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2022年1月

2022/01/28

【Vn製作】第11回目 表板のアーチングとグラデュエーション

・表板の加工

裏板と同様に、表板も裏表をカンナやスクレーパーで成型する。

表板は木材がトウヒで裏板よりも柔らかい材質なので、削りやすい反面、下手をすると木目と木目の間の柔らかい部分だけが削れて筋の部分が残ってしまう危険性がある。削る時の道具やその方向性に気を使う。

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表面の仕上げは裏板を仕上げた時にある程度一緒にやったので内側のグラデュエーションから作業を始める。
(裏板と同様)側板を置いて掘り始めるところの境界線を鉛筆で書き込む。

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表板の方が裏板より薄くて軽い。とりあえず全面3mmを目指して削り始める。

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材質のせいか、サクサクと進んで全般的に2-2.5mmになるよう薄くできた。表板を持って見ると75gくらいでかなり軽い。

ちなみに写真左に見える本は今回の作業にあたって僕が参考にしている本だ。
Henry Strobel / Violin making step by step

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2022/01/25

【Vn製作】第10回目 裏板のグラデュエーション 続き

・裏板のグラデュエーション

裏板の内側をカンナで削っていく。厚みをキャリパー(ノギス)で測りながらきめられた厚みになるようにする。

作業に時間もかかるし、神経も使う。

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裏板の厚みは基本的に上部が2.5mm、下部が2.6mm、中央は3.5mmから4mmで、魂柱のところが一番厚くなるようにするのが理想だ。

工房だけでは時間が足りないので自宅に持ち帰って結局3日ほどかかった。

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2022/01/21

【Vn製作】第9日目 裏板のグラデュエーション

・裏板の裏面を彫る(グラデュエーション)

ここから本格的に音色に重要な影響を及ぼす作業に入る。

裏板の表面は成型したので、裏面をカンナなどで彫って適切な厚さにする作業だ。
場所によって厚みは異なるのでそれに従って厚みを残したり削りすぎたりしないようにしないといけない。

まず側板をクランプで仮付けして平らに残す周辺部分と削り出す部分の境界線を鉛筆でマークする。

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これがカンナ。いろんな大きさのものがある。
曲面を削るので刃物面は湾曲しているのが特徴。
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大まかに厚みを書き込んで、適宜キャリパーで厚みを確認しながら削っていく。
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「ドライブ・マイ・カー」

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映画館での興行が終わる前に見なくちゃと思い、濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」を観に渋谷まで出かけた。

東急ハンズとかタワレコとか、渋谷まではいつも自転車で行く。往復にはちょうど良い距離だ。

映画の感想を記すのは得意じゃないので、ごたごた述べないが、複雑な要素がいくつか重層的に含まれていて、それでいて丁寧に描かれていて、上映時間の長さをあまり感じさせない。観終わってなんかジーンと余韻に浸ってしまういい映画だった。

自転車に乗って帰る。最近お気に入りの骨伝導イヤフォン(これ、サイクリング時には最強!)をして、何気なくロンドンフィルの「クラシック名曲50」のアルバムを選んでチャリを漕ぎだしたら、曲がバッハの管組3番からG線上のアリアだった。

日暮れた渋谷の街をゆっくりとチャリに乗りながら、BGMはバッハの名曲。なんか映画の続きを見ているような錯覚に陥ってしまった。

大げさに言えばこの映画じゃないけど「生きていこう」って感じになったさね。

あとで村上春樹とチェーホフを読もう。

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2022/01/18

【Vn製作】第8日目 裏板のアーチング

・裏板の表面のアーチを作る

本来はゲージに沿ってアーチを作るところなんだけれど、今回はキットであらかじめアーチがつけられているので、作業としては表面をスクレーパーで滑らかにすることだけで済む。裏板の厚みについては、この後の裏面を彫る時に調整することになる。

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写真右側にある小さな金属片がスクレーパー。これでこそぎ取るように削る。削った後は指でなぞってみるとちゃんと滑らかになっているか、でこぼこしているかの微妙なところまでわかる。この指センサーは精巧に出来ている。

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2022/01/11

【Vn製作】第7日目 チャネルを彫る 続き

今年最初の作業は年末からの続き。

チャネルを彫っていきます。

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チャネルを彫るとパーフリングの線が綺麗になっていくのが嬉しい。

でも肝心な場所でパーフリングが途切れてしまった。きちんと埋め込んでいなかったのが敗因だ。

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一応裏板のチャネル全部終了。

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