も盛んだった。
Keyed Trumpet in G, Leonardo Massarenti, Italy, ca.1840
5つキイのトランペット。これは珍しく右手でキイを操作するタイプ。
メットはトランペットに限らずコンパクトに厳選して展示してあるっていう印象を受けた。楽器の専門の博物館でもないのにきちんとオリジナルのいい楽器を所蔵しているところがさすがだ。
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