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2020/02/07

CDその235 J.H.Schmelzer / Sonatas (Le Concert Brisé)

235a 235b

カテゴリ: Austro-Bohemian Trumpet Music

タイトル: Johann Heinrich Schmelzer / Sonatas

演奏団体: Le Concert Brisé
Trumpet: Jean-François Madeuf

収録曲目: Sonata a3
                 Sonata a5(いずれもJohann Heinrich Schmelzer)

録音年月:2016.10 Talange (France)
レーベル: Accent ACC24324

フランスのコルネットの名手、ウィリアム・ドンゴワ率いるコンセール・ブリゼがオーストリアの作曲家シュメルツァー(1623-1680)のソナタを集めたCDを作った。これにジャン=フランソワ・マドゥフが加わって 全10曲のうち2曲でナチュラルトランペットの妙技を披露している。3声のソナタはトランペットの他にヴァイオリンとトロンボーンと通奏低音、5声のソナタはそれにコルネットとドルツィアン(ファゴットの祖先)が加わった編成で、どちらもチェコのクロムニェジーシュのアーカイブにある手稿譜(1664年)を元に演奏している。マドゥフ氏の使っている楽器はConrad Droschel(1596-1644)をモデルにして2005年にマルクス・ラケが製作したものだ。

シュメルツァーの曲はどれも技巧的で、特に5声のソナタの方は中間部にそれぞれの楽器の超絶なソロがある。確かポール・プランケットのCDの時も書いたと思うけれど、なんでこんなふうに吹けるのか不思議というくらい超難しい。しかもこのプランケットの演奏にしろ、同じく見事な演奏だったウテ・ハーヴィッヒのCDにしろ、3つ孔のバロックトランペットでの録音だったのだが、マドゥフ氏は当然のことながら作曲時同時代のナチュラルトランペットで吹き切っているのがとにかく驚嘆すべきことで、聴いていても手に汗握る感じすらある。自分の場合、カッコいい曲を聞くと自分でも演奏してみたくなるのが普通の流れなのだが、この曲だけはちょっとトライしたいという気も起こさせないくらい、それくらい難易度の高い曲だとは言える。他の楽器も皆演奏は見事で、音色やスタイルのせいもあるかもしれないが、超絶技巧の中にもなんだか素朴な印象を受け、ふと以前訪れたチェコののどかな田園風景を思い浮かべてしまった。

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