「超過死亡」
昔、相場のテクニカル分析に凝っていた時期があった。
その時に勉強していた本に「どんなに精緻なシステムを構築しても、投入するデータにごみが入っていたら出てくる結果もごみでしかない」という意味合いの文章があった。当たり前のことだが、モデルがワークするかの方に気をとられて肝腎の元データのチェックがおろそかになったりするのはよくあることだ。
このブログで度々引き合いに出しているCOVID-19の各国の数値、3/11から毎日せっせとつけていたけれど、そろそろやめることにした。もう大体の傾向はわかったということが主たる理由だけれど、それに加えてそもそもこの数字は正しいの?という疑問が拭えないことがあったからというのもある。感染者数についてはそもそも正確に把握できないだろうから参考程度と思ってはいたものの、それ以外の数値、例えば回復者の数についてもイギリスやオランダが極端に少なかったり、ブラジルで短期間にそんなに増えるわけないだろうという数字だったり。無論、ジョンズ・ホプキンス大の数字がおかしいわけではなく、その情報ソースとしている大元の報告の集計方法が違ったり信頼性のばらつきがあったりしているのだ。それはしょうがない。それでもさすがに死亡者数については誤謬が少ない(少なくとも先進国においては)のではないかと思っていた。
が、FTの記事によると、新コロナウイルスによる推定死亡者数は実際の報告より60%多いのではないかと。「超過死亡」という観点から割り出した数字で、これはかなり真実に迫っているのではないだろうか。
それで冒頭の本のことを思い出したというわけだ。ごみというのは言い過ぎにしても、別に精緻なシステムで研究をしているわけでもないしね。
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