ロマン派の曲はどこまでナチュラルトランペットで吹けるか(「ロマン派のレパートリーについて」目次)
11回に分けて表題の目的でロマン派の曲について調べたのでここに目次を作っておこう。
その1 バルブシステムについて
その2 メンデルスゾーン
その3 シューベルト
その4 シューマン
その5 カール・マリア・フォン・ウェーバー
その6 ロッシーニ
その7 ショパン
その8 グリンカ
その9 ベルリオーズ
その10 ビゼー
その11 ワーグナーその他
おまけ クラシカルトランペットを手に入れるには
こうやってそれぞれの曲を調べてみると、次のような共通点があることがわかった。
① 曲により(曲中でも)多様な調が出てくる(A/B/H/C/D/Es/E/F/G)
② 音域は決まっていて譜面上は難しくはない(第3倍音から第12倍音まで)
③ 音程上不安定な音(第11倍音のファや第7倍音のシ♭)、たまに自然倍音以外の音がある(ミ♭やラ)
当たり前といえば当たり前なのだが、こうした点を鑑みるにつけ、つくづくその時代のトランペットが一番ふさわしいんだなと思った。つまり、ロマン派に適した楽器とは、①の転調にはクルークの付け外しで簡単に調を替えることができ、③の音程にはチューニング部分を伸ばして音を少し下げることができる、いわゆるインベンションタイプのナチュラルトランペットが万能だということだ。もちろんこれらの諸点は古典派のレパートリーにも当てはまるが、ロマン派になると曲中の転調が多くなるため、クルークでの機敏な対応がより重要になってくるのだ。
画像:インベンショントランペット(1830年頃の楽器のコピー、マルケス・ラケ作、筆者所有)
(以上でこの稿終わりです)
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