ナチュラルトランペットのアーティキュレーション(その1)
アーティキュレーションについて
音楽の世界でアーティキュレーションという言葉はよく使われるが、そもそもどういう意味か?
辞書(英辞郎)を引くと、語幹の articulate は
- 発話できる、話す能力がある
- 〔言葉が〕はっきり発音された、歯切れが良い
- 〔意味や内容が〕はっきりと伝わる、明瞭な
・He talks a lot, but he's not very articulate. : 彼はよくしゃべるが、あまり理路整然としていません。 - 〔人が〕はきはきと話す、雄弁な
・To work in sales, you have to be friendly and articulate. : 営業の仕事をするには、親しみやすく、明瞭に話す必要があります。 - 《動物》関節がある、関節接合の
とあり、音楽の場合、上記の2と3の意味、すなわち音と音とがはっきりと区別されている、ということになろう。
クラシック音楽のモダン演奏だと、音価が均等であることが重視されるので、金管楽器であれば、シングル、ダブル、トリプルのタンギングを明瞭に使いこなせることで達成できる。
ところが、バロック音楽の場合、そもそも器楽演奏においても歌唱がモデルとなっているので、如何にフレーズを語ることができるか、すなわち音のキャラクターをその場面に応じて使い分ける必要がある。そのためには均一ではなく多様なアーティキュレーションが使いこなせることが重要となってくるのだ。
そのためか、バロック時代のトランペット(およびコルネット)の教本には、必ずと言っていいほど最初にこの発音(シラブル)についての章が置かれている。
G.Fantini/ Mode per imparare a sonata di tromba (1638)より
これから分かる通り、一つのフレーズに対して複数のシラブルがあり得る、つまり場合に応じて使い分けすることが要請されていたようだ。
最初の2小節であれば、(無理やり)カタカナで表記すると
レラレラリル/リー
ティリティリティリ/ディー
テゲテゲテゲ/ディー
の3つが提示されている。
もちろん、このように楽器で発音することは不可能なので、口の中でこのように発音することで、楽器から出てくるアーティキュレーションを微妙に変化させるということなのだと考えられる。
(以下次の項に続く)
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