カテゴリー「コンサート・CDなどの感想」の166件の記事

2022/09/04

コンサート余波

9/2(金)ルーテル市ヶ谷ホールに斎藤秀範さんのリサイタルを聴きに行った。

2回目の今回は、1曲目と終曲にイタリアのトレッリの曲を配置し、その間を前半はパーセル、後半はヘンデルでまとめて、イギリス特集のプログラムだった。とても趣味のいいプログラミングだと思う。ゲストの青木さんの歌も映えていたし。

それはともあれ、コンサートは斉藤さんご自身のMCを挟みつつ進行したのだが、その中に含まれた2曲、

Purcell: The Duke of Gloucester’s Birthday Ode(1695)
Handel: Birthday Oder for Queen Anne(1713)

の曲の追加解説があって、パーセルの曲はヘンデルの曲のアン女王の息子のために作曲された、というお話だった。

(アン王女は18世紀スチュアート朝の最後の君主で、イングランド君主・スコットランド君主の後、最初のグレートブリテン王国の君主となった人)

あれあれ、パーセル(1659-1695)はヘンデル(1685-1759)よりも前の時代の人なのに?と不思議に思ったが、うちに帰って調べてみたら、以下の史実が判明。

The Duke of Gloucester - William (1689-1700)
Queen Anne (1665-1714)

つまり夭折の天才パーセルは亡くなる年に6歳のウィリアム王子のためにこの曲を作曲、ヘンデルはアン女王の最晩年(亡くなる前年)に誕生日お祝いの曲を作ったということになる。

ちなみに当のウィリアム王子は11歳の若さで早々と亡くなっている。6歳の時はトランペットの音を大層にお慶びになったとの話もある。

壮絶なのは女王の方で、1684年から1700年までの間に17回妊娠したものの、6回は流産、6回は死産で、無事に生まれてきた子どもたちもこのウィリアム以外は生後すぐ夭折、もしくは1、2年で病死している。唯一育ったウィリアムも先天的な病気を抱え、上記の通り11歳で夭折。

18世紀のイギリスはスペインの無敵艦隊を破るなど破竹の勢いで、その国力がピークにあった時代。それなのにプライベートでは子宝に恵まれず、何度も我が子の死に目に遭わなければいけなかった、というのでは女王の嘆きはいかばかりであっただろうか。そのせいかどうか定かではないが、ブランデーをことのほかお飲みになり、晩年は肥満で車椅子でなければ移動できなかった、とWikiにあった。

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2022/08/02

プロムジカ使節団 第3回定期公演「文明開花vol.2 協奏曲の精華」

連日の猛暑日の中、古楽アンサンブルの昼公演を聴きに池袋のとしま区民センターに行く。

駅から数分歩くだけで汗が噴き出すが、新しいホールの中は冷房も効いていて席に着くと公演前の静謐な感じにホッと一息つく。

コンサートの副題にある通り、プログラムはコンチェルトばかり4つで構成されていた。

・ヴィヴァルディ チェロ協奏曲 ハ短調 RV401(ソロ:山本徹)
・ヴィヴァルディ 「四季」より「夏」RV315(ソロ:池田梨枝子)
・アルビノーニ オーボエ協奏曲 ニ長調Op9-2(ソロ:新井豪)
・J.S.バッハ(圓谷俊貴編)イタリア協奏曲 BWV971(ソロ:圓谷俊貴)

どの曲もビビットで緊張感があり、緩急やダイナミクスも自在にうまくコミニュケーションがとれていてスリリングな演奏だった。
とりわけ真夏の最中に気だるい雰囲気たっぷりの「夏」の緩徐楽章はぴったり。

ぎゅっと凝縮した時間、いいもの聴かせてもらいました。

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2022/04/07

「斎藤秀範バロック・トランペット コンサート」

BCJなどで活躍されている斎藤秀範さんのリサイタルを聴きに行った。

会場はルーテル市ヶ谷ホール、何度か行ったこともあると高を括っていたら、なんと迂闊にも市ヶ谷からの道を間違ってしまい、開演時刻に間に合わず、1曲目はロビーで聞くことになってしまった。2曲目のパーセルから会場に潜り込む。

この催し、斎藤さんの1回目のリサイタルということで、サブタイトルに "Baroque Trumpet and... vol.1"とある通り、バロックトランペットにゲストを招いて室内楽を披露するという趣旨らしい。初回のゲストはソプラノの松井亜希さん。チェンバロ伴奏に重岡麻衣さん。

今まで僕が「これしかない」シリーズでやってきた曲ばかりなので、曲に馴染んでいるのはさることながら、曲の部分部分での演奏者の斎藤さんの心理状態も多少推測できたりして純粋な鑑賞の妨げになってしまうのは仕方がないところ。一体に、どうも自分がやっている楽器のコンサートって音楽以外のいろんなことが気になって素直に楽しめない厄介な面がある。

曲は斎藤さんのMCにあった通り、ほとんどがD管の曲だったが、(記譜の)F, Fis, G, A のピッチがいずれもシャープ気味(特にFが)で、ずっとふわふわしている感じ。でも曲の終わりは C(実音D)でちゃんと着地してホッと安心する。ガルッピで使ったC管はそこまで極端ではなかったのだが。

休憩後後半にテレマンを持ってきていて勇気あるなぁと思ったらアダージョで始まるあの有名な曲の方ではなかった。トランペットは1曲を除いて出ずっぱりだったけれど、緩徐楽章の休みや譜面ヅラを考えると無理のない選曲だと思った。欲を言えば全体にコンセプトが欲しかったかな。イタリアもの、イギリスもの、ドイツものとごっちゃになっていて、「はい、演奏したい曲並べました」っていう体で、バロックトランペットをまとめて聴くのが珍しいという状況だから仕方がない面もあろうが、今後シリーズ化するならそれぞれの回に何らかのテーマがあったほうがいいように(余計な御世話ながら)思ったことだった。

ソプラノの松井さんの歌はメリスマも装飾も見事で聞き応えがあった。トランペットもそれに応えてセラフィムが一番華やかかつ華麗な演奏だった。

会場の入りは3割くらい?なぜか聴衆はほとんどが女性で、斎藤さんのイケメン人気か、松井さん、重岡さんのファンか。
いわゆるラッパオタク的な若い人たちは少なくて、知り合いのトランペット奏者の誰にも遭遇しなかったのにびっくり。

「斎藤秀範バロック・トランペット コンサート」

2022年4月5日19:00開演
ルーテル市ヶ谷ホール

プログラム

1. コレッリ/トランペット・ソナタ ニ長調
2. パーセル/トランペット・ソナタ ニ長調
3. A.スカルラッティ/"Mio tesoro per te moro"
4. パーセル/"When I am laid in earth"(ソプラノソロ)
5. A.スカルラッティ/"Si suoni la tromba"
 ー 休憩 ー
6. テレマン/トランペット・ソナタ ニ長調
7. ガルッピ/"Alla tromba della fama"
8. ヘンデル/"Let the bright Seraphim"
9. ヘンデル/組曲 ニ長調

アンコールはバッハのカンタータ第51番から終曲のアレルヤだった。斎藤さんは1曲目がやりたかったようなのだが、松井さんから終曲って言われたらしい(この辺りお二方の気持ちが推察できて面白い)。

このリサイタル、第2回目は9月に予定しているそうだ。

 

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2020/04/26

エベーヌ四重奏団のベートーヴェン

数年前にメンデルスゾーンの2番のCDを聴いて衝撃を受けて以来、今一番気になっているカルテットがフランスのエベーヌ四重奏団。

今年のベートーヴェンイヤーを前にして昨年世界各地で演奏したベートーヴェンのライブの全集がまもなくリリースされることになっている。いや、正確には先行してラズモフスキーの1番と2番(2019年6月、ウィーン)が出ていてこれはもう入手済み。あとは全集待ち、と思っていたらナクソスライブラリーには7月のサントリーホールでのラズモフスキー3番と13番(大フーガ付)が単体で出ていたのでさっそく聴いてみた。

相変わらず緩急自在な見事なアンサンブルで、ライブならではのただならぬ緊張感に満ちている。1stのColonbet氏の息遣いがライブの雰囲気をさらに増幅するので、こちらも会場にいる気分になって、引き込まれて最期まで一気に聴いてしまった(実はラズモフスキーと13番の間でちょっと休憩したけど)。

全集のCDは先にも書いたように昨年の5月から今年の1月まで、世界の7ヶ所で行ったツアーの記録なのだが、もしこのスケジュールが半年でも遅かったら完成はしなかっただろう。今年NYのカーネギーホールで全曲演奏会が予定されていたようだが、当然これも消えてしまったわけだね。

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2020/04/13

ベートーヴェンイヤーのCD全集

今や音楽はサブスクが主流、CDが売れなくなって久しいが、そんな逆境にあっても今年はベートーヴェン生誕250周年にちなんだ全集がいくつか出ている。(リンクはいずれもタワーレコード)

1 ドイツ・グラモフォン123枚組

2 ワーナー・クラシック80枚組

ブリリアント85枚組

ナクソス90枚組

1のDGだけ枚数が多いのは、交響曲やピアノソナタそれに弦楽四重奏などで同じ曲に複数の演奏者のものが収録されていることに加え、DVDやブルーレイオーディオも含んでいるためだ。だからベートーヴェンの全作品を聴くにはCDが80枚から90枚あれば十分ということらしい。

実はベートーヴェンの作品集CDということで言えば数年前に買った50枚組のもの(DG)がある。
だが、全集もどれか一つくらい買ってレファレンス用に持っておこうと思ったのが今年の初めの頃のこと。

一番演奏が充実していそうな1のDG盤は、お高いし、あいにくもう既に持っているCDとかなり被るので見送り。4のナクソスは作品のカバー率は高そうだけれどアーティストに知らない人が多くて結局満足できなさそうでパス。それで店頭に出回るのも早くしかも安かった3のブリリアント盤を購入した。その時はワーナー盤が出ていることを知らなかったのだ。あとで2のワーナーを追加購入して、聴き比べの上ブリリアントのは手放すことにした。

というわけで今は気が向けばワーナーの全集から適当にCDをつまみ出しては無作為に聴いている。メジャーじゃない曲にもいい曲がたくさんあって、やっぱりベートーヴェンは偉大な作曲家だなと改めて思っている今日この頃なのだ。
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2019/02/20

フンメルのコンチェルト新譜

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昨日CDショップを物色していたらこのCDに出会った。

Cherubini in Wien  "ウィーンのケルビーニ"

指揮:Martin Skamletz
演奏:Concerto Stella Matutina
ソロ:Herbert Walser-Breuß (Keyed Trumpet)

ケルビーニはイタリア人だけれどパリで成功して活躍した作曲家。ケルビーニのオペラはウィーンでも大人気で、1805年からしばらくはウィーンに逗留していたそうだ。このCDはケルビーニの作品、並びにそれを題材にしてウィーンでアレンジされた作品たちが収められていて、収録された曲のほとんどは世界初録音らしい。初録音でないのはフンメルのトランペットコンチェルトのみ。だがそれもキイ・トランペットでの演奏ということでかなりマニアックなレコーディングだと言える。

フンメルのコンチェルトの第3楽章はケルビーニのオペラ「二日間」の第二幕終曲のパロディだということは有名で、僕のコンサートやブログでも申し上げてきたことだ。僕はフンメルが勝手にパクったのかと思っていたのだが、このCDの解説を読むと、この曲を使うようにと時のマリア・テレジアが指示したのだそうだ。初耳。CD全体に流れるテーマなのだが、ナポレオンのウィーン攻略目前の政治的に不穏なウィーンで、このケルビーニの音楽が果たした役割というのが浮き彫りになっていてとても興味深かった。

演奏に当たっているコンチェルト・ステラ・マトゥティナは気鋭の若手たちによって2005年に設立されたオーストリアのアンサンブルで、メンバーの多くはコンチェントゥス・ムジクスとかイングリッシュ・コンソートなど様々な団体で活躍しているとのこと。スイス国境に近いVorarlbergが本拠地。よく知られた名曲の他に、知られざるレパートリーの発掘にも積極的で、このCDもその一環だし、ディスコグラフィを見てもその意欲的なことがうかがわれる。

肝心のフンメルの演奏だが、まず最初に感じたのが、キイ・トランペットの音色の独特さ。なんだかジャズのトランペットのようにハスキーな音色なのだ。最初は違和感があったけれど、慣れてくるとそれはそれで(キイを開けた音と閉じた音の)音色の統一性が取れていて良いのかなとも思えてきた。それからアーティキュレーションだが、八分音符の羅列などところどころアクセントが明確でスタッカート気味。これも従来のクラシカルの演奏とちょっと一線を画した解釈だなと思った。

僕の個人的な関心事でもある、譜面上の波線の処理については案外に平凡で、キイを使ったトリルで済ませている。それにこのCDのテーマにもなっているケルビーニのパロディである3楽章は、他の人たちのフンメルの演奏と同じで、早いテンポを採用している。この3楽章はソリストのヴィルティオジティを示すのではなく、もっと洒脱な雰囲気を出すべきで、そのためにはあまり早すぎないほうがいいと僕は思うのだ。それが証拠に、このコンチェルトの前後に引用されているケルビーニのオペラバージョンやウィーンの他の作曲家によるパロディにおいても、この部分のテンポはもっと遅いのである。細かい検証の上に制作されたであろうアルバムであるがゆえに、この点はちょっと納得がいかないのであった。

ソリストはオーストリア出身のヘルベルト・ヴァルザー=ブロイス。このアンサンブルを始めたメンバーでもあり、ウィーン・コンチェントゥス・ムジクスなどで演奏する他、ジャズも活発に演奏しているそうだ。使用しているキイ・トランペットは1823年のAlois Doke をモデルとしてエッガーが制作したもの。

フンメルのキイ・トランペットでの演奏は僕の所持するCDではフリードリッヒ、スティール=パーキンス、カッソーネに次いで4枚目となる。演奏の巧さではやっぱりフリードリッヒが一つ頭抜けているかなあ。

アンサンブルのHPからリンクしたこのCDの紹介ページはこちらです。演奏も一部聴くことができます。

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2017/02/23

オペラの字幕

オペラはなかなか生を観に行くには先立つものがなくて。もっぱらMETライブビューイングかBD/DVDで観ることにしている。

が、オペラのBD/DVD、なぜか日本語字幕のついているのは少ないんだよね。今までは日本語字幕がないと英語で見ざるをえなくて、隔靴掻痒という感じだったんだけど、対訳書を借りてきて原語字幕で見ればいいことに気づいた。これは言葉に直接触れることができることに加えて、解説とかもついでに読むから周辺知識も増えるし、いい方法だね。

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2016/11/21

CD聴き比べ:シベリウス/ヴァイオリン協奏曲

クラシックのCD、自分が欲しいなと思うのにはそのときどきの傾向があるようで、昨年からはこんな流れになっている。

1. 昨年6月に欧州旅行から帰ってからは、訪問したライプチヒやドレスデン、プラハのオケの演奏するブラームスやシューマン、ドヴォルザークの交響曲を。

2. それが一通り落ち着いてからは、なぜか弦楽四重奏曲(ベートーヴェンを中心に余波でメンデルスゾーンとショスタコーヴィッチのSQも)。エマーソンSQのボックスを買った影響かな。これが結構長く続く。

3. カルテット熱が引くと、ふと自分のCD棚に大好きなシベリウスのヴァイオリンコンチェルトのCDが一枚もないことに気づき、とりあえず諏訪内晶子のCDをジャケ買い。それが当りだったので、ぞろぞろとシベコン(しかも女流ヴァイオリニストの)が増えている状況。

そんなわけでシベリウスのヴァイオリン協奏曲はとりあえず今以下の7枚を聴き比べしているところ。(ソリスト、指揮者、オケ、カッコ内は録音年)

Suwanai
諏訪内晶子 サカリ・オラモ/バーミンガム市交響楽団(2002)

Chung_1
キョンファ・チョン アンドレ・プレヴィン/ロンドン交響楽団(1970)

Midori
ミドリ ズービン・メータ/イスラエル・フィルハーモニック(1993)

Chang
サラ・チャン マリス・ヤンソンス/ベルリン・フィル(1996)

Horigome
堀米ゆず子 イヴァン・フィッシャー/アムステルダム・コンセルトヘボウ管(1988)

Hahn
ヒラリー・ハーン エサ=ペッカ・サロネン/スウェーデン放送交響楽団(2007)

Batiashvili
リサ・バティアシヴィリ ダニエル・バレンボイム/ベルリン・シュターツカペレ(2016)

なぜか東洋人ソリストが多いけど(笑)。
ソリストに関しては、サラ・チャン(ライブ盤)だけが、ちょっとビブラートましましすぎて好みに合わず。それ以外はどれもいいけれど自分の好みとしては諏訪内とハーンの演奏が

この曲はオケも聴き所が多くて、指揮者によって、またオケによって印象ががらっと変わるのが面白い。やはり総じてイギリス、北欧のオケがシベリウスらしさの表現が上手な気がする。

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2015/08/23

JF マドゥフ氏によるハイドンのコンチェルト

Agremens1 Agremens2

先日都内のCDショップをぶらぶら徘徊していたら偶然見つけたのがこのCD。7枚組のBOXセットの6枚目にハイドンがあった。実はこの録音の存在すら知らなかったのだが、ネットショッピングばかりでなくたまに店頭にいくとこうした発見があって楽しい。

Joseph Haydn: Concerto per il Clarino in Es
Keyed Trumpet: Jean-François Madeuf
Les Agrémens (cond. Guy Van Waas)
RICERCAR RIC357

7枚セットのうち最初の5枚は今まで単発で出ていたグレートリーやゴセックのシンフォニーなのだが最後の2枚は今まで未発表のアルバムのようだ。なにぶん同封のブックレットに録音日や場所などの詳細が記載されていないので2008年から2014年の間にかけての録音ということしか分からないが。

ともあれ、キイ・トランペットによるハイドンのコンチェルトの新たなアルバムが加わったのはうれしいことだ。
マドゥフ氏のキイ・トランペットは派手な音色ではなくまろやかで、どちらかと言えばコルネット(モダン)を聴いているようだ。キイによる音色の不統一は全く感じられない。1楽章と3楽章のカデンツなども短めで、いわゆるコンチェルトらしく大見得を切るという風ではない。既存のキイ・トランペットによる演奏と比較すると、フリードリッヒ氏やヘフス氏のような明るく華やかな演奏とは異なり、インマー氏のような渋い演奏に近い。こうやってコレクションが増えてくるといろんなアプローチがあるなあと興味深い。

このCDではどのEditionを使用したのか明らかではないが、僕の手元のUniversal (Tarr氏編)に比べると、スラーの多用などアーティキュレーションがずいぶん異なっている。クイケンによるバッハのクリスマス・オラトリオの時も感じたが、例えばヴァイオリンは弓を返している(音を切って演奏)のに対し同じフレーズでソロが音をつなげてスラーで演奏するのは、自分としては若干違和感がある。技術的な問題ではないと思うのだがどうなんだろうか。
なお、マドゥフ氏はトリルを全てその音から始めていて、その点徹底している。やっぱりバロックの装飾と古典派の装飾は明確に区分すべきということだね。

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2014/11/15

昨日の戦利品

最近はナクソス・ミュージック・ライブラリー(NML)で音源には不足していない状況なんだけど、それでもたまにCD買いたい病が出る。

予約をしていたポリーニのベートーヴェン・ピアノソナタ全集が届いた。(今のところグラモフォンはNMLに入ってないのでね)

Photo

それでちょっと買いたい病がむくむくと。
仕事の帰りに渋谷のタワレコに行ってみた。

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アイム/メサイア

アイムのメサイアの新譜あり。来週メサイアをやるのでね、参考音源ということで。トランペットはギー・フェルバー。

アイムのヘンデルは相変わらずきびきびしている。こないだベルリンフィルを振っていたときも同様のスタイルだったなあ。

Photo_3

マイスキー/10クラシックアルバム

ホントはジャクリーヌ・デュプレのCDがあったら買おうと思っていてチェロの棚をみていて発見したのがこれ。

これもグラモフォンだし、マイスキーは1枚も持ってないし、しかもこんなに安いとなんか買わないと失礼な気がして。。(と言い訳がましい)

以上でレジに行こうとしていた途中にバッハの棚に寄ってみたらこんなのがあった。

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バッハ・コレギウム・ジャパン/53Cantatas

うわ、vol.41からシリーズ最後のvol.55までの15枚組廉価盤。

BCJのはNMLで聴けるからCD手持ちはなかったのでダブりもないし、今までの10枚組セットも限定版ですぐになくなっちゃったし、あるときに買っておかないとということでゲット。ラッキーなことにBCJでのマドゥフさんの演奏が全部収録されている。

結局なんだかんだと買ってしまい、目下これをどう自宅のCD棚に収めるか悩み中。

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