カテゴリー「コンサート・CDなどの感想」の163件の記事

2020/04/26

エベーヌ四重奏団のベートーヴェン

数年前にメンデルスゾーンの2番のCDを聴いて衝撃を受けて以来、今一番気になっているカルテットがフランスのエベーヌ四重奏団。

今年のベートーヴェンイヤーを前にして昨年世界各地で演奏したベートーヴェンのライブの全集がまもなくリリースされることになっている。いや、正確には先行してラズモフスキーの1番と2番(2019年6月、ウィーン)が出ていてこれはもう入手済み。あとは全集待ち、と思っていたらナクソスライブラリーには7月のサントリーホールでのラズモフスキー3番と13番(大フーガ付)が単体で出ていたのでさっそく聴いてみた。

相変わらず緩急自在な見事なアンサンブルで、ライブならではのただならぬ緊張感に満ちている。1stのColonbet氏の息遣いがライブの雰囲気をさらに増幅するので、こちらも会場にいる気分になって、引き込まれて最期まで一気に聴いてしまった(実はラズモフスキーと13番の間でちょっと休憩したけど)。

全集のCDは先にも書いたように昨年の5月から今年の1月まで、世界の7ヶ所で行ったツアーの記録なのだが、もしこのスケジュールが半年でも遅かったら完成はしなかっただろう。今年NYのカーネギーホールで全曲演奏会が予定されていたようだが、当然これも消えてしまったわけだね。

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2020/04/13

ベートーヴェンイヤーのCD全集

今や音楽はサブスクが主流、CDが売れなくなって久しいが、そんな逆境にあっても今年はベートーヴェン生誕250周年にちなんだ全集がいくつか出ている。(リンクはいずれもタワーレコード)

1 ドイツ・グラモフォン123枚組

2 ワーナー・クラシック80枚組

ブリリアント85枚組

ナクソス90枚組

1のDGだけ枚数が多いのは、交響曲やピアノソナタそれに弦楽四重奏などで同じ曲に複数の演奏者のものが収録されていることに加え、DVDやブルーレイオーディオも含んでいるためだ。だからベートーヴェンの全作品を聴くにはCDが80枚から90枚あれば十分ということらしい。

実はベートーヴェンの作品集CDということで言えば数年前に買った50枚組のもの(DG)がある。
だが、全集もどれか一つくらい買ってレファレンス用に持っておこうと思ったのが今年の初めの頃のこと。

一番演奏が充実していそうな1のDG盤は、お高いし、あいにくもう既に持っているCDとかなり被るので見送り。4のナクソスは作品のカバー率は高そうだけれどアーティストに知らない人が多くて結局満足できなさそうでパス。それで店頭に出回るのも早くしかも安かった3のブリリアント盤を購入した。その時はワーナー盤が出ていることを知らなかったのだ。あとで2のワーナーを追加購入して、聴き比べの上ブリリアントのは手放すことにした。

というわけで今は気が向けばワーナーの全集から適当にCDをつまみ出しては無作為に聴いている。メジャーじゃない曲にもいい曲がたくさんあって、やっぱりベートーヴェンは偉大な作曲家だなと改めて思っている今日この頃なのだ。
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2019/02/20

フンメルのコンチェルト新譜

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昨日CDショップを物色していたらこのCDに出会った。

Cherubini in Wien  "ウィーンのケルビーニ"

指揮:Martin Skamletz
演奏:Concerto Stella Matutina
ソロ:Herbert Walser-Breuß (Keyed Trumpet)

ケルビーニはイタリア人だけれどパリで成功して活躍した作曲家。ケルビーニのオペラはウィーンでも大人気で、1805年からしばらくはウィーンに逗留していたそうだ。このCDはケルビーニの作品、並びにそれを題材にしてウィーンでアレンジされた作品たちが収められていて、収録された曲のほとんどは世界初録音らしい。初録音でないのはフンメルのトランペットコンチェルトのみ。だがそれもキイ・トランペットでの演奏ということでかなりマニアックなレコーディングだと言える。

フンメルのコンチェルトの第3楽章はケルビーニのオペラ「二日間」の第二幕終曲のパロディだということは有名で、僕のコンサートやブログでも申し上げてきたことだ。僕はフンメルが勝手にパクったのかと思っていたのだが、このCDの解説を読むと、この曲を使うようにと時のマリア・テレジアが指示したのだそうだ。初耳。CD全体に流れるテーマなのだが、ナポレオンのウィーン攻略目前の政治的に不穏なウィーンで、このケルビーニの音楽が果たした役割というのが浮き彫りになっていてとても興味深かった。

演奏に当たっているコンチェルト・ステラ・マトゥティナは気鋭の若手たちによって2005年に設立されたオーストリアのアンサンブルで、メンバーの多くはコンチェントゥス・ムジクスとかイングリッシュ・コンソートなど様々な団体で活躍しているとのこと。スイス国境に近いVorarlbergが本拠地。よく知られた名曲の他に、知られざるレパートリーの発掘にも積極的で、このCDもその一環だし、ディスコグラフィを見てもその意欲的なことがうかがわれる。

肝心のフンメルの演奏だが、まず最初に感じたのが、キイ・トランペットの音色の独特さ。なんだかジャズのトランペットのようにハスキーな音色なのだ。最初は違和感があったけれど、慣れてくるとそれはそれで(キイを開けた音と閉じた音の)音色の統一性が取れていて良いのかなとも思えてきた。それからアーティキュレーションだが、八分音符の羅列などところどころアクセントが明確でスタッカート気味。これも従来のクラシカルの演奏とちょっと一線を画した解釈だなと思った。

僕の個人的な関心事でもある、譜面上の波線の処理については案外に平凡で、キイを使ったトリルで済ませている。それにこのCDのテーマにもなっているケルビーニのパロディである3楽章は、他の人たちのフンメルの演奏と同じで、早いテンポを採用している。この3楽章はソリストのヴィルティオジティを示すのではなく、もっと洒脱な雰囲気を出すべきで、そのためにはあまり早すぎないほうがいいと僕は思うのだ。それが証拠に、このコンチェルトの前後に引用されているケルビーニのオペラバージョンやウィーンの他の作曲家によるパロディにおいても、この部分のテンポはもっと遅いのである。細かい検証の上に制作されたであろうアルバムであるがゆえに、この点はちょっと納得がいかないのであった。

ソリストはオーストリア出身のヘルベルト・ヴァルザー=ブロイス。このアンサンブルを始めたメンバーでもあり、ウィーン・コンチェントゥス・ムジクスなどで演奏する他、ジャズも活発に演奏しているそうだ。使用しているキイ・トランペットは1823年のAlois Doke をモデルとしてエッガーが制作したもの。

フンメルのキイ・トランペットでの演奏は僕の所持するCDではフリードリッヒ、スティール=パーキンス、カッソーネに次いで4枚目となる。演奏の巧さではやっぱりフリードリッヒが一つ頭抜けているかなあ。

アンサンブルのHPからリンクしたこのCDの紹介ページはこちらです。演奏も一部聴くことができます。

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2017/02/23

オペラの字幕

オペラはなかなか生を観に行くには先立つものがなくて。もっぱらMETライブビューイングかBD/DVDで観ることにしている。

が、オペラのBD/DVD、なぜか日本語字幕のついているのは少ないんだよね。今までは日本語字幕がないと英語で見ざるをえなくて、隔靴掻痒という感じだったんだけど、対訳書を借りてきて原語字幕で見ればいいことに気づいた。これは言葉に直接触れることができることに加えて、解説とかもついでに読むから周辺知識も増えるし、いい方法だね。

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2016/11/21

CD聴き比べ:シベリウス/ヴァイオリン協奏曲

クラシックのCD、自分が欲しいなと思うのにはそのときどきの傾向があるようで、昨年からはこんな流れになっている。

1. 昨年6月に欧州旅行から帰ってからは、訪問したライプチヒやドレスデン、プラハのオケの演奏するブラームスやシューマン、ドヴォルザークの交響曲を。

2. それが一通り落ち着いてからは、なぜか弦楽四重奏曲(ベートーヴェンを中心に余波でメンデルスゾーンとショスタコーヴィッチのSQも)。エマーソンSQのボックスを買った影響かな。これが結構長く続く。

3. カルテット熱が引くと、ふと自分のCD棚に大好きなシベリウスのヴァイオリンコンチェルトのCDが一枚もないことに気づき、とりあえず諏訪内晶子のCDをジャケ買い。それが当りだったので、ぞろぞろとシベコン(しかも女流ヴァイオリニストの)が増えている状況。

そんなわけでシベリウスのヴァイオリン協奏曲はとりあえず今以下の7枚を聴き比べしているところ。(ソリスト、指揮者、オケ、カッコ内は録音年)

Suwanai
諏訪内晶子 サカリ・オラモ/バーミンガム市交響楽団(2002)

Chung_1
キョンファ・チョン アンドレ・プレヴィン/ロンドン交響楽団(1970)

Midori
ミドリ ズービン・メータ/イスラエル・フィルハーモニック(1993)

Chang
サラ・チャン マリス・ヤンソンス/ベルリン・フィル(1996)

Horigome
堀米ゆず子 イヴァン・フィッシャー/アムステルダム・コンセルトヘボウ管(1988)

Hahn
ヒラリー・ハーン エサ=ペッカ・サロネン/スウェーデン放送交響楽団(2007)

Batiashvili
リサ・バティアシヴィリ ダニエル・バレンボイム/ベルリン・シュターツカペレ(2016)

なぜか東洋人ソリストが多いけど(笑)。
ソリストに関しては、サラ・チャン(ライブ盤)だけが、ちょっとビブラートましましすぎて好みに合わず。それ以外はどれもいいけれど自分の好みとしては諏訪内とハーンの演奏が

この曲はオケも聴き所が多くて、指揮者によって、またオケによって印象ががらっと変わるのが面白い。やはり総じてイギリス、北欧のオケがシベリウスらしさの表現が上手な気がする。

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2015/08/23

JF マドゥフ氏によるハイドンのコンチェルト

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先日都内のCDショップをぶらぶら徘徊していたら偶然見つけたのがこのCD。7枚組のBOXセットの6枚目にハイドンがあった。実はこの録音の存在すら知らなかったのだが、ネットショッピングばかりでなくたまに店頭にいくとこうした発見があって楽しい。

Joseph Haydn: Concerto per il Clarino in Es
Keyed Trumpet: Jean-François Madeuf
Les Agrémens (cond. Guy Van Waas)
RICERCAR RIC357

7枚セットのうち最初の5枚は今まで単発で出ていたグレートリーやゴセックのシンフォニーなのだが最後の2枚は今まで未発表のアルバムのようだ。なにぶん同封のブックレットに録音日や場所などの詳細が記載されていないので2008年から2014年の間にかけての録音ということしか分からないが。

ともあれ、キイ・トランペットによるハイドンのコンチェルトの新たなアルバムが加わったのはうれしいことだ。
マドゥフ氏のキイ・トランペットは派手な音色ではなくまろやかで、どちらかと言えばコルネット(モダン)を聴いているようだ。キイによる音色の不統一は全く感じられない。1楽章と3楽章のカデンツなども短めで、いわゆるコンチェルトらしく大見得を切るという風ではない。既存のキイ・トランペットによる演奏と比較すると、フリードリッヒ氏やヘフス氏のような明るく華やかな演奏とは異なり、インマー氏のような渋い演奏に近い。こうやってコレクションが増えてくるといろんなアプローチがあるなあと興味深い。

このCDではどのEditionを使用したのか明らかではないが、僕の手元のUniversal (Tarr氏編)に比べると、スラーの多用などアーティキュレーションがずいぶん異なっている。クイケンによるバッハのクリスマス・オラトリオの時も感じたが、例えばヴァイオリンは弓を返している(音を切って演奏)のに対し同じフレーズでソロが音をつなげてスラーで演奏するのは、自分としては若干違和感がある。技術的な問題ではないと思うのだがどうなんだろうか。
なお、マドゥフ氏はトリルを全てその音から始めていて、その点徹底している。やっぱりバロックの装飾と古典派の装飾は明確に区分すべきということだね。

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2014/11/15

昨日の戦利品

最近はナクソス・ミュージック・ライブラリー(NML)で音源には不足していない状況なんだけど、それでもたまにCD買いたい病が出る。

予約をしていたポリーニのベートーヴェン・ピアノソナタ全集が届いた。(今のところグラモフォンはNMLに入ってないのでね)

Photo

それでちょっと買いたい病がむくむくと。
仕事の帰りに渋谷のタワレコに行ってみた。

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アイム/メサイア

アイムのメサイアの新譜あり。来週メサイアをやるのでね、参考音源ということで。トランペットはギー・フェルバー。

アイムのヘンデルは相変わらずきびきびしている。こないだベルリンフィルを振っていたときも同様のスタイルだったなあ。

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マイスキー/10クラシックアルバム

ホントはジャクリーヌ・デュプレのCDがあったら買おうと思っていてチェロの棚をみていて発見したのがこれ。

これもグラモフォンだし、マイスキーは1枚も持ってないし、しかもこんなに安いとなんか買わないと失礼な気がして。。(と言い訳がましい)

以上でレジに行こうとしていた途中にバッハの棚に寄ってみたらこんなのがあった。

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バッハ・コレギウム・ジャパン/53Cantatas

うわ、vol.41からシリーズ最後のvol.55までの15枚組廉価盤。

BCJのはNMLで聴けるからCD手持ちはなかったのでダブりもないし、今までの10枚組セットも限定版ですぐになくなっちゃったし、あるときに買っておかないとということでゲット。ラッキーなことにBCJでのマドゥフさんの演奏が全部収録されている。

結局なんだかんだと買ってしまい、目下これをどう自宅のCD棚に収めるか悩み中。

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2014/05/04

伊福部昭古稀記念コンサートのCD

キングから出た伊福部昭古稀記念交響コンサートのCDを聴く。

今年は伊福部昭生誕100年なのでさまざまな催し物で取り上げられることも多いようだ。
このCDは今から20年前の1984年に古稀を祝って上野の東京文化会館で開かれたコンサートをライブ録音したもの(+先生を囲んで弟子たちの座談会の模様)。僕も参加した演奏会だ。

収録されているシンフォニア・タプカーラは改訂版初演を行った芥川/新響にとって4度目の演奏だった(80年に初演、81年に福生で、そして84年の秋に2回演奏した)。確かこの回まで僕が1番を吹かせてもらったように記憶している。改訂版初演のフォンテック盤は持っているのがこの演奏会のは音源を持ってなかったので30年ぶりにプレイバックを聴いたことになる。

ライブの出来という点では自分的にはこちらの方がいいように思う。練習のときに3楽章の最後4拍子と3拍子が混じってクライマックスでラッパがハイCから入ってくるところ、芥川さんから1st名指しで「そこのところ、あんまりするどく入らないようにね」と言われてしまったのは、初演のときにあまりにエキセントリックな音色だったからなんだろうと反省したことも思い出す。それでこの演奏では比較的おとなしめになってる。

新響はタプカーラを何度も演奏しているが、市販の演奏としてはこのさらに10年後、先生の傘寿を祝った東京芸術劇場(指揮は原田幸一郎)の方が録音、出来ともに断然完成度が高い。この間のオケの成熟度の賜物だとは思うけど、芥川さんの棒だと気持ちが入り過ぎてしまって前のめりになってしまい、破綻一歩前になりがちだったのもその一因かもしれない。

それにしても付録でついているCD3枚目の座談会、芥川さんと石井真木の声は懐かしかった。伊福部先生のお声はリハーサルにお見えになられたときにちょこちょこっと聴いたことがあるくらいなのでこうやってまとまって聴けるのはうれしい。この録音は昨年偶然に見つかったものらしい。当時もそうだったけれど芥川さんの先生に対する畏敬の念が伝わってくる貴重な記録だね。

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2013/09/10

第7倍音めっけ

以前(2008年)に聴きに行ったニケ/コンセール・スピリチュアルのコンサートでいたく印象に残ったダンドリューの曲の動画があった。

コンサートの感想はこちら

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2012/12/21

クリスマスオラトリオ お奨め動画

既にCDレヴューでクリスマスオラトリオのめぼしい録音は取り上げたけれど、動画(DVDで市販されている)のお奨めをご紹介したい。

トランペットの1番はニコラス・エクルンド。見事な演奏である。
ライブで終曲64番を完璧に吹いたあとも何事もなかったかのようにけろっとしている。さすがですね。

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