カテゴリー「トランペットの話題」の292件の記事

2021/01/31

NML 初期バロックシリーズ(楽譜)のこと

ブラスアンサンブルでよく演奏される昔の曲と言えばジョバンニ・ガブリエリのものがおなじみだが、ガブリエリと同じ時期(17世紀初頭)の、いわゆる初期バロックの器楽曲には彼の作品以外にも演奏しがいのある優れた曲が多数ある。

それらの曲の中からブラスアンサンブルとして演奏して楽しめる曲を選別して、金管用にアレンジし、NABEO Music Libraryというサイトに「初期バロックシリーズ」として発表・販売している。

まだプロジェクトの途中ではあるが、その「初期バロックシリーズ」がある程度集まったので、ここでまとめて紹介しておこう。

1 バンキエリ/ファンタジア「聞け、ラッパの響き」
2 カヴァッリ/8声のカンツォーナ
3 フィアダンク/ソナタ31番「かつての喜びは」
4 マリーニ/カンツォン3番、8番
5 チェーザレ/カンツォン「バヴァーラ」「ヴィットリア」
6 ピッキ/カンツォン10番、11番、12番、13番、14番、15番
7 ブレイド/5つの舞曲
8 シュメルツァー/騎士バレエのための音楽
9 カステッロ/ソナタ16番
10 ビーバー/聖ポリカルピのソナタ
11 シュペール/「戦争物語」より6つのソナタ
12 アドソン/宮廷仮面劇のための4つのアリア
13 ダウランド/ラクリメ、または7つの涙の曲集から組曲
14 プリウーリ/6声のカンツォン1番、3番
15 プリウーリ/8声のカンツォン1番
16 シャイト/2つのモテット
17 ラッピ/カンツォン13番、15番
18 グアーミ/カンツォン24番、25番
19 ヴィアダーナ/シンフォニア「ナポリターナ」「フィオレンティーナ」「ベルガマスカ」
20 ブオナメンテ/6声のソナタ22

アレンジにあたっては、自分のこれまでの古楽器での演奏経験を踏まえて、既存の譜面とはちょっと違う味付けを試みているつもり。

ブラスアンサンブルを愛する方々、あるいは金管アンサンブルのレパートリーを探している方、有料ではありますが、ぜひご利用をご検討ください。

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サイトへのリンクはこちら

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2020/08/22

初心者のためのナチュラルトランペット案内

ITG(International Trumpet Guild)が僕の訳した記事をフリーアーティクルということでHPに掲載してくれている。
元々の文章は米国のElisa Koehler 氏が2002年3月にITGに投稿したもの。

場所はこちら

https://www.trumpetguild.org/journal/freebies

中身はPDFでここに添付しておこう。

beginnersguidetonaturaltrumpetjapanesetranslation.pdf

 

 

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2020/06/23

新たな発見

フンメルのトランペットコンチェルトについて、今日また新たな発見をしてしまった。いや、発見というよりは仮説に過ぎないが。

具体的になに、ということはまだ明かせないが、こういうことがあるととても興奮してしまう。

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2020/06/01

(おまけ)クラシカルトランペットを手に入れるには

ロマン派のレパートリーについて俯瞰した結論が、「ロマン派を吹くにはその時代の楽器が一番」と言っておきながら、肝心の楽器について何もコメントしてないのは片手落ちというもの。古典派およびロマン派初期のレパートリーをカバーするピリオド楽器の入手法についてコメントしておこう。

クラシカルのナチュラルトランペットはいわゆるインベンショントランペットというタイプだ。マウスパイプサイドにクルークをつけて複数の調を吹き分けることができ、通常は上はFから下はBまでのクルークを備えているので1本あれば大抵の曲に対応できる。ただし、バロックトランペットとは異なり、音程を補正するためのvent holeがついていないので、第11倍音のFの音程を調整するには、ベルに手をかざすハンド奏法なり管をスライドさせるなりのテクニックが必要となる。

現在入手しやすいものとして以下の3つのメーカーがある。

Egger Instruments
  Romantic Trumpets として Invention Trumpet を作っている。
  クルークはFからBまで(440と430)、必要なものだけ選ぶことができる
  モデルは1856年のAntoine Courtois
   Courtois_invention

Michael Münkwitz
  クルークは F, E, Es, D, C, B が標準装備
  モデルは1860年頃の Carl Missenharter
   Klassischeorchestertrompete1

Frize & Marques
  クルークはGからBまで標準装備(G管があるのはここだけ)
  モデルは1800年のRaoux
   Trompette4small

販売店としてはEggerであればアメリカのThe Baroque Trumpet Shopが取り扱っているし、
Münkwitzのモデルは湘南のコースタルトレーディング、あるいは新大久保のDACで手に入れることができる。
Frizeに関しては直接メールでオーダーが可能だ。

HPを見るとEggerはクラシカルのペリネバルブのトランペット(長管)も製作・販売しているようだ。ここまで行くと相当なオタクだけど。

   Courtois_perinet

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2020/05/25

ロマン派の曲はどこまでナチュラルトランペットで吹けるか(「ロマン派のレパートリーについて」目次)

11回に分けて表題の目的でロマン派の曲について調べたのでここに目次を作っておこう。

その1 バルブシステムについて
その2 メンデルスゾーン
その3 シューベルト
その4 シューマン
その5 カール・マリア・フォン・ウェーバー
その6 ロッシーニ
その7 ショパン
その8 グリンカ
その9 ベルリオーズ
その10 ビゼー
その11 ワーグナーその他
おまけ クラシカルトランペットを手に入れるには

こうやってそれぞれの曲を調べてみると、次のような共通点があることがわかった。

① 曲により(曲中でも)多様な調が出てくる(A/B/H/C/D/Es/E/F/G)
② 音域は決まっていて譜面上は難しくはない(第3倍音から第12倍音まで)
③ 音程上不安定な音(第11倍音のファや第7倍音のシ♭)、たまに自然倍音以外の音がある(ミ♭やラ)

当たり前といえば当たり前なのだが、こうした点を鑑みるにつけ、つくづくその時代のトランペットが一番ふさわしいんだなと思った。つまり、ロマン派に適した楽器とは、①の転調にはクルークの付け外しで簡単に調を替えることができ、③の音程にはチューニング部分を伸ばして音を少し下げることができる、いわゆるインベンションタイプのナチュラルトランペットが万能だということだ。もちろんこれらの諸点は古典派のレパートリーにも当てはまるが、ロマン派になると曲中の転調が多くなるため、クルークでの機敏な対応がより重要になってくるのだ。

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  画像:インベンショントランペット(1830年頃の楽器のコピー、マルケス・ラケ作、筆者所有)

 

(以上でこの稿終わりです)

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ロマン派のレパートリー(その11 最終回 ワーグナーほか)

さて、ナチュラルトランペットで吹けるロマン派のレパートリー、もうほとんどカバーしてしまったので今回で最終回。

ワーグナーの曲ではトランペットが大活躍するが、あまり有名ではない初期作品ではナチュラルトランペットが使われている。

Richard Wagner(1813-1883)

・演奏会用序曲 WWV20(1831)2 Trombe (D)
・大演奏会用序曲 WWV27(1832)2 Trombe (C)
・交響曲ハ長調 WWV29(1832)2 Trombe (C/F)
  何を勘違いしたのか、1楽章に1ヶ所だけラのオクターブが出てくるが、それ以外は全て自然倍音

・歌劇「妖精」WWV32(1833)2 Trombe (E/C/Es/B/D/F/A)
  なぜか2幕のフィナーレで1ヶ所だけ1st Trp in D にミ♭あり(ホルンと同じ音)

・序曲「クリストフ=コロンブス」WWV37(1835)2 Trp (Es), 2 (D/Es), 2 (C/Es)
  1st Trpと5th Trpにシの音がかなりの頻度で出てくる(メロディの一部)
  この曲のラッパの扱い方は巧みだ。曲の途中でトランペット主体のファンファーレの部分があるのだが、数小節単位でコードが変わっていくところを2本ずつの異なる調の楽器でリレーしながらカバーしている。苦肉の策とも言えるが。
  1_20200527122001
  2_20200527122001  
1段目:Trombe 1,2 in Es、 2段目:Trombe 3,4 in D、3段目:Trombe 5,6 in C

・序曲「ポーランド」WWV39(1836)2 Trombe piston (F), 2 Trombe (C)
  この曲からバルブトランペットを使用。しかものっけからソロありだし、全曲にわたって旋律をバリバリ吹いて大活躍する。ワーグナーはトランペットの音をイメージしていたのに、それまでは制約があって使うに使えなかったということか。完全に呪縛から解き放たれた感じ。

・序曲「ルール・ブリタニア」WWV42(1837)2 Trombe なんとか(D), 2 Trombe ordini (D)
  Trombe ordini は通常のナチュラルトランペットということだろう。Trombe なんとかは Trombe e seiaveのようにも読めるのだが対応するイタリア語が見当たらない。譜面から見てバルブトランペットを指定していることは間違いない。
   Rule-britannia

・歌劇「リエンツィ」WWV49(1838)2 Trombe ventile, 2 Trombe ordin.
  バルブトランペット2本とナチュラルトランペット2本の組み合わせ(序曲は4本ともD管)

このリエンツィを最後に、ワーグナーはバルブトランペットに鞍替えしている。具体的には1839年の序曲「ファウスト」、1941年作の歌劇「さまよえるオランダ人」以降の歌劇、楽劇の全てがクロマティックで書かれているのだ(マイスタージンガー序曲の3rd Trumpet in C などの例外を除く)。


そして以下の作曲家の作品はバルブトランペット想定なので一部の例外を除きナチュラルトランペットで演奏することはできない(ブラームスはよく知られているようにトランペットを古典的な書法で取り扱ったが、非自然倍音も多く、このカテゴリーに入れることにした)

・Franz Liszt(1811-1886)
・Giuseppe Verdi(1813-1901)
・César  Franck(1822-1890)
・Anton Bruckner(1824-1896)
・Johannes Brahms(1833-1897)
・Camille Saint-Saëns(1835-1921)
・Modest Petrovich Mussorgsky(1839-1881)
・Petr Ilych Tchaikovsky(1840-1893)
・Antonín Dvořák(1841-1904)

例外としては、サンサーンスの交響曲第3番オルガン(1886)がある。3管編成のトランペットは1st,2ndがクロマティックだが、3rdトランペット(C)は自然倍音のみで書かれている(2ヶ所だけ非自然倍音のシの音がある)。

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ロマン派のレパートリー(その10 ビゼー)

Georges Bizet(1838-1875)

随分後の世代になるが、同じフランス人のビゼーにもナチュラルトランペットを想定して書いた曲がある。

・交響曲第1番(1855)2 Tromba (C)(1st,2nd共に2ヶ所シの音がある)
・組曲「ローマ」(1861, 1871改訂)2 Tromba (B/C/Es/E/G)
・「アルルの女」第一組曲(1872)2 Trumpet (C/E), 2 Cornet a Pistons (A)
・序曲「祖国」(1873)2 Trompettes (G/C/A), 2 Pistons (B)

ビゼーは1860年以降もナチュラルトランペットを愛好していたと見える。序曲「祖国」における Pistonsはトランペットなのかコルネットなのかははっきりしないが、短管楽器であることは間違いないだろう。この曲のスコアには興味深いコメントがあった。曲の途中に 1st Trumpetのソロがあるのだが、そこに「オーケストラにトランペットがない場合は1st Pistonが代わりに演奏する」とあるのだ。つまりこの頃には作曲者が想定していてももうオケに長管のナチュラルトランペット吹きがいないという状況が現出していたということなのだろう。ちなみに同じ頃作曲されたオペラ「カルメン」(1873-74)はPiston2本(A/B)のみでありナチュラルは起用されていない。

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  譜例:「祖国」該当部分
     (上からTrompette in G, Trompette in C, Pistons in B, Trombones)

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2020/05/24

ロマン派のレパートリー(その9 ベルリオーズ)

次にフランスはどうか。まずはオーケストレーションの達人、ベルリオーズの音楽について見てみよう。

Hector Berlioz(1803-1869)

ベルリオーズはメンデルスゾーンやシューマンと同じく、トランペットが急激に変化する真っ最中に作曲活動をしていた。彼の作品はトランペットの扱い方という観点から時代順に3つの時期に分けられるように思う。

I. ナチュラルトランペットだけを使用(主に1820年代)

・ミサソレムニス初稿 H20A(1824)
    2 Trombe 
・主はよみがえり(ミサソレムニスの第5曲目)H20B(1825)
    2 Trombe (Es) & 2 Trombe (F) 
・カンタータ「ギリシャ革命」H21(1825-26)
    2 Trombe (A/D/C)
・ファウストの8つの情景 op.1 H33(1828-29)
    2 Trompetts (B)
・カンタータ「クレオパトラの死」H36(1829)
    2 Trombe (B/Es/E)
・序曲「リア王」op.4 H53(1831)
    2 Trombe (C)

II. ナチュラルトランペットとバルブ楽器の併用(1827-1858)

・序曲「宗教裁判官」op.3 H23D(1826-28)
    2 Trombe (E/C) & 1 Tromba à Pistons (Es)
・序曲「ウェーヴァーリ」op.2 H26(1827-28)
    1 Tromba à Pistons (D) & 2 Trombe (A)
・幻想交響曲 op.14 H48(1830)
    2 Trompettes (C/B/Es) & 1 Trompette a Pistons (Es)
    (2楽章にオブリガート Cornets à Pistons in A あり)
・レリオ op.14b H55(1831,1855改訂)
    2 Trombe (Es/E/F/D) & 2 Cornets à Pistons (B)
・交響曲「イタリアのハロルド」op.16 H68(1834)
    2 Trompettes (C) & 1 Cornets à Pistons (A/B)
    (後からcornet a pistons 1本追加)
・死者のための大ミサ op.5 H75(1837)
    12 Trombe (B/C/D/Es/E/F) & 4 Cornets à Pistons (A/B)
・歌劇「ベンヴェヌート・チェルリーニ」op.23 H76(1838)
    4 Trombe (B/C/D/Es/E/F/G) & 2 Cornets à Pistons (A/B)
・劇的交響曲「ロミオとジュリエット」op.17 H79(1839)
    2 Trombe (B/D/Es/F) & 2 Cornets à Pistons (A/B)
・葬送と勝利の交響曲 op.15 H80(1840)
    8 Trombe (B/C/F) & 4 Cornets à Pistons (B)
・序曲「ローマの謝肉祭」op.9 H95(1844)
    2 Trombe (D) & 2 Cornets à Pistons (A)
・序曲「海賊」op.21 H101(1844, 1851改訂)
    2 Trombe (C) & 2 Cornets à Pistons (B)
・ファウストの劫罰 op24 H111(1845)
    2 Trompettes (B/H/C/D/F) & 2 Cornets à Pistons (A/B)
・オラトリオ「キリストの幼時」op.25 H130(1850)
    2 Trombe (B) & 2 Cornets à Pistons (B) ほぼユニゾン
・歌劇「トロヤの人びと」H133(1858)
    2 Trombe (Es) & 2 Cornets à Pistons (B)

III. 全てバルブ楽器を使用(1860ー)

・歌劇「ベアトリスとベネディクト」H138(1860-1862)
    2 Trompettes à Cylindres (D/Es/E) & 1 Cornets à Pistons (A/B)

注)パート名については分かる限りベルリオーズの手稿譜の記載に従った。

  楽器の区分は名称及び調性から以下の通りと推察される   
  ・TrombeおよびTrompettes ナチュラルトランペット(長管)
  ・Cornets à Pistons  シュトルツェルバルブのコルネット(短管)
  ・Tromba à Pistons バルブトランペット(長管、バルブのタイプは不明)
  ・Trompettes à Cylindres ペリネバルブのトランペット(長管)

ベルリオーズは「近代の楽器法と管弦楽法 Grand traite d'instrumentation dt d'orchestration modernes」(1844, 1856改訂)を著していることからも分かる通り、多様な管楽器に詳しかったし、楽器メーカーのアドルフ・サックス(サキソフォンやサクソルンを開発)と仲が良かったので、先進的に新しい楽器をオーケストラに取り入れた作曲家である。キイ付きの金管楽器であるオフィクレイドを積極利用した反面、セルパンなど昔の楽器には冷たかったようだ(セルパンは幻想交響曲5楽章のディエスイレのおどろおどろしい場面などでは使われてはいるが、これはその音色のキャラクターを利用したのだろう)。

ベルリオーズはドイツの作曲家が見向きもしなかったバルブコルネットをいち早くメロディー楽器として使って、金管セクションのサウンドを豊かで機動性のあるものにしている。しかし一つ謎に思われるのは、1850年代までずっとナチュラルトランペットに固執しているところだ。1840年代半ばにもなればバルブトランペットがだいぶ広まっていたであろうに、ナチュラルトランペットとコルネットとの組み合わせがいいと判断したのか、それともオーケストラの奏者がなかなかナチュラルトランペットから卒業しなかったのか、あるいはもっと別の理由だったのか。このあたり、1848年頃を境にバルブトランペット一辺倒に切り替えたシューマンなどと姿勢が異なるところが面白い。

また、コルネットとトランペットを併用するアイデアは、ドイツを飛び越してチャイコフスキーやプロコフィエフなどロシアの作曲家に継承されたという点も(ロシアはフランスかぶれの面はあったにせよ)興味深いところだ。

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  画像:Cornet à Pistons in B♭(19世紀後半フランス製)
     National Music Museum, University of South Dakota のHPより転載


(追記)
タール氏の本"The Trumpet"には「フランスでは1891年までトランペット奏者はナチュラルとバルブトランペットとを持ち替えしていた」とあった(The Trumpet P106)。また、フランスの曲で最初にバルブトランペットが指定されたのは1827年6月に初演されたアンドレ・シェラード作のオペラ「マクベス」で、そのオケメンバーの中にはアーバンの先生だったデュベルネもいた(同P107)。

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2020/05/21

ロマン派のレパートリー(その8 グリンカ)

ロシアの曲にもナチュラルトランペットで吹けるものがある。

Mikhail Ivanovitch Glinka(1804-1857)

とは言ってもグリンカの曲で我々がオケで演奏することがありそうなのはルスランとリュドミラ序曲くらいだが。

・歌劇「イワン=スサーニン」序曲(1836)C
・歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲(1842)D
・スペイン序曲第1番「ホタ・アラゴネーサの主題による華麗な奇想曲」(1845)Es
・スペイン序曲第2番「マドリードの夏の一夜の思い出」(1851)F
・幻想曲「カマリンスカヤ」(1848)F

どの曲もナチュラルトランペットで演奏可能で、しかも音域も無理なく、譜ヅラも優しい(第7,11,13倍音などは全く出てこない)。特にルスランとかは鳴らしやすいD管だし、目立つ部分もあるし、吹いたらとっても気持ちが良さそうだ。

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  譜例:「ルスランとリュドミラ」序曲より 1st Trumpet in D

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2020/05/20

ロマン派のレパートリー(その7 ショパン)

Frédéric Chopin (1810-1849)

ポーランドの作曲家、ショパンのオーケストラ曲もナチュラルトランペットで演奏が可能だ。オケの曲とは言ってもピアノ協奏曲(及びピアノとオーケストラの曲)だけではあるが。

・ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11(1830)C/E
・ピアノ協奏曲第2番へ短調 Op.21(1829)B
・ポーランド民謡による大幻想曲イ長調 Op.13(1828)D
・ロンド「クラコーヴィヤク」へ長調 Op.14(1828)C

いずれの曲も2管編成でトランペットの譜面も古典派と同様の扱いだ。コンチェルトの1番の終楽章はE管で上のソの音(第12倍音)が頻繁に出てくるから音域的に少し高めだけれど、それ以外はいたって平凡。まあ、なんと言ってもどの曲もピアノが主役ですから。

ショパンの管弦楽曲を調べていてちょっとユニークだなと思ったのは、オーケストラの中にバストロンボーンを1本だけ入れてあるところ。これは2曲のコンチェルトもそうだし、「アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ Op.22」という曲ではホルン2本とトロンボーン1本、ティンパニという組み合わせ(トランペットは含まれていない)だった。なぜにトロンボーン1本だけ?きっと佐伯さんだったらご存知なんだろうなあ。
 Chopin
  譜例:ピアノ協奏曲第2番冒頭(スコア)

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