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2025/08/15

近況報告(病気のこと)


今年の春、いつも高血圧の薬を処方してもらうために通っているクリニックで、前々から時々右下腹部がシクシクするという悩みを聞いてもらっていたところ、「それでは一度CTスキャンでも撮りましょうか」ということになった。幸いその部分にはなんの問題も見つからなかったものの、膵臓になにやら思わしくない影が見られると。念の為ちゃんと検査した方がよかろうと都内の大病院を紹介してもらった。
5月からその病院で検査が始まり、MRIやPET CT検査、腹腔鏡検査など徹底的な検査を受けた結果、一般的な膵臓の腺癌ステージ1、切除手術可能との診断。膵臓癌と言えば最も厄介な癌だ。その後は術前の抗がん剤投与期間を経て、7月末にがん摘出手術を受ける段取りとなった。とりあえず身内の者と勤め先には事情を告げて、目先の予定は全てキャンセル(幸いリタイア後の身には大した用事は入ってない)し、7月末に入院し手術を受けることとなった。がんそのものは1cm四方未満と小さいものの、その発生位置が膵頭部にあるため、十二指腸、胆嚢(これは以前の胆結石手術で摘出済み)及び胆管の全摘出に加え、胃の一部も切除してあちこち縫合再建するという複雑な手術で、3人の医師で6時間かかるという大掛かりなものだった。
幸い手術は無事終了して、その後膵液の漏れや合併症観察のため現在も入院療養中という状況だ。あと一二週間はここにいる必要があるかもしれないが、着実に回復しているという実感はある。先週あたりからは体も楽になってきて、時間を持て余し気味なので、家からリュートを取り寄せて時間を見つけては練習に励んでいるところだ。
さて、その入院生活の最中、古典クラリネット奏者で指揮者の坂本徹氏の訃報が届いた。坂本さんには2002年の国分寺チェンバーオケの第九公演で初めてお世話になり、それ以来2004年の東京初のアマチュアのピリオドオケであるオーケストラ・オン・ピリオド東京(OPT)の立ち上げ、ブロ主体の2006年のモーツァルト・アカデミー・トウキョウ(MAT)の旗揚げ公演と、一貫して僕の演奏活動に深い関わりのあった人だ。MATのさまざまな公演(磐田バッハ合唱団や中大混声合唱団、つくば古典合唱団など)に参加させてもらったことも貴重な財産となった。その後2016年頃、MATでちょっとした揉め事があって以来、坂本氏とはずっと疎遠になったままだったが、彼が白血病を患い入退院を繰り返していることや、昨年の第九プロジェクトが流産したことも聞いていたので、今回の訃報は意外ではなかったものの、仲違いになったままの別れとなってしまったのは悔やまれるところだ。
このニュースに触発されたわけではないが、今回の病気も経て、やっぱり残された時間は前向きに有意義に過ごさなくてはという思いが強くなったと感じている。膵臓がんは発見が遅れがちで、各種のがんの中でも最も生存率が低い厄介な病気だ。僕の場合、たまたま初期段階で見つかったのが不幸中の幸いだったが、それでも5年後の生存率は50%だぞと肝に銘じている。そんなわけで、健康寿命が許すかぎりこれからも音楽を中心に置いた生活を続けて行きたいと思っているところだ。

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