ハイドンのティンパニ
このあいだ本を読んでいて「なるほど、そうだったのか」と思ったこと。
それはヨーゼフ・ハイドンのティンパニの使い方だ。
ハイドンやモーツアルトなどの古典派の曲の場合、僕らトランペット(大体2本のペア)とティンパニとはセットになっている。つまり音を出すところもリズムもラッパとティンパニはだいたい一緒なのだ。
ところがヨーゼフ・ハイドンにおいてはこれがちょっと違う。ラッパのひがみなのかもしれないが、明らかにかなりティンパニが優遇されている(単独の出番もあったり、ロールやリズムで目立ったりなど)。
ハイドンのミサ曲の中で Missa in tempore belli, Hob. XXII などは戦時のミサという副題がついているがティンパニが活躍することからパウケンミサ(パウケンはドイツ語でティンパニの意)の名前さえついている。
これはどうしたわけだろう、なぜにティンパニ偏重?
その本によると、ハイドンは6歳から両親と別れて音楽学校の校長をしていた親戚の叔父さんの元で育てられた。あるとき音楽学校のオーケストラのティンパニ奏者が病気で休みだったときに、叔父からティンパニをたたいてよし、との許可がでたらしい。それまで聖歌隊で合唱しかやったことのない少年が初めて与えられた楽器がティンパニ。まだ6歳だったハイドン少年は自分でティンパニもどきの楽器を作り、それを夢中でたたいていたとか。
なるほどねえ、そういう幼児体験があるんじゃ仕方ないか、と僕は深く納得したのだった。
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