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2022年6月

2022/06/30

ラッパ購入遍歴(その2)

自分が過去どんな風にラッパを買ってきたか

ブログにその1をアップしたのは2007年4月、なんと15年も前のことだった。

今回はその後の購入遍歴を。とは言っても本数的には大したことないはず。

14本目
 前回の13本目とは時期が前後するが、2005年9月、バッハのカンタータに出てくるコルノを吹きたくなってB&Sのポストホルンを新大久保のDACで購入。それ以降何かと重宝している。そういえば富士山に登った時もリュックに忍ばせて行って山頂でマーラー3番のポストホルンソロを吹いたのだった。

15本目
 06年4月、甲府の古楽音楽祭(#20)で仲良くなったミュンクビッツ氏から3穴ショートタイプのバロックトランペット(D, Des, C, Ces)を購入。この楽器は結局韓国のラッパ吹きに譲ってしまったのだった。

16本目
 07年6月、ドイツ、スイスに遊びに行った時にバーゼルのエッガーの工房へ行ってロングタイプ4穴のバロックトランペット(ヒストリカル)を購入。繊細な作りで楽器も軽い。その時一緒にドイツを回ってくれたS君に今まで使っていたエッガー4穴を長期レンタル。しばらく新エッガーをメインで使っていたけれど、自分としては旧エッガーも気に入っていたので、数年後に旧エッガーをS君から取り戻し、新エッガーは当時良くペアを組んでいたK君の手に渡ることになった。

17本目
 08年6月、アメリカから来日したバリー・ボーゲス氏から見せてもらったキイ・トランペットが意外と面白く、急に1本欲しくなってしまった。ハイデ氏が作っていることは知っていたので、在庫があるか問い合わせたところ、4キイと5キイの楽器が一つづつあるという。これでハイドンやフンメルを攻略したら面白いだろうと思い、5キイの楽器を購入。今までのところこの楽器で人前で吹いたのはハイドンが4回、フンメルが2-1/3(1/3というのは3楽章だけ1回やったから)。

18本目
 09年4月、前回07年にドイツに行った時にお会いしたラケ氏(ニュルンベルグ・ドイツ国立博物館)にハースモデルのナチュラルトランペットを注文。ナチュラルとしては一番のお気に入りとなった。

19本目
 2010年3月、MATでクラシカルのレパートリーで使う用にインベンショントランペットが欲しくなり、ラケ氏に注文(F, E, Es, D, C, B)。このタイミングで楽器を手に入れてて良かった。というのもこの後ラケ氏はリストアに専念するため新規の楽器製作はやめてしまったからだ。今となれば先のナチュラルともども貴重な楽器となった。

20本目
 2015年6月、これは購入した楽器ではないが、ドイツのシュベリーンでITW(International Trumpet making Workshop)に参加して1632年のハインラインをモデルとしたナチュラルトランペットを自作。自作とは言っても、要所要所でボブ・バークレイ氏、リック・セラフィノフ氏、ミヒャエル・ミュンクビッツ氏のヘルプを受けているのでそれなりにちゃんと仕上がり、いい音が出る楽器を手に入れることができた。

21本目
 2019年9月頃、バイト先で使おうと思いモダンのヤマハB管を渋谷トランペットステーションで購入。ワールドカップラグビーで来日したゲストにツアー後それぞれの国歌演奏とかして楽しんだ。

22本目
 22年6月、マーク・ギーレン氏の楽器を購入。

全部で22本かぁ。多いのか少ないのか。ともあれ、今手元に残っている楽器を列挙すると、

No.6 V.バックのB管ピストン
No.9 エッガーの4穴バロック
No.12 ハイデのルネサンス・スライド
No.13 ハイデの1穴バロック
No.14 B&Sのポストホルン
No.17 ハイデのキイ・トランペット
No.18 ラケのバロック・ナチュラル
No.19 ラケのクラシカル・インベンション 
No.20 自作のルネサンス・ナチュラル
No.21 ヤマハのB管ピストン
No.22 ギーレンの4穴バロック

なんだかんだで半数はキープしている模様だ。

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2022/06/28

久々の楽器購入!

昨年、バロックトランペットを新調したくなって注文していた楽器がようやく完成して手元に届いた!

製作者はオランダのMartinus Geelen 

彼はオランダバッハ協会や18世紀オケで活躍しているトランペット奏者で、演奏の傍ら楽器製作も本格的にやっている。ホームページはこちら

注文したモデルはホームページにあるスタンダードタイプのMOD+モデルで、モダンピッチのDC、バロックピッチのDC。それにモダンのDだけはナチュラルでも吹けるようにホールなしのヤードとそれに対応したマウスパイプも付けてもらった。

次の写真が今回届いたもの。最初は細かなパーツが多くて戸惑ったが、組み立ているうちにシステムがわかってきた。

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パーツを具体的に説明すると、(写真の)上から、本体。その左下3本がリードパイプ(うち上の1本はテーパーなしのナチュラルin D用のもの。それ以外では真ん中のパイプに下のパイプを重ねて使用する)。その下左側にある細かなパーツがチューニングビッツ的なもので、リードパイプを重ねる時にその間に挟んで長さを調整するもの。さらに下左側がD管用のクルークとそれに対応するヤードが3本(上から穴なし、D in 440D in 415)。さらに下側にC管用のクルークとそれに対応するヤードが2本(C in 440C in 415)。そして一番下のちょっと短いパイプはクルークのエクステンション(in 415用)。

バロックピッチのD管用のパーツを並べ(左側写真)、それを組み立てて完成形となる(右側写真)。

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パーツ構成はよく考えられたシステムだと思うし、すごくきっちりとはまる。管を替えるのには、ヤードのセッティングとかに時間がかかるので曲中とかは無理かな。

肝心の音や吹き心地だが、しっかりとした豊かな音だ。ベントホールを開けても音色の変化が少ないのもとても良い(これは製作者が強調していたポイントだった)。しかも音程が正確。今までバロックトランペットとしてメインで使っていたエッガーはその点に不満があったので、狙いは当たって一安心。

ただ、操作上の難点が一つ。それはベントホールの位置だ。マウスピースから一番遠いホールは、僕は今までエッガーの楽器では小指で開け閉めしていたのだが、この楽器は製作者の説明によれば薬指で操作するという設計にしてあり、確かにそうすれば角度はぴったりではあるものの、ちょっと距離的には辛い。小指だとうまく塞ぎづらいという、どちらにしてもカンファタブルではない。オランダ人は体が大きいから薬指でも問題ないんだとは思うが、スイス製のエッガーはその点全く問題がなかった。解決策としては、穴を開ける面を移動させるか、あるいはこの穴は塞いだままにして3穴で使うか、多分当面は後者でしのぐことになりそうだ。

細かなことは他にもいろいろあるが、一言でいうと「奏者が作った楽器だな」ということに尽きる。吹きやすい、音程がいい、ツボがはっきりしている。ホームページの説明にもある通り、コンセプト自体がオリジナル楽器にベントホールをつけたという方向性ではないし、作りもモダンな部分(ジョイント部の絞りがないとか、マウスパイプにテーパーをつけているとか)が多々あるけれども、それも「いい演奏をしたい」という方向から作られているからだろう。Markが「僕の楽器を使ってからはみんなエッガーから乗り換えてるよ」という言葉がわかる。やっぱり音にしてなんぼだからね。

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2022/06/21

【Vn製作】第41回目 塗装

コーヒーの次はウコンを塗るのだそうだ。これは1回のみ

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2022/06/17

【Vn製作】第40回目

指板の形を最終的に仕上げ。

鋭角や直線部分はキリッと仕上げないといけないんだと師匠に言われる。

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本体側はニス塗りの下準備として、まずコーヒーで着色する。
表板、裏板、渦巻きなど 全てに4回ほど塗る。

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2022/06/14

【Vn製作】第39回目

ニス塗りに備えて一旦指板を外す。

それぞれの接着面には板で養生をしておく。

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その後は本体の表面の仕上げやエッジのヤスリがけとか。

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2022/06/10

【Vn製作】第38回目

作成ノートには「ペグBoxの成形」って書いてあるんだけど、写真も撮ってなかったし、この日は一体なんの作業をしたのか、さっぱり思い出せず。

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2022/06/07

【Vn製作】第37回目 コマ

モダン用のコマとバロック用のコマとは微妙にデザインが違う。
上がモダン用、下が今回使用するバロック用。

でも上方のカーブなどは同じみたいだ。

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これを成形するのだが、まずは足の部分がヴァイオリンとぴったりと接触するように削る。これが大事だけれどまた難しい部分でもある。

上には弦のための溝を掘る。溝の間隔はG線からE線までで34mm(ちなみにナッツは16.5mmだった)で、その間をコンパスを使って均等に3等分する。

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コマができたらもうペグも作ったし、いよいよ弦を張ることができる。

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この白木の状態で音を出してみた。

・・・ドキドキ・・・


思ったより豊かな音がする。ちょっと引っかかったのはA線の音がぼんやりしていること。
これはニスを塗ったらまた変わるんだよ、と師匠は言う。

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2022/06/03

【Vn製作】第36回目 ナッツなど

だんだん細かいパーツの作業が増えてきて、そろそろヴァイオリン作りも大詰めの感が出てきた。

テールピースに弦を通す細い穴を4つ開け、反対側にはヴァイオリン本体と結びつけるエンドガット用の穴を2つ開けて太いガットを通して輪っかにする。

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指板とペグボックスの間にナッツと呼ぶ黒檀でできた小さなパーツをつけてヤスリで成形し、4本の弦のための溝を細い丸ヤスリで彫る。
この幅は一番低いG線と高いE線の間が16.5mm、そしてその間を3等分してD線とA線の位置を決める。

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前回作ったペグには弦を通すことができるように細い穴を開けてある。

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