Tipの集積
Tipを辞書で引くと、いわゆる海外のホテルやレストランで余分に払うチップの意味と並んで「(その道の人の)ヒント、助言、よい思いつき、秘訣、秘法」などという訳が並んでいる。
ロ短調ミサのような大曲、難曲を練習していると、なんとたくさんのことが今までラッパや音楽を教えてくれた達人の方々のTipsに負っているのだろうと改めて気づかされる。それらがなかったら我流でどんなに頑張ってもきっと今でも吹けてないだろう。
それは練習中に自分の意識がどこに向いているかをチェックするとすぐわかる。具体的な例をあげてみよう。心を落ち着かせあがらないようにする秘訣はPJ(以下敬称略)、楽器の構え方ソルフェージュはJFM、高音を出すコツはDSほか各氏、いきなり高い音から始まるときの体の準備の仕方はSW、音を外さないコツ集中力を持続させるコツはGF、本番進行中のピッチの調整はSK、フレージング、リズム、アーティキュレーション、位置エネルギーなどたくさんのことを師匠から、などなど。
「この音を出す時はこれに注意しよう」と思うと同時に「そうだ、この秘訣は誰それに教わったんだなあ」と瞬時に思っている自分がいる。そして上手く吹けたら「誰それさん、このTipを教えてくれてありがとう!」という気分になる。
ソチの感動的なフリーのあとのインタビューで、8つのジャンプごとにそれぞれ一人ずつ身近な人を思い浮かべながらジャンプしました、と真央ちゃんが語っていたけれど、それに似た気持ちかも(違うか)。
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