カテゴリー「トランペットの話題」の298件の記事

2023/07/25

高音攻略法

今日「ラッパでバテない方法」というのをYouTubeで見てると「疲れてきたらアンブシュアの位置が変化してる」というのがあった。

それにヒントを得たわけではないが、楽に高音を出し続ける方策として「意識してApertureを広めに維持する」というのをやってみたところ、それなりの効果があるようだ。これでどの程度バテ具合が変わるのか(換言すれば、どれくらい当初Apertureを維持できるのか)トライしてみたい。

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2022/10/22

ナチュラルトランペットのウォームアップ(動画紹介)

スイスのナチュラルトランペットの達人、ジュリアン・ツィマーマンが彼のウォームアップ法を動画にしてくれた。

動画はこちら

しかも楽譜も公開している。

短くて無理がないので僕も日々楽器を手にした冒頭にはこのウォームアップを使っている。

参考までに楽譜についている注意書きを日本語訳にすると次の通り。

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・楽器を構える前にまずハミングして、体のどこに振動が起こるかを観察してください。
・次に楽器を持ち、ハミングした時に振動を感じたのと同じ場所に集中しながら音を出し、音が自然に響くのに任せます。
・バロックのマウスピースでも現代のマウスピースでも、真ん中のCは吹きやすい音なので、ウォーミングアップはその音から始めます。(もし吹きにくければ、唇が開きすぎていて、アパチャーが大きすぎになっているためです。)
・音が移り変わるときに、体の中で共鳴が変化するのを感じてください。
・真ん中のCから低音域に向かうときには、アンブシュアをコンパクトに保ち、舌を下げないようにします。
・ピッチが高くなってしまうFの音は意図的に(物理的に)修正するのではなく、心の中で正しく聴くようにします・・・徐々に自分のイメージと実際の音が互いに寄り添ってくると思います(チューナーは使わないように。目で見てチューニングするようになってしまいます。耳を使うように。いい音色で吹くことも重要な要素です)
・ベンディング:ベンディングをする前にハミングして、歌ったのと同じように音を動かしてみてください。(舌はなるべく動かさない、アンブシュアはコンパクトに!)
・何度も何度も繰り返します。

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2022/08/18

思いつき話

「ナチュラルトランペットって難しそうだけど、なんで?」

と聞かれた時に、こんな答えだと弦楽器の人にはわかってもらえそうな気がする。

A:あのね、普通の(モダンの)トランペットは、例えて言えば、弦が5本くらい張ってあって、それを弓で弾くんだけど、開放弦以外の音を出すときはフレット付きの指板を押さえるわけ。

それに対して、ナチュラルトランペットは、指板は使わず全部開放弦で弾くんだけど、弦が12本くらい張ってあるのね。それで狙った弦を弓で弾くんだけど、弦がたくさんあるから間隔も狭いし、意地悪なことにそのうちの何本かの弦は調弦が狂っていて、それを正しい音程で弾くには弓を寝かせたりとか緩ませ気味にしたりとか、都度工夫しないといけないわけ。

それで比較したら、どっちが弾きやすい楽器かわかるよね。

こんな解説で如何でしょうか?

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2022/06/30

ラッパ購入遍歴(その2)

自分が過去どんな風にラッパを買ってきたか

ブログにその1をアップしたのは2007年4月、なんと15年も前のことだった。

今回はその後の購入遍歴を。とは言っても本数的には大したことないはず。

14本目
 前回の13本目とは時期が前後するが、2005年9月、バッハのカンタータに出てくるコルノを吹きたくなってB&Sのポストホルンを新大久保のDACで購入。それ以降何かと重宝している。そういえば富士山に登った時もリュックに忍ばせて行って山頂でマーラー3番のポストホルンソロを吹いたのだった。

15本目
 06年4月、甲府の古楽音楽祭(#20)で仲良くなったミュンクビッツ氏から3穴ショートタイプのバロックトランペット(D, Des, C, Ces)を購入。この楽器は結局韓国のラッパ吹きに譲ってしまったのだった。

16本目
 07年6月、ドイツ、スイスに遊びに行った時にバーゼルのエッガーの工房へ行ってロングタイプ4穴のバロックトランペット(ヒストリカル)を購入。繊細な作りで楽器も軽い。その時一緒にドイツを回ってくれたS君に今まで使っていたエッガー4穴を長期レンタル。しばらく新エッガーをメインで使っていたけれど、自分としては旧エッガーも気に入っていたので、数年後に旧エッガーをS君から取り戻し、新エッガーは当時良くペアを組んでいたK君の手に渡ることになった。

17本目
 08年6月、アメリカから来日したバリー・ボーゲス氏から見せてもらったキイ・トランペットが意外と面白く、急に1本欲しくなってしまった。ハイデ氏が作っていることは知っていたので、在庫があるか問い合わせたところ、4キイと5キイの楽器が一つづつあるという。これでハイドンやフンメルを攻略したら面白いだろうと思い、5キイの楽器を購入。今までのところこの楽器で人前で吹いたのはハイドンが4回、フンメルが2-1/3(1/3というのは3楽章だけ1回やったから)。

18本目
 09年4月、前回07年にドイツに行った時にお会いしたラケ氏(ニュルンベルグ・ドイツ国立博物館)にハースモデルのナチュラルトランペットを注文。ナチュラルとしては一番のお気に入りとなった。

19本目
 2010年3月、MATでクラシカルのレパートリーで使う用にインベンショントランペットが欲しくなり、ラケ氏に注文(F, E, Es, D, C, B)。このタイミングで楽器を手に入れてて良かった。というのもこの後ラケ氏はリストアに専念するため新規の楽器製作はやめてしまったからだ。今となれば先のナチュラルともども貴重な楽器となった。

20本目
 2015年6月、これは購入した楽器ではないが、ドイツのシュベリーンでITW(International Trumpet making Workshop)に参加して1632年のハインラインをモデルとしたナチュラルトランペットを自作。自作とは言っても、要所要所でボブ・バークレイ氏、リック・セラフィノフ氏、ミヒャエル・ミュンクビッツ氏のヘルプを受けているのでそれなりにちゃんと仕上がり、いい音が出る楽器を手に入れることができた。

21本目
 2019年9月頃、バイト先で使おうと思いモダンのヤマハB管を渋谷トランペットステーションで購入。ワールドカップラグビーで来日したゲストにツアー後それぞれの国歌演奏とかして楽しんだ。

22本目
 22年6月、マーク・ギーレン氏の楽器を購入。

全部で22本かぁ。多いのか少ないのか。ともあれ、今手元に残っている楽器を列挙すると、

No.6 V.バックのB管ピストン
No.9 エッガーの4穴バロック
No.12 ハイデのルネサンス・スライド
No.13 ハイデの1穴バロック
No.14 B&Sのポストホルン
No.17 ハイデのキイ・トランペット
No.18 ラケのバロック・ナチュラル
No.19 ラケのクラシカル・インベンション 
No.20 自作のルネサンス・ナチュラル
No.21 ヤマハのB管ピストン
No.22 ギーレンの4穴バロック

なんだかんだで半数はキープしている模様だ。

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2022/06/28

久々の楽器購入!

昨年、バロックトランペットを新調したくなって注文していた楽器がようやく完成して手元に届いた!

製作者はオランダのMartinus Geelen 

彼はオランダバッハ協会や18世紀オケで活躍しているトランペット奏者で、演奏の傍ら楽器製作も本格的にやっている。ホームページはこちら

注文したモデルはホームページにあるスタンダードタイプのMOD+モデルで、モダンピッチのDC、バロックピッチのDC。それにモダンのDだけはナチュラルでも吹けるようにホールなしのヤードとそれに対応したマウスパイプも付けてもらった。

次の写真が今回届いたもの。最初は細かなパーツが多くて戸惑ったが、組み立ているうちにシステムがわかってきた。

20220627-114759

パーツを具体的に説明すると、(写真の)上から、本体。その左下3本がリードパイプ(うち上の1本はテーパーなしのナチュラルin D用のもの。それ以外では真ん中のパイプに下のパイプを重ねて使用する)。その下左側にある細かなパーツがチューニングビッツ的なもので、リードパイプを重ねる時にその間に挟んで長さを調整するもの。さらに下左側がD管用のクルークとそれに対応するヤードが3本(上から穴なし、D in 440D in 415)。さらに下側にC管用のクルークとそれに対応するヤードが2本(C in 440C in 415)。そして一番下のちょっと短いパイプはクルークのエクステンション(in 415用)。

バロックピッチのD管用のパーツを並べ(左側写真)、それを組み立てて完成形となる(右側写真)。

20220627-114946   20220627-115050

パーツ構成はよく考えられたシステムだと思うし、すごくきっちりとはまる。管を替えるのには、ヤードのセッティングとかに時間がかかるので曲中とかは無理かな。

肝心の音や吹き心地だが、しっかりとした豊かな音だ。ベントホールを開けても音色の変化が少ないのもとても良い(これは製作者が強調していたポイントだった)。しかも音程が正確。今までバロックトランペットとしてメインで使っていたエッガーはその点に不満があったので、狙いは当たって一安心。

ただ、操作上の難点が一つ。それはベントホールの位置だ。マウスピースから一番遠いホールは、僕は今までエッガーの楽器では小指で開け閉めしていたのだが、この楽器は製作者の説明によれば薬指で操作するという設計にしてあり、確かにそうすれば角度はぴったりではあるものの、ちょっと距離的には辛い。小指だとうまく塞ぎづらいという、どちらにしてもカンファタブルではない。オランダ人は体が大きいから薬指でも問題ないんだとは思うが、スイス製のエッガーはその点全く問題がなかった。解決策としては、穴を開ける面を移動させるか、あるいはこの穴は塞いだままにして3穴で使うか、多分当面は後者でしのぐことになりそうだ。

細かなことは他にもいろいろあるが、一言でいうと「奏者が作った楽器だな」ということに尽きる。吹きやすい、音程がいい、ツボがはっきりしている。ホームページの説明にもある通り、コンセプト自体がオリジナル楽器にベントホールをつけたという方向性ではないし、作りもモダンな部分(ジョイント部の絞りがないとか、マウスパイプにテーパーをつけているとか)が多々あるけれども、それも「いい演奏をしたい」という方向から作られているからだろう。Markが「僕の楽器を使ってからはみんなエッガーから乗り換えてるよ」という言葉がわかる。やっぱり音にしてなんぼだからね。

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2022/03/20

ナチュラルトランペットの紐の巻き方 - How to change a natural/baroque trumpet cord.

ナチュラル/バロックトランペットの紐。

長らく使っていると汚れてくるし、自分の好きな色に変えたり、あるいはブロックの位置を前後に移動させて持った時のバランスを良くしたり、いろいろと工夫ができるので、紐の巻き替えができるようになると何かと便利です。
というわけで、ナチュラルトランペットの紐の巻き方について写真と共に説明したいと思います。

(写真は2007年6月にバーゼルのEggerを訪問したときに撮影したものです)

It is useful to be able to rewind the cord of a natural trumpet in various ways, since it gets dirty after using it for long period of time, or making it to your favorite color, or moving the position of the block back and forth to improve the balance when you hold it. Therefore, I would like to explain how to wind a natural trumpet cord with pictures.
(These photos were taken during my visit to Egger Brass Instruments in Basel in June 2007)

1.
1_20220320124201
教えてくれるのはエッガー工房のGerd Friedelさん。
楽器が固定してあるので作業が楽です。

Mr. Gerd Friedel of the Egger kindly taught me how to make it.
If the instrument is fixed like the picture, it makes easy to work with.

2.
2_20220320124201
マウスパイプとベル側のパイプの間に長方形の板を挟みます。
板をテープなどで仮留めしておくと作業がやり易いです。
このテープは剥がしたりせず結局そのままにしています。
ある程度の長さを残してマウスピース側からU字型に紐を渡します。
この時、U字の先がブロックの先をちょうど超えるくらいに余裕をもたせます。
(上下どちらでも構いませんが、写真のように楽器を持ったときに下側になる方で作業するのが一般的です)

どれくらい紐を残すかは、マウスパイプ側にタッセルなどの飾りをつけるかどうかで決まりますが、つけないのであれば5cmもあれば十分でしょう。

Place a rectangular block between the mouth pipe and the pipe on the bell side.
It is easier to work if the block is temporarily fastened with tape. This tape will not be removed and is left in place after all.
Leave a certain length of cord from the mouthpiece side, and place the cord on the block in a U-shape.
At this point, leave enough room for the end of the U-shaped string to just exceed the end of the block.
(Either the top or bottom side of the block can be used, but as shown in the photo, it is generally recommended to work on the side that will be on the bottom when the instrument is held.)

How much string is left depends on whether or not tassels or other decorations are to be attached to the mouth pipe side, but if not, 5cm should be sufficient.

3.
3_20220320124201
U字部分を軽く押さえておきます。

Hold lightly by hand on the U-shaped part.

4.
4_20220320124201
一方の管(ここではマウスパイプ側)に巻き付けます。

Wrap it around one pipe (in this case, the mouth pipe side).

5.
5_20220320124201
一巻きしたらもう一方の管の方に渡します。
そのとき8の字を描くようにクロスさせます。

After one roll, pass it to the other tube.
The two tubes are then crossed in a figure of 8 form.

6.
6_20220320124201
反対側(ベル側のパイプ)でも一巻きします。

Make a single roll on the opposite side (bell side pipe).

7.
7_20220320124201
ベル側で一巻きさせたら渡した紐の内側を通して反対側に紐(の長い方)を持っていきます。

After one roll on the bell side, bring the string (the longer one) to the other side through the inside of the string you passed.

8.
8
順々にぐるぐる巻きします。このとききつめにしておいた方がいいでしょう。
写真ではその後の作業がわかりやすいように隙間を開けていますが、実際は隙間ができないようにします。

Wrap around in order. It is better to wrap tightly at this point.In the photo, the gap is open to make it easier to see the subsequent work, but in reality, there should be no gap in wrapping.

9.
13 
板の最後まで巻いたら、そこでまた8の字に巻き、きちんと内側から8の字が描けているかを確認します。

When you wind to the end of the block, wind again in a figure 8 form same as the opposite side of the block, checking to see if you have drawn a figure 8 form properly.

10.
10
最初に作ってあったU字の部分に紐を通します。

Pass the cord through the U-shaped part that was made first.

11.
11_20220320124601
紐を通したら最初に余らせた端と、巻き終わった紐とを持って両側から引っ張ります。
U字に通した部分がブロックのちょうど真ん中くらいに来るまでマウスパイプ側に引っ張りましょう。
きつく巻いているので力が要ります。

Once the cord is threaded through, take the first excess end and the wrapped string and pull from both sides.
Pull it toward the mouth pipe until the U-shaped part is right in the middle of the block. Since the cord has been wound tightly, it may need a lot of strength.

12.
12
余った紐は好みでベルの方まで巻きます。

ちなみにこのときパイプに(床屋さんの置き物みたいに)ぐるぐる巻くのはEggerの趣味のようで、昔の絵などではそうやって巻いている例は見たことがありません。だいたいだらーんと垂れてベルまで持っていっていますね。

マウスパイプ側の余った紐については、ブロックのところで切断してもいいし、(写真14のように)その先にタッセルを付けてもいいでしょう。

The excess string can be wrapped around to the bell if desired.

The excess string on the mouthpipe side can be cut off at the block, or you can attach a tassel to the end of the string (as shown in Photo 14).

13.
14_20220320124601
練習用に自分の楽器にも新しい紐を巻いてみました。

I tried to wrap a new cord to my instrument for practice.

14.
15_20220320124601
完成型です。GerdさんにもOKをもらいました。

Completed successfully.

 

 

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2021/01/31

NML 初期バロックシリーズ(楽譜)のこと

ブラスアンサンブルでよく演奏される昔の曲と言えばジョバンニ・ガブリエリのものがおなじみだが、ガブリエリと同じ時期(17世紀初頭)の、いわゆる初期バロックの器楽曲には彼の作品以外にも演奏しがいのある優れた曲が多数ある。

それらの曲の中からブラスアンサンブルとして演奏して楽しめる曲を選別して、金管用にアレンジし、NABEO Music Libraryというサイトに「初期バロックシリーズ」として発表・販売している。

まだプロジェクトの途中ではあるが、その「初期バロックシリーズ」がある程度集まったので、ここでまとめて紹介しておこう。

1 バンキエリ/ファンタジア「聞け、ラッパの響き」
2 カヴァッリ/8声のカンツォーナ
3 フィアダンク/ソナタ31番「かつての喜びは」
4 マリーニ/カンツォン3番、8番
5 チェーザレ/カンツォン「バヴァーラ」「ヴィットリア」
6 ピッキ/カンツォン10番、11番、12番、13番、14番、15番
7 ブレイド/5つの舞曲
8 シュメルツァー/騎士バレエのための音楽
9 カステッロ/ソナタ16番
10 ビーバー/聖ポリカルピのソナタ
11 シュペール/「戦争物語」より6つのソナタ
12 アドソン/宮廷仮面劇のための4つのアリア
13 ダウランド/ラクリメ、または7つの涙の曲集から組曲
14 プリウーリ/6声のカンツォン1番、3番
15 プリウーリ/8声のカンツォン1番
16 シャイト/2つのモテット
17 ラッピ/カンツォン13番、15番
18 グアーミ/カンツォン24番、25番
19 ヴィアダーナ/シンフォニア「ナポリターナ」「フィオレンティーナ」「ベルガマスカ」
20 ブオナメンテ/6声のソナタ22

アレンジにあたっては、自分のこれまでの古楽器での演奏経験を踏まえて、既存の譜面とはちょっと違う味付けを試みているつもり。

ブラスアンサンブルを愛する方々、あるいは金管アンサンブルのレパートリーを探している方、有料ではありますが、ぜひご利用をご検討ください。

5-viadana-3-sinfonia-title-jpeg

サイトへのリンクはこちら

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2020/08/22

初心者のためのナチュラルトランペット案内

ITG(International Trumpet Guild)が僕の訳した記事をフリーアーティクルということでHPに掲載してくれている。
元々の文章は米国のElisa Koehler 氏が2002年3月にITGに投稿したもの。

場所はこちら

https://www.trumpetguild.org/journal/freebies

中身はPDFでここに添付しておこう。

beginnersguidetonaturaltrumpetjapanesetranslation.pdf

 

 

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2020/06/23

新たな発見

フンメルのトランペットコンチェルトについて、今日また新たな発見をしてしまった。いや、発見というよりは仮説に過ぎないが。

具体的になに、ということはまだ明かせないが、こういうことがあるととても興奮してしまう。

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2020/06/01

(おまけ)クラシカルトランペットを手に入れるには

ロマン派のレパートリーについて俯瞰した結論が、「ロマン派を吹くにはその時代の楽器が一番」と言っておきながら、肝心の楽器について何もコメントしてないのは片手落ちというもの。古典派およびロマン派初期のレパートリーをカバーするピリオド楽器の入手法についてコメントしておこう。

クラシカルのナチュラルトランペットはいわゆるインベンショントランペットというタイプだ。マウスパイプサイドにクルークをつけて複数の調を吹き分けることができ、通常は上はFから下はBまでのクルークを備えているので1本あれば大抵の曲に対応できる。ただし、バロックトランペットとは異なり、音程を補正するためのvent holeがついていないので、第11倍音のFの音程を調整するには、ベルに手をかざすハンド奏法なり管をスライドさせるなりのテクニックが必要となる。

現在入手しやすいものとして以下の3つのメーカーがある。

Egger Instruments
  Romantic Trumpets として Invention Trumpet を作っている。
  クルークはFからBまで(440と430)、必要なものだけ選ぶことができる
  モデルは1856年のAntoine Courtois
   Courtois_invention

Michael Münkwitz
  クルークは F, E, Es, D, C, B が標準装備
  モデルは1860年頃の Carl Missenharter
   Klassischeorchestertrompete1

Frize & Marques
  クルークはGからBまで標準装備(G管があるのはここだけ)
  モデルは1800年のRaoux
   Trompette4small

(2022年7月追記)
Aron Vajna
   バーゼルのVajnaはかつてEggerに勤めていた人。
   クラシカルの本体はFでクルークはE, Eb, D, C, Bbがつけられる
   モデルは1820年頃のMichael Saurle (Munich)

   ==写真はHPから見てください=

販売店としてはEggerであればアメリカのThe Baroque Trumpet Shopが取り扱っているし、Münkwitzのモデルは湘南のコースタルトレーディング、あるいは新大久保のDACで手に入れることができる。FrizeとVajnaに関しては直接メールでオーダーが可能だ。

HPを見るとEggerはクラシカルのペリネバルブのトランペット(長管)も製作・販売しているようだ。ここまで行くと相当なオタクだけど。

   Courtois_perinet

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